11月3日(祝)、Npo法人ETIC.が東北で新たな事業を立ち上げるリーダーの「右腕」となる人材を派遣する「右腕派遣プログラム」の一環として、日本財団ビルで
「みちのく仕事マッチングフェア」というイベントを行う。
入場無料で、100名の若手人材を集め、東北の復興活動におけるソーシャルビジネスの担い手になってもらおうというものだ。

詳細は、
イベントの公式サイトを参照してほしい。
3・11以後、遠方から被災地に駆けつけ、そのとんでもない惨状を目の当たりにし、そこに住み着き、復興の仕事に携わるようになった学生や若者は珍しくない。
何より驚くのは、既に1年半以上も前の出来事なのに、地震や津波、原発事故によって壊滅した町が新聞・テレビが伝えるような「明るい希望」というイメージではないということだ。
だからこそ、まず自分の目で現実の被災地を見てほしい。
そして、自分でなくてもできるような仕事ではなく、自分にしかできない仕事がそこで必要とされていることに気づいてほしい。
20代が自発的に正社員の仕事を辞めてしまうことは、勤務先の企業にとって問題視されてきたが、そこには働く若者自身にとって譲れない条件があったからだと思う。
それは、「自分が本気でやりたい仕事内容ではなかった」ということと、「顧客にとって切実に求められ、はっきりと感謝されるような仕事ではなかった」ということだ。
30代以下の若い世代にとって、「自分らしく」「誰かのために役立っている」という2点の手ごたえは、仕事を続けられるのに不可欠な条件である。
この2点は、就職活動で内定し、最初に勤めた企業の仕事現場で満たせるとは限らない。
だから、「いつになったら自分にしかできない仕事だと思えるのか?」「こんな仕事を続けていても誰も自分に感謝などしてくれない」という現実の前で、焦燥感や違和感を持つ。
もちろん、5~10年、同じ企業にいれば、自分のしたいこととできることには開きがあったり、自分の思っていた適職と現実の適職が違うことにも、明快な回答が得られる。
しかし、他の誰かにとってかわっても問題ない仕事(=自分らしくない仕事)や、顧客に感謝される手ごたえを感じられない仕事を続けていては、自分の人生を自分であきらめているような「不戦敗」の気分を延々と味あわされる。
だから、5年以内に最初の就職先を辞めてしまうのも、自分の人生に対して誠実に生きようとする健全さの一つかもしれない。
実際、不況が続けば、売上偏重の仕事を強いられ、「社会に貢献する」という本来の仕事の目的も見失われてしまうし、それゆえに精神的にまいってしまったり、自分だけがそうした働きに対して違和感を覚えているのかという孤独を感じることもあるだろう。
その結果、気がつけば、うつ病になったり、ニートやひきこもりと呼ばれる生活になってしまったり、何のビジネススキルもないのに「一人で働ける」(=会社に行って組織の中にいなくてもいい)というだけでノマド・ワークに憧れるようになるなど、煮詰まっている自分から抜け出せなくなってしまう若者も続出してしまうのだ。
しかし、そういう時代だからこそ、東北の被災地にチャンスを感じてほしい。
被災地では、地元に経済的な活気を取り戻し、一刻も早く安心で安全な町に復興させようという気持ちで新しい仕事を作り出そうとしている人たちが続々と現れている。
彼らは、「自分の会社の売上を上げれば、それでOK!」などとは思わない。
むしろ、「みんなで助け合って、みんなが今より少しでも良い暮らしを取り戻せるようにしよう」と考える。
何もかもなくなってしまったからこそ、新しい仕事、新しい生き方、新しい仕組みによるまちづくりが試行錯誤されているのだ。
いま、君の住んでいる町に、自分らしく働けて、顧客から満面の笑みで感謝される仕事があるなら、ぜひそれを続けてほしい。
しかし、そんな仕事についておらず、金ばかり追いかけているような働き方に疲れているなら、11月3日のイベントに足を運ぶか、同サイトで紹介されている東北の仕事に参加してみてほしい。
同イベントを手がけるNPO法人ETIC.は、若手の社会起業家を育成してきた団体だ。
社会起業(ソーシャルビジネス)は、社会問題を解決するために事業を興す人たちのこと。
彼らは、金儲けが目的なのではなく、問題解決のコストを賄うために収益事業を作るという発想で働いている。
それが、従来の働き方とまるで違うことにピンと来るだろうか?
あなたが切実に困っている問題は何?
それが他の人も同じように苦しんでいるなら、それは社会問題なんだ。
たとえば、それは地方における「就職口がない」という社会問題かもしれないし、「うつ病で就職できない」という社会問題かもしれない。
そのように、政治も行政も満足に解決できないために、切実に悩み苦しんでいる人が多い社会問題に対して、本気で解決しようと動き始めた人がいたら、君だって応援したいと思うだろう?
だから、社会起業家の周囲にはボランティアでも手伝いたい人材が集まったり、寄付金を出す人もいる。
あなたの会社に、ボランティアでも手伝いたい人はいる?
寄付金を出したいと申し出てくる人はいる?
それだけでも、社会起業家がどれだけ社会に切実に求められているかが理解できるだろう。
そして、東北の復興には、そうした社会起業家の存在が欠かせない。
今の仕事に満足していないなら、あるいは既に失職しているなら、東北へ飛び、社会起業家の仕事に合流してみないか?
そして、東北を従来よりも面白い場所へ、君と若い仲間の力で変えてみないか?
「どうしても東北には行けない」という方は、せめて社会起業(ソーシャルビジネス)できっちりメシが食えている先輩たちに学んでみよう。
社会起業家について少しでも知りたい方は、ぜひこのゼミに顔を出してほしい。
★社会起業家・養成ゼミ TOKYOhttp://socialventure-youseizemi-tokyo.blogspot.jp/ 共感していただけたら、この下にある「ツィート」や「いいね!」を押してくれると、うれしいです。
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