フリーライターは、出版業界の中でも最下層の被差別階級として扱われている。
雑誌だと、遠方まで時間をかけて取材して書いても、1ページあたり1~3万円。
ネット記事なら、電話取材と画像取り寄せまでやっても、せいぜい1本数千円。
このようなフリーのライターがいなくては、雑誌の記事ページは埋まらない。
それでも、ページ単価のギャラ額面は、上がったためしがない。
そんな苦境の中でもライターを続けるのは、社会的価値のある記事を1つでも発信したいからだ。
この志なしには、ライターなんて仕事は、労多くして益薄いのだから、この不況日本では、とてもやってられないだろう。
編集者の無能ぶりでギャラを上げられないなら、せめてもっとライターを大事に付き合うことを考えないと、手間も時間も取材経費も全部自腹を切る取材をしたがる若手人材はどんどん減るだろう。
それどころか、裏取り取材(※取材相手の言い分が本当かどうかを確認する作業)に対する経費すら出版社がケチるようになっている現在、雑誌だけでなく新聞やテレビも含めてメディアの報道内容の精度は自然に劣化していく恐れがある。
ネットの時代といっても、ネットには独自の取材はほとんどない。
ニュース報道サイトの多くは、新聞・雑誌・テレビから記事を買っているのだ。
つまり、既存メディアが報道の社会的価値を忘れ、必要な取材経費や人件費までケチってしまえば、設備投資を怠るメーカーと同じなので、当然、読者や視聴者が離れるのと同様に、ネット上に精度の低い情報をはびこらせることになる。
(※クラウドファンディング運営業者の多くが赤字なのもプロジェクト案件の社会的価値に関心が足りないから)
取材の最前線にいる「取材職人」のフリーライターに十分なお金を渡せないのであれば、お金ではない価値を提供しないとまずいと考えるのが優秀な編集者だし、エシカルな経営者と呼べる。
しかし、そうした「できる編集者」「優秀な経営者」という人材は、どこの業界でもそうだが、ホンの一握りしかいない。
だから、フリーライターは自分でその「できる編集者」「優秀な経営者」を探すしかない。
見つからなければ、自分が「できる編集者」になるか、「優秀な経営者」を育てるしかない。
お金ではない価値をライターに提供する方法なんて、ライターに聞き出せば、いくらでも見つかる。
読者が雑誌の顧客であるのと同じように、ライターも編集者の顧客なのだ。
真っ先に自社の社員を守るという家族経営のダメな部分にしか目が行かない余裕のなさをどこのメディア業界も自覚してないから、ステークホルダーどうしで助け合い、シェアすることで、新しいビジネススタイルを生むというイノベーションにいつまでもたどりつけないでいるのだ。
しかし、マネタイズの下手なメディア業界こそ、お金ではない対価をどのようにステークホルダーに提供できるのかを学ぶことが必要不可欠だろうし、ソーシャルビジネスこそ今のメディア業界を刷新し、持続可能にしていくために必要だといいかげん気づいてほしいと思う。
広告代理店まかせのメディア経営なんて、報道の王道である「報道の中立性」や「報道の自立性」からどんどんズレていくだろう。
だから、メディア関係者がCSR経営をするにも、毎日の仕事をエシカルなものに改善する際にも、ほんまもんの社会起業家にふれてほしいと思うのだ。
時代は既に、新聞社の社長や雑誌編集長の年代では気づけないほど大きく動いている。
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