今月、50歳の誕生日を迎える。
今年の上半期は、胆石の摘出手術で病院に入院・通院をくり返してきたので、療養期間とし、新たな仕事をしないと決め、
ビートルズの楽曲を和訳して歌うなんて楽しみに興じていた。
日本語で歌えるように譜割りをふまえて和訳してみると、ビートルズが世界中の若者の人気者だった約50年前に日本で発表されていた和訳に誤訳が多いコトがわかったり、50年前に社会的なメッセージを歌っていたなどの発見もあったりと、とても面白い作業になった。
それらの和訳は書籍で発表してみたいところだが、まだ出版社は決まっていない。
本格的に企画書にしてプレゼンしてないからなのだが、和訳の途中から僕自身の今後の人生そのものを考え始めてしまった。
本を執筆・編集するのが年数冊のペースでも、あまる時間はまだたくさんある。
その時間で音楽に関わることができないかという欲求がふつふつとわいてきたのだ。
もちろん、趣味ではない。
やるとしたら、仕事にする。
だから、どう儲けるのかという戦略が必要になるのだが、その前に、これまでの仕事の実績をふまえてどんなことがしたいのかを妄想しておきたい段階なのだ。
だから、「これから書く内容はまだまだ妄想だ」と断りつつ、気ままに書いてみよう。
■みんながワクワクできる拠点を田舎に作れないか? 僕が住んでる千葉県市原市の市内や周辺には、高校も大学もいくつかある。
しかし、浜田省吾の歌
『Money』ではないが、「ハイスクール出たやつらは次の朝バッグを抱えて出てゆく」わけだ。
地元にワクワクできる職場が無ければ、あるいはそれを作れる見込みがなければ、上京するなり、内房線を北上した東京に近い職場を探す方が面白いし、地元では働くより選択肢が増えるし、高収入になるからだ。
そのことは前の市原市長に話したこともあるんだけど、若者向けのインキュベーション(起業支援)に力を入れることなんて、おじいさん市長にはピンとこない話だった。
彼は、「なんで玉蹴りに金を出すんだ?」とJEFユナイテッド市原というJ1チームのためにクラブハウスを整備することがなかったので、千葉市が全天候型スタジアムを建設して、今は「JEF千葉」と言われている(正式名称は「JEFユナイテッド市原・千葉」なのに)。
こんな市政も、この春から新・市長の下で変わるかといえば、どうもその気配が無い。
前市長の後釜として当選した人なので、どこまで文化への投資の社会的意義が理解できているかも、わからない。
いずれにせよ、市政がどうあれ、民間の力で若者が面白がれる環境を作る必要があるだろうし、ニーズもあると見込んでる。
僕自身、19歳まで育った町がパッとしないのでは、なんとも居心地が良くないしね。
みんながアッと驚くことが無いことに慣れきっているし、面白くできる可能性すら忘れてしまってる。
そんな町で妄想してるのが、五井駅から徒歩で行ける距離に「ライブ・カフェ」を作るというものだ。
既に使われなくなった物件を安く借り上げ、音楽ライブやトークイベントなどができるカフェを作ってみたら、どうだろう?
モデルとしてイメージしているのは、
新宿ロフトプラスワンだ。
通称LPOでは毎日、日替わりのテーマでゲストたちがステージでトークライブを行い、観客からの質疑に応答してる。

ライブハウスだと通常、イベントをしたいミュージシャン側がチケットノルマを課され、それによってライブハウス側の収益を守ろうとしている。
だが、LPOはイベントの内容やゲストの人選など企画そのものを検討し、集客に耐えうると見込んだ企画なら、イベントを主催する側からはお金を受け取らない。
ノルマの負担が無いどころか、イベントの来場客の飲食代やチャージ代金などの総売上の額面が一定以上になれば、規定の%分はギャラとしてイベント主催者に支払われる。
田舎でこの仕組みのまま店を運営するには、イベント主催者側にメディア向けの広報戦略や、通る企画の作り方、ゲスト・ブッキングの方法、集客戦略などを教える必要がある。
イベント主催者たちを育てれば、毎月のように定例イベントを成立させることもできるだろうし、プロ志望のシンガーソングライターや映画製作者などに対して、その表現やメディア露出の方法を鍛えられるだろう。
何なら24時間、ステージに向けてカメラを置いておき、Ustream生中継をエンドレスで行ってもいい。
イベントが無い時間帯に定期的に歌えば、ライブハウスに金を出すより、よっぽどファンを獲得できるだろう。
そうした映像はどんどんYoutubeにアップし、アーカイブを増やしていけばいい。
また、店側が主催するイベントも大事になってくる。
ニュー・アルバムの発売に合わせて全国ツアーに出る有名ミュージシャンにも声をかけ、ギター1本で「レコ発ライブ」ができるようにブッキングすれば、大ホールのある施設が市内にもあり、沿線沿いの千葉市や木更津市にもある五井駅前のカフェなら、来てくれるだろう。
ミュージシャン以外にも、有名な作家や文化人などの講演も市内周辺の公共施設で行われているので、彼らも講演終了後にホテルに滞在するより、こっちのライブ・カフェに招いてトークライブに参加できるよう、呼びかければいい。
これは、僕自身が地方に講演に行った際に、毎度、感じていたことだ。
地方で講演すると、その土地の面白いところがわからないし、わかっても土地勘が無く交通時間が読めないため、結局はホテル内かその周辺で飲食を済ましても、時間を持て余してしまう。
もし、講演の前後にべつの用事をブッキングしてくれる人がいて、その土地の人と話を楽しめて飲食できるような面白い呼びかけがあれば、足を運びたくなること請け合いだ。

最初は、飲食店としての通常営業と、毎週1~2回ペースの有名人ゲストによるイベントをやるとして、少しずつ「毎日なにかしらスゲェ面白いイベントをやってる店」として、地元の若者たちの間にイメージを定着させたいね。
できれば、そのカフェのライブをネットで見た外国人が、「俺たちの国でライブやってよ!」と声をかけてくれるような仕掛けも作ってみたい。
多国籍のメンバーでバンドを組み、日本語で歌うだけでなく、英語や中国語などのバージョンも作って、同時代の世界中の若者たちから共感されるような楽曲を作ってほしいし、それを売り出せる環境つくりもしてみたいところだ。
デジタル・レコーディング・スタジオも、ライブ・カフェと同じビルか、近所にこさえてみたいね。
そこで、新しい時代の映像作家がカッコ良いPVを、人気が出る前の若い才能を持つミュージシャンを被写体にして作り出していける環境も同時に整えられたら最高だ。
ネット配信が音楽ビジネスで主流になっていく時代には、日本で売れなくても、世界中で売れたトータルの売上で食っていければ十分だし、そのためには諸外国から「うちの国に来て」と頼まれて、ギャラをもらって演奏旅行に行けるような若い世代を育てていく必要があるだろう。
そういう新しい文化の発信源として、また地元市民のビジネス活性化の拠点として、若い世代を中心にワクワクするような店が五井駅前に作れたら、沿線沿いから、あるいは東京や神奈川・埼玉からも、いや世界中から出演依頼が来るかもしれない。
それこそが地元に人を集める起爆剤になるし、このカフェが潤うだけでなく、他の業種の店も潤う地域活性の美しい姿だと思うし、イベントのポスター(印刷)やライブ観光ツアー(旅行業)など、地元出身のスターを作ることによる関連産業の活性化を夢見ることもできる。
■ライブ・カフェの上には、シェアハウスなんてどう? 片田舎で、それまでライブ・カフェがやったことがない取り組みをどんどんやれば、全国各地の見本として注目もされる。
そのためには、ただの商売として思われても困るので、NPO法人として運営するのもいいかもしれない。
実際、店が回るようになれば、人手もほしくなるが、キャッシュフローが追いつかない事態も出てくる。
そういうこともふまえて、できれば、カフェと同じ建物か近所にシェアハウスも運営し、家賃収入も見込みたいところだ。
三重県の伊勢市には、さびれた商店街の奥に、
ユメビトハウスというシェアハウスがある。

僕の友人が運営しているんだけど、昔はYAMAHAのピアノ教室だった3階建てのビルを丸ごと借り上げ、2・3階に泊まれて、1階ではハウス利用者たちが交流できるスペースになっているんだ。
こういうシェアハウスが五井駅前に作れたら面白い。
1階はライブ・カフェで、飲食もできるし、毎日イベントで面白いゲストがトークや演奏、映画上映などをしていて、2階以上に全国から集まった孤独なひきこもりやニートが寝っころがっていてもいいし、彼らが家賃の代わりにカフェで時給制で働いてくれてもいい。
彼らの中から、観たこともないとんでもないアイドルグループをプロデュースする人が出てくるかもしれないし、病気などのハンデを背負っていても稼げる仕組みを実現してしまう愉快な展開もあるかもしれない。
学生には、本やCD、イベントライブの予約チケットなどを売ってもらって、売上枚数分だけ金を支払うようにすれば、空き時間や教室などで小遣いも稼げるようになるだろう。
もちろん、成功している地元の若手起業家たちも招いて、高校生や大学生にとっては自分の10年後がくっきりと思い浮かべられるような「起業塾」もライブ・カフェでやればいいと思うし、僕も高校・大学と連携して社会起業やソーシャルデザインに関するゼミを現役の社会起業家たちを招いて手がけてみたい。
五井駅前にそうした夢のあるライブ・カフェを実現できる物件が超安く借りられるなら、立ち上げスタッフを公募し、NPO法人を作り、資金繰りに取り掛かりたい。
もっとも、以上の話はまだ、僕個人の妄想にすぎない。
とにかくワクワクが無さすぎるこの町で、1個でも起爆剤になる店が作れたら、全国の田舎に住む若者たちの希望になる。
地球のたった1点の場所から「世界を変える文化」を生み出し、同時代の多くの人をワクワクさせる仕事は、きっとやりがいのあるものになるはずだ。
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