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■戦争法案のデモに行く人も、行かない人も ~毎日の仕事を通じて「非戦の国」を作る方法


 戦争法案に反対するデモが、全国各地で相次いでいる。
 僕はデモに行きたい人を止めるつもりもないが、デモによって廃案を実現して戦争を回避できるという幻想に酔うつもりもない。

 どんな目的にも、それを実現させる戦略が必要だ。

 その戦略が実際に目的を果たせるという精度を問うことなしに、「がんばれば、あとは結果論」という根性主義だけでデモを正当化すれば、ただのお祭りで終わってしまう恐れは大いにある。

 「がんばれば、神風が吹く」みたいな結果度外視の根性主義がまかり通れば、それは戦略を不要と言ってるのと同じだ。

 経営者の感覚だと、それはありえない。
 経営戦略を学ばず、儲からなかった結果論として平気で社員を解雇する社長の下であなたは働きたいかい?

 だから、デモに行くなら、参加するのをきっかけにして、戦争を回避できる社会をどう作っていけるのかについて、その戦略が目的を達するためにどれほどの説得力を持っているのかを、冷静に見つめてほしい。
 
 デモに参加するのは、多くの人にとって非日常だ。
 ふつうの人の日常は、働いて暮らしているもんだろう。

 それならば、毎日の仕事を通じて、戦争をしないで済む社会を作っていく仕組みを考え、実践していくことの方が、遠回りのように見えて確実に社会変革になるし、それこそが「国民自身が主役となって社会を変える」という民主主義の感性というものだ。

 「自分こそが社会を作る一員だ」という当事者性を獲得し、その自覚をより多くの人と分かち合うことなしに、民主主義などありえない。

 反対運動により多くの人を集めても、それは自分と同じ意見の持ち主どうしで「そうだ、そうだ」とうなづき合っている同質の共同体にすぎない。

 むしろ、毎日通う職場で、さまざまな意見の持ち主たちとねばり強い交渉してゆく果てに1つの社会変革のアクションへと折り合っていくというプロセスを経てこそ、民主主義を生きる当事者性を獲得し、共有できるんだよ。

 だから僕は、デモに参加する代わりに、毎日やってる仕事を通じて、戦争を回避できる「よのなかの仕組み」をどう作っていけるかについて、アイデアをいくつかランダムに紹介していきたい。

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●仮想敵国にされた外国人と仲良くする

 安倍総理は、国会で中国の脅威を戦争法案の必要性の根拠にした。
 これに同調する一般国民は、中国政府と中国人民の意見に温度差があることを知らない。

 日本人が日本政府と同じ意見とは限らないように、どこの国でも政府の外交政策や外国への理解に満足してはいない。
 それに、日本に住んでいる中国人は、中国から出たこともない人に比べれば、はるかに親日的だ。

 これは、韓国やロシアなどの国民にも言える。
 外国人と長年、親しくしていれば、憎くは思わなくなる。それが人間ってもんだろう。

 それなら、あなたの働く会社で中国人を雇ったり、中国人の企業と取引したり、中国人の店に社員みんなでランチに行くなど、中国人とのコミュニケーションの機会を日常的に増やしてみてはどうだろう?

 人材的に優秀で、日本語のできる在日中国人は多いから、中国語で求人広告を出してみるといいかもしれない。

 1人でも多く雇うことで、中国人を身近に知り、親しむことができるだけでなく、そういう会社が増えれば、中国政府も中国人にフレンドリーな企業に対して攻撃的な構えをとりずらくなる。

 野球やサッカーなどのスポーツや、麻雀や卓球などの親善試合を就業時間外で企画し、中国人チームをネット検索で探して誘って社員総出で戦い、終了後は酒でも一緒に飲めばいい。
 社内でサークルがあるなら難しい話じゃないだろうし、何より楽しいことだ。

 そのように、日頃から、仮想敵国にされがちな外国の国民との交流のチャンスを増やそうとすれば、たとえば、飲食業なら「中国語でメニューを書いた方が客が増える」という収益倍増のメリットにも気づくだろうし、多くの中国人が爆買いしてくれる商品リストも中国人から直接知ることができる。

 売り上げ増が見込めるというメリットがある以上、経営者側も納得できるはずだ。
 社員が上司に提案すれば、上司は手柄を得て昇進チャンスになるかもしれない。


●商品・サービスの収益から海外NGOに寄付する

 海外で危険な場所でも人道支援活動を続けているNGO(非営利の非政府組織)には、「自衛隊に来られたら(軍事的な敵と思われて)命を危うくする」と心配している団体が少なくない。
 つまり、NGOに資金援助すれば、彼らは国際的に発言する広報活動に時間を割ける。

 そうすれば、多くの人が軍装した自衛隊をNGOの活動する外国へ送る法案をためらうようにもなるだろう。
 そのための広報予算として、自社の商品サ-ビスの利益の一部をNGOに寄付するよう、社員から経営側へ提案してもいいはずだ。

 実際、コーズ・マーケティングといって、買うだけで社会貢献になる寄付付き商品は、定価の10%以内の寄付額なら、寄付しない場合よりも売り上げ増が見込める。
 寄付する方が売り上げ増になるのだから、経営者も納得できる話だろうし、寄付する事実を事前に新聞に伝えれば、記事にしてくれる可能性は高い。

 戦争法案に反対する機運が高まっている今なら、期間限定のサービスや新しい商品ラインナップを売り出す際に、NGOへ寄付することを試してみてほしい。

 ちなみに、僕自身、個人的に自分の本の印税収入の中から10%を、3・11で被災した東北の子どもたちの育成基金である「ハタチ基金」に寄付している(※該当の本は、『よのなかを変える技術』『ソーシャルデザイン50の方法』)。

 そうした寄付の事実を公開することによって、「ハタチ基金」は少しずつ多くの人に知られることになり、さらに寄付が集まり、今日も活動を続けられている。


●中国・韓国・ロシアなどへ旅行するチャンスを作る

 年1回の社員旅行で中国・韓国・ロシアなどへ、社員総出で訪れてもいい。
 あるいは、そうした国々の企業とビジネス上のパートナーとして商品の売買をしてみるのもいいし、いっそのこと婚活パーティを日本と中国の企業どうしで企画し、国際結婚の実現を増やしてもいいだろう。

 日本の技術に裏付けられた商品・サービスの品質は世界でも一級品レベルなので、国内だけの需要を見るのではなく、海外からの買い付けチャンスを増やすためにも、現地視察は重要だ。

 とくに、購買力のある中国の企業は無視できない。
 日本では売り上げが頭打ちしてる商品ですら、莫大なロットで買ってくれるポテンシャルは大きいだろう。

 広告代理店で働いてるなら、中国企業の現地視察を観光とセットにしたパッケージの「スタディツアー商品」を企業向けに売り出すといいかもしれない。
 どんな業界でも現地での事業展開をするのに、ビジネスのわかってるガイドさえついてくれれば、初めての訪問でも実りは多い。

 毎日の仕事で日本政府が勝手に「仮想敵国」扱いしてる外国人との付き合いが増えれば、お互いのことがよくわかってくる。悪い所も良い所もわかってきて、国民性の違いを超えた絆も作れる。

 そして、国の違いを超えて、「悪いのは国民じゃなくて、バカな政治家だよね。彼らこそが敵だから、アホな政府にしないよう、選挙でマシなヤツを選べるような仕組みを作ることに努力しよう」と合意できるはずだ。


●ビジネス上の相互依存関係を作る

 このように、外国との経済的な結びつきを強めることは、それ自体、戦争をしにくくする要因になる。
 アメリカには、ピースワークスという民間企業があり、国としては国境線の内外で敵対しているはずの両国の民を経済的な相互依存関係の仕組みに組み込んでいる。

 あっちの国の農家で作る作物を、国境線の向こう側の国の工場で加工・製品化し、金のある大国で売りさばく。
 その利益で、農家と工場の労働者にお金を支払うという仕組みだ。

 農家は国境線の向こうの工場労働者を攻撃できないし、工場労働者もあっちの農家を攻撃できない。
 それをすれば、自分たちの製品が作れず、自分自身が食えなくなるからだ。

 それによって、どんなに内戦が続いても、互いに相手の国の取引企業を攻撃できなくなってしまう。

 それどころか、事業拡大で利益が出れば出るほど、両国の労働者の賃金が上がるだけでなく、雇う労働者の数も職場の数も増えていくため、非戦闘エリアが拡大していくことになる。

 日本でも、映画やアニメを多国籍で作ることは既に行われているし、音楽もコラボしやすい分野だから、どんどん中国やロシアのアーチストとのコラボ・ソングを作って、違う国のリスナーどうしが楽しく踊るイベントをやるといい。

 これは、どんな業種でも試せる仕組みだ。
 朝ドラ『まれ』でも、金沢の漆塗りの器と、フランス菓子のコラボが試みられているよね。

 中国やロシアで爆発的に売れてるものの中から、日本人受けしそうな商品・サービスを自分の店に並べたり、ネットで売るなどしてみるのもいい。

 そのために、日本語のわかる中国人やロシア人などとTwitterなどネット上で仲良くなっておくのもいい。
 誰でもできることだよね?

 そうしたビジネスを継続的に行っていくと同時に、いろんな業種・業界に波及させていくことで、日本製品の市場拡大ができると同時に、外国人の持つ魅力から多くを学ぶことになる。

 そうした「経済的な互恵関係ビジネス」によって収益を上げること自体が、お互いの国に相手国への攻撃の動機を奪うことになるんだよ。

 他にもいろんな知恵や事例はあるけど、戦争法案のデモに行ったなら、周囲の大人たちと毎日の仕事を通じて戦争をしないで済む仕事になる仕組みについて議論を吹っかけて、面白いアイデアを発見してみてほしい。

 ちなみに、ピースワークスのようにビジネスを通じて社会の仕組みを変える事業家を「社会企業家」という。
 そして、社会の仕組みを変えることを「ソーシャルデザイン」という。

 この2つは、すでに世界中でムーブメントになっている民間人による社会変革だ。
 時代に敏感な若者ほど、仕事を通じた社会変革に取り組んでいる。

 関心のある方は、『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)や、『ソーシャルデザイン50の方法』(中公新書ラクレ)、あるいは『よのなかを変える技術 14歳からのソーシャルデザイン入門』(河出書房新社)などの本を読んでみてほしい。




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