「ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳してみた」の第14弾です。
(※これまでのすべてのオリジナル訳詩と僕自身が歌ってる音源のリストは、
コチラ)
では、『Birthday』から。
これは、可愛い女の子が今日誕生日だと知って、「偶然、俺も今日なんだよ!」と調子良く合わせてパーティを楽しもうと誘うナンパの歌です。
ビートルズの楽曲の中でも、無邪気にはしゃげるパーティ・ソングですね。
バースディ (作詞・レノン=マッカートニー/訳詩・今一生)
きみのバースディ? 俺も今日だぜ
きみのバースディ? 楽しまないかい
うれしい偶然 Happy birthday to you
さぁ行こうぜ パーティ パーティ
さぁ行こうぜ パーティ パーティ
さぁ行こうぜ パーティ パーティ
踊ってほしい (バースディ)
そのチャ・チャ・チャンス (バースディ)
踊ってほしい (バースディ) ダーンス!
踊ってほしい (バースディ)
そのチャ・チャ・チャンス (バースディ)
踊ってほしい (バースディ) ダーンス!
きみのバースディ? 俺も今日だぜ
きみのバースディ? 楽しまないかい
うれしい偶然 Happy birthday to you
次は、『Because』。
この曲は、オノ・ヨーコがピアノでベートーヴェンの月光ソナタを弾いていた時、ジョンが冗談で、譜面を上下逆さまにしたら、ヨーコも面白がって、逆さになった譜面をそのまま弾いて見せたところ、そのメロディが意外と面白く、それにインスパイアして作られたと、
wikipediaにありました。
言われてみれば、そんな感じがしてきます。
もっとも、歌詞の内容は哲学的で、東洋思想にかぶれたジョンっぽいフレーズが続きます。
誰かを支配し、思いのままにするような欲望から解き放たれ、現実のすべてを受け入れる静かな愛を感じますね。
これをベタに訳しても、ほとんど意味が通じないものになりかねないので、思いきり意訳しました。
タイトルも、『ビコーズ』にしてしまうと、日本人はさっぱりわからないので、『僕らがここにいる理由』としてみました。
僕らがここにいる理由 (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)
地球は丸い だから悩ましいのさ
ここで暮らすんだもの
風が強い だから心ふるえる
そういう もんだよね
愛も同じ
変わらぬまま
空は青い だから泣けてくるのさ
あの空 が青いから…
次は、『Here Come The Sun』。
ジョージ・ハリスンの作った名曲の一つです。
長い冬が終わり、暖かい日差しが照りつける日がやってきた喜びを歌っています。
逆に言えば、それだけ私生活や仕事に寒々しいものが、これを作った頃のジョージにあったんじゃないかと思うわけです。
『While My Guitar Gently Weeps』を作ったことも考え合わせると、ビートルズのなりゆきを冷静に見つめていたのは、ジョージだったんじゃないかな。
陽が上るよ! (作詞・ジョージ・ハリスン/訳詩・今一生)
まぶしいね 陽が上る ほら ごらんよ
これまで ずっと寒い冬だった
何年も 経ったみたいさみしくて
でもごらん 陽が上る ほら きれいだ
みんなの 顔に笑みが戻った
この時を 待ち焦がれていたんだ
さぁごらん 陽が上る ほら 春だよ
つ・い・に 来たね ぼ・く・らの 太陽
つ・い・に 来たね ぼ・く・らの 太陽 つ・い・に 来たね
氷も 少しずつ解けだして
この世界の 本当の姿になる
さぁごらん 陽が上る ほら 春だよ
さぁごらん 陽が上る
春だよ It's alright!
次は、『I'm Only Sleeping』。
これを訳してる最中、思い浮かんだのは、ユーミンの
『12月の雨』でした。
「雨音に気づいて 遅く起きた朝は
まだベッドの中で 半分眠りたい」
おそらくビートルズの曲に刺激されて作詞したラブソングだと思うんですが、ビートルズの方はラブソングではありません。
忙しく働きすぎてる現代人に対して、「そんなにあせらなくてもいいはず」と警鐘を鳴らしてるんですね。
これを50年以上前に歌ってることを考えると、現代はもっとせわしない印象を持ちますね。
1日中、寝ていたいもんです。
自分の人生の時間の使い道を考えるためにも。
まだ眠いのに… (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)
朝早く目が覚めて あくびが止まらないよ
まだまどろみの中 もう一度 眠りたい
どうか邪魔せずに 放っといてよ まだ 眠いんだ
僕を怠け者なんて 言う奴は おかしいのさ
あせること無いのに 走り回って
僕の一日を無駄に
しないで まだ 眠い
窓の外の世界眺めて ゆっくりと
ベッドで天井見つめ 睡魔を待ってるんだ
僕の一日を無駄に
しないで まだ 眠い
窓の外の世界眺めて ゆっくりと
朝早く目が覚めて あくびが止まらないよ
まだまどろみの中 もう一度 眠りたい
どうか邪魔せずに
放っといてよ まだ 眠いんだ
次は、『Julia』。
ジュリアは、ジョン・レノンが17歳の時に交通事故で亡くなった母親の名前です。
亡くなった母親を思い出し、いつでも自分のまわりに彼女の存在を感じているという内容の歌になっています。
歌詞の中には、「Ocean Child」(海の子=洋子=Yoko Ono)が出てきます。
ジョンは、小野洋子さんの存在にも、自身の母親の面影を見ていたのでしょう。
もっとも、和訳ではそのへんのエピソードはバッサリ切りました。
この歌が今後もずっと歌い継がれていく時、亡くなった母親が身の回りにいると感じていることだけが伝われば十分だからです。
ジュリア (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)
僕の言うことすべて
聞いていてほしいんだ ジュリア
ジュリア ジュリア そこに いるね
愛の歌 歌うよ ジュリア
ジュリア 貝殻 風も きみだね
愛の歌 歌うよ ジュリア
彼女の髪がひだまりで
ふんわりと きらめく
ジュリア ジュリア 夜明けさ そばで
愛の歌 歌うよ ジュリア
歌えない時でも
せめて話そう ジュリア
ジュリア 砂も 雲も きみだろ?
愛の歌 歌うよ ジュリア
いるね
愛の歌 歌おう ジュリア ジュリア ジュリア…
次は、『Oh! Darling』。
ビートルズの曲には、惚れた女に「俺を捨てないで」と懇願する内容が意外と多いんですが、この曲はその極め付けです。
そういう歌の場合、たいていジョン・レノンが作るケースが目立ちますが、この歌はポールが作ったので、ジョン自身がこう証言しているとか。
「どっちかといえばぼくのスタイルの曲だ。
でも彼が書いたものだし、しかたがないじゃないか」(
wikipediaより)
その後、離婚・結婚をくり返すポールを見ると、作曲の天才でも、なかなか恋愛は難しいようで…。
オー、ダーリン! (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)
Oh! Darling 信じてよ
もう傷つけ ないから
約束するよ この通りさ 頼む
Oh! Darling きみなしじゃ
なんにも できなくなる
謝るからさ 捨てないでくれ 俺を
この俺を もういらないなんて
言わないで へたりこんで 泣いちまう,
俺のこと もういらないなんて
言わないで 壊れて 死にそうさ
Oh! Darling きみなしじゃ
なんにもできなくなる
約束するよ もう傷つけないから
この俺を もういらないなんて
言わないで へたりこんで 泣いちまう,
俺のこと もういらないなんて
言わないで 壊れて 死にそうさ
Oh! Darling 信じてよ
がっかりさせないから
約束するよ もう傷つけない
次は、『P.S. I Love You』。
「追伸、 愛してる」というベタなラブソングです。
ただ、歌詞がシンプルであればあるほど、一つ一つのフレーズが意味深にもなり、聞く人の境遇によっては新たな意味が付与されやすくなります。
たとえば、「必ずきみの元へ 戻るからさ」というフレーズは、まるで戦場でドンパチやってる男が、「必ず生きて帰るから」と恋人に伝える時の深刻さまで思わせます。
ポール・マッカートニーは、ソロになってから
『Pipes of peace』という美しいメロディの反戦ソングを発表しますが、そのPVには戦場にいる男に奥さんからの手紙が届くシーンが描かれています。
P.S. I Love You (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)
いつもきみを 愛してる
忘れないで この手紙で
会える日まで大事に 僕の言葉を
P.S. I love you You you you
必ずきみの元へ 戻るからさ
P.S. I love you You you you
いつもきみを 愛してる
忘れないで この手紙で
会える日まで大事に 僕の言葉を
P.S. I love you You you you
いつもきみを 愛してる
忘れないで この手紙で
必ずきみの元へ 戻るからさ
P.S. I love you You you you
You you you
I love you
次は、『Something』。
上手く言えないけど、いい感じ。
それが、誰かを恋した時に、誰もが経験する感覚でしょう。
まだこの恋がどうなるかなんてわからないし、相手について詳しく知ってるわけでもない。
でも、なんともいえず、相手の一挙手一投足に惹かれていく。
その「萌え」を歌ったのが、ズバリこの曲です。
だから、この歌では、自分が彼女にどうするかなんてことまでは歌われていません。
むしろ、自己決定を優先せず、彼女の気持ちを「待つ」姿勢なんですね。
そこが、東洋思想に飛びついたジョージ・ハリスンっぽい感じもします。
なので、タイトルも「サムシング」のままより、「萌え」にしてみました。
萌え (作詞・ジョージ・ハリスン/訳詩・今一生)
そのしぐさ だけで 他の娘(こ)を忘れるよ
ああいいね 萌えちまう
離したくない このマジな恋
微笑む彼女見れば 他に誰もいらない
物腰で わかるのさ
離したくない 見りゃわかるだろう
「その愛は実るの?」なんて
聞かないで くれよ
僕もわからない
わからないんだよ
勘の良い彼女を
愛して待つだけさ
あの娘(こ)次第なんだ
離したくない このマジな恋
次は、『Two Of Us』。
さらりと読むと、気ままにドライブするカップルの歌のように思えます。
ただ、ビートルズの歌詞には、表面的にはラブソングを装いながら、裏には現実のドロドロがあることを匂わせるものが珍しくありません。
この歌も、ビートルズが制作した最後のアルバム『Let It Be』に収録された1曲であることを思えば、ジョンとポールが率いてきたビートルズのことを「これから先も作れそうもない良い思い出さ」と言っているようにも聞こえます。
なので、ただ「家に帰る」という訳し方では、そのニュアンスが十分に伝わりません。
そこで、「振り出しに 戻るんだ さよなら」と訳してみました。
ちなみに、オフコースという日本のバンドも、もともとは小田和正さんと鈴木康博さんという2人組で、当初はサイモン&ガーファンクルの日本版のように売り出されてましたが、その後、バンドスタイルになると、ビートルズを意識したような活動を展開しました。
僕らふたりで (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)
僕らあてもなく 誰かの金使って
日曜はドライブ 行き先も知らない けどね
さあ帰ろう さあ帰ろう おうちへ
葉書を送ろう 壁にも書き置きを
タバコに火をつけ 荷物はおろして ゆくよ
さあ帰ろう さあ帰ろう おうちへ
これから先も 作れそうもない
良い思い出さ
晴れ渡る空に レインコートで一人
紙クズばかり追いかけてちゃ どうにも なりゃ しないんだ
振り出しに 戻るんだ
さよなら
これから先も 作れそうもない
良い思い出さ
晴れ渡る空に レインコートで一人
紙クズばかり追いかけてちゃ どうにも なりゃ しないんだ
振り出しに 戻るんだ
さよなら
(We're going home
Better believe it
Good bye)
今回の最後は、『You're going to lose that girl』です。
50年前の当時の邦題は、『恋のアドバイス』でした。
もっとも、歌詞の内容は、友人に対して「君が好きなあの娘にきみが優しくしないなら、僕が奪っちゃうぜ」というもの。
ちょっと過激なけしかけ方で、友人の恋を応援しています。
1960年代当時なら『恋の~』というタイトルは、かっこよく受け取られたかもしれません。
でも、21世紀の今だと、さすがにちょっと恥ずかしさを覚えますよね。
なので、『彼女にやさしくしないなら…』というタイトルにしてみました。
それにしても、自分が悪い男に思われても友人の恋を応援するなんて、ジョンはヤンキーのリーダーっぽいですね。
彼女にやさしくしないなら… (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)
行っちまうよ あの娘(こ)が ほら
今夜連れ出さないなら 心変わり
だって僕が連れ出すもん やさしくして
行っちまうよ あの娘(こ)が もうすぐ
友よ彼女をちゃんと 愛さなくちゃ
僕がやさしくすれば きみは一人
行っちまうよ あの娘(こ)が もうすぐ 行っちまうよ
しっかりと 奪ってやるぜ イェイ!
きみのへたれぶり見てらんない
行っちまうよ あの娘(こ)が もうすぐ 行っちまうよ
しっかりと 奪ってやるぜ イェイ!
きみのへたれぶり見てらんない
今夜連れ出さないなら 心変わり
だって僕が連れ出すもん やさしくする
行っちまうよ あの娘(こ)が もうすぐ 行っちまうよ
では、次回の更新をお楽しみに!
(※これまでのすべてのオリジナル訳詩と僕自身が歌ってる音源のリストは、
コチラ)
なお、今より生きやすい「よのなかの仕組み」を作り出す
ソーシャルデザインについて、もっと知りたい方は、以下のイベントに足を運んでほしい。
予約が始まっているので、お早めにチェック!
■7・7夜 大阪でソーシャルデザイン「よのなかを変える人たち」(←クリック)
7月7日(火) 開場 PM6:30 開演 PM7:30~PM10:30/大阪ミナミ ロフトプラスワンWEST(※Googleに日本一に認められたホームレス支援、LGBT、動物殺処分ゼロなどの団体が集合)
なお、上記の記事の感想は、
僕のtwitterアカウントをフォローした上でお気軽にお寄せください。
●ソーシャルデザインや社会貢献の活動や事業を取材してほしい方は、
この記事を読んでください。
●このブログで100人以上がtwitterで拡散した最近の記事は、以下の通り。
■『絶歌』の著者を酒鬼薔薇聖斗「本人」と盲信する集団ヒステリーを終わらせよう! ■『絶歌』(太田出版)への出版差し止め・回収を問い合わせる窓口 ■「酒鬼薔薇聖斗が書いた本」の著者が身元不明であることが確定された件(ツイキャス動画) ■「酒鬼薔薇聖斗の書いた本」が作る、新たな悲劇の始まりの予感 ~著者の身元の「証拠なし」が確定 ■著者が「酒鬼薔薇聖斗」である確証を出版社が出さない時点では、本の内容の真偽も不明 ■ソーシャルデザインの担い手たちの語りを動画で観よう ~6・3新宿ロフトプラスワン イベント ■ライターのギャラを安いままにしてると困るのはサイト運営者 ~金で無い価値に気づけ! ■気分はもう、戦争。 ~きみの作法は、きみ自身を生きやすくしているか? ■第5の虐待「文化的虐待」について本に書きたい ~書籍編集者を公募します! ■平和とは「関係」のこと ~「自分だけ良ければ」を主張するほど日本は小国じゃない ■『よのなかを変える技術』の目次を発表 ~14歳から読めるソーシャルデザイン入門書 ■1週間の入院で僕も考えた ~誰かと共に暮らすために必要な自分の価値 ■「助けてあげるよ」と言い寄ってこられたら、あなたは? ■自殺防止の番組で、自殺したくなくなった? ■15歳で文化を仕分けされる日本人★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★■本の商業出版を考えている個人・法人の方は、こちらへ(※もうすぐ〆きります)
■会社に雇われない働き方について相談したい方は、こちら■NPO活動に毎月20万円程度の資金を調達したいなら、こちら 共感していただけましたら、
「ツィート」や
「いいね!」をポチッと押していただければ…
- 関連記事
-
スポンサーサイト