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■ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳してみた (10)


 「ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳してみた」の第10弾です。
(※これまでのすべてのオリジナル訳詩と僕自身が歌ってる音源のリストは、コチラ


 では、『All My Loving』から。

 ビートルズの初期の曲は、とにかく「愛」の言葉が多すぎなので、どうやって翻案かするかに工夫が求められます。
 あまりひねっても原詩のシンプルさを損なってしまうし、なかなか難しいです。




いつもきみのことばかり (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


おやすみのキスさ
明日にはもう
さみしくなるかもね

毎日手紙を
書いて送るよ
この思い 届けと

きみの唇
思い出しながら
早る心抑えて

毎日手紙を
書いて送るよ
この思い 届けと

All my loving, 伝えたい
All my loving, 一途な愛

おやすみのキスさ
明日にはもう
さみしくなるかもね

毎日手紙を
書いて送るよ
この思い 届けと

All my loving 伝えたい
All my loving 一途な愛

All my loving, all my loving
All my loving, いつまでも



 次は、『Get Back』。

 J-POPは、純粋な日本語だけでなく、英語もそのまま取り込むように進化してきたので、「Get Back!」の響きを活かしてみました。

 性転換手術もポピュラーになっておらず、ジェンダーなんてことも普及してない50年前の歌ですから、まぁ、こういう歌詞の内容になりますわな。




もどっておいで (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


ジョジョは一匹狼だった でも 限界を知ってた
アリゾナ州のタクソン家を出て カリフォルニアへ
いま すぐ 帰ろうよ 故郷へ
いま すぐ 帰ろうよ 故郷へ

Get back, Jojo

Go home

いま すぐ 帰ろうよ 故郷へ
いま すぐ 帰ろうよ 故郷へ

Get back, Jo

可憐なロレッタは女のつもりが男
女らしくなっていくなんて今だけの話
ケバい ケバい
ケバいぜ 無理をしちゃ
ケバい ケバい
ケバいぜ 無理をしちゃ

Get back, Loretta

Go home

Get back, get back
つっぱっていないでさ
Get back, get back
ふさわしい場所へ



 次は、『I Am The Walrus』。

 これはもともと英語の韻遊びの歌詞なので、とりとめもない文章が並んでいますので、センテンスごとに論理的にはっきりとした意味はなく、むしろ「おまえら(自分も含めて)みんな勝手に解釈したいんだろ」という構えでジョンが書いたものといわれてます。

 今回の発見は、英語のwikipediaで「Semolina pilchards」のようやく本当の意味がわかったことですね。

 これは、何十年も前の直訳では「セモリナマイワシ」になってしまうんですが、wikipediaによると、ジョン・レノンが幼い頃に食わせられていたプリンの銘柄が「セモリナ」で、「ピルチャード」は猫にやるイワシのこと。

 なので、従来の翻訳者は「セモリナマイワシ」とそのまま訳していたので、知識不足による意味不明が生じていたんですが、今回は「プリンとネコ飯」と翻案してみました。

 蛇足ですが、「crabalocker」という言葉も出てきて、直訳すると「カニ縛り」ですが、文脈上、「亀甲縛り」とした方がイメージしやすいので、そう翻案しました。




僕はセイウチ (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


俺も 奴も おまえも みんな同じ 豚さ
銃を向けられてすっ飛んで逃げまどう 泣けちゃうよ
ケツの下にコーンフレーク 荷馬車を待ってるだけさ
社名入りのシャツ 血みどろの火曜
おまえヤンチャだな でかい顔して
そう卵男 みんな卵男 セイウチかもね ググッグジョーブ!

小さなおまわりたちの隊列だぜ
ルーシーのように空を飛んで去ってゆく 泣けちゃうよ
泣けちゃう 泣けちゃうね 泣けちゃう

黄色い膿 死んだ犬の目から出る
魚の妻もポルノ尼僧も
パンツおろさせ亀甲縛りかい?
そう卵男 みんな卵男 セイウチかもね ググッグジョーブ!

イギリス式の庭で 待つ夜明け
日が昇らなくてもズブ濡れで日焼けさ
そう卵男 みんな卵男 セイウチかもね ググッグジョーブ!
ググッグジョーブ!

タバコ好きなおまえを ジョーカーが笑う
小屋でひしめく豚どもの いななきのよう
泣けちゃうね

プリンとネコ飯 エッフェル塔へ上る
子ペンギン歌うハレ・クリシュナは
エドガー・アラン・ポー蹴散らしたんだぜ
そう卵男 みんな卵男 セイウチかもね
ググッグジョーブ! ググッグジョーブ!
ググッグジョーブ! ググッグジョーブ!


 次は、『I Saw Her Standing There』。

 これはすごく単純な歌なので、とくに言うことなしです。
 ストレートなラブソングですね。




あの娘の目の前で (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


彼女はセブンティーン 年頃だった
誰よりも美人になってね
もう 他の娘(こ)と踊れない oh!
あの娘(こ)の目の前で

俺に向けてくる あのまなざし
見つめ合い 惚れちまいそう
もう 彼女も俺とだけ oh!
踊りたいんだよ

ドキドキさ 手を握り
ダンパから抜け出し…

踊り明かして 抱き合ったのさ
見つめ合い 惚れちまったんだ
もう 他の娘(こ)と踊れない oh!
あの娘(こ)の目の前で

ドキドキさ 手を握り
ダンパから抜け出し…

踊り明かして 抱き合ったのさ
見つめ合い 惚れちまったんだ
もう 他の娘(こ)と踊れない oh!
あの娘(こ)の目の前で

もう あの娘(こ)の目の前で
あの日から あの娘(こ)の目の前で



 次は、『While My Guitar Gently Weeps』。

 ジョージ・ハリスンが、ポールとジョンの冷え切った関係を察してビートルズ解散を懸念してる頃の歌だと知ってると、いやはや本当にせつない歌詞ですね。

 ちなみに、この泣きのギターを弾いてるのは、ジョージの友人エリック・クラプトンだってのは有名な話。

 「ビートルズの曲に僕なんて…」と恐る恐るのクラプトンに、ジョージは「これは『僕の曲』だから」とお願いしたそうな。

 だから、この曲の全編で泣いてるギターは、まさにジョージの気持ちそのもので、楽曲の一番最後に「Yeah! Yeah!」と叫んでるのが聞こえると、一番4人が仲良くして絶好調だった頃の雰囲気を想起させて、聞いてて泣けてきます。




僕がやさしくギターを奏でているうちに (作詞・ジョージ・ハリスン/訳詩・今一生)


僕がやさしくギター奏でても
みんなの愛 目覚めない
どんなにせつなく弾き続けても
ただ床にちりが舞うばかり

なぜ誰も愛が目覚める
呪文 知らないの?
誰かにいいように操られ
買われては売られて

世界に目を向けて
ここから変わろう
僕が弾いてるうちに

学んでいこう
ミスをくりかえしても
僕も弾き続ける

慰めるには みんなもう
おかしくなりすぎた
誰も気をつけろなんてことは
言ってくれなかったね

僕がやさしくギター奏でても
みんなの愛 目覚めない

ほら ごらんよ
こんなせつなく弾いて るのに…


 今回の最後は、『Hey Jude』。

 有名な曲であるうえに、原詩の意味が「ジュリアンを励ます歌」だの、「恋人に告白する少年への応援」だのと、本当にいろんな解釈ができるようになっているので、その曖昧さを活かしながらどう日本語にできるかに苦労しました。

 そこで、詩情をふまえながら思い切って意訳することにしました。

 原詩で出てくる「her」「it」は、「彼女」「それ」だけの意味でなく、「困難な状況」そのものを指していると思われ、その困難さが何に由来するものなのかは解釈が待たれるところなので、あえてぼかしました。

 かなり原詩の伝えるニュアンスに忠実に意訳できたとは思うのだけど、どうかな?




ヘイ、ジュード (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


ヘイ、ジュード クサるなよ
悲しみを力にしよう
その気でいればきっと
涙だって味方になる

ヘイ、ジュード 怖いのかい?
きみなら できることなのさ
すべて受け入れながら
向かい風を進もう

でも「無理そうかな」と思ったら
一人で背負いこまないでくれ
かっこつけるなんて バカだもんな
さみしくなるだけなんてさ

Na Na Na Na Na Na-Na-Na-Na-Na

ヘイ、ジュード さぁ行こう
きみを待ってる人がいる
すべて受け入れながら
向かい風を進もう

そう 昨日を脱ぎ捨て 明日へと
歩き出す時が来たのさ
きみはもうできる 誰かの助けを
借りなくてもね

Na Na Na Na Na Na-Na-Na-Na-Na

ヘイ、ジュード しょげないで
悲しみを力にしよう
その気でいればきっと
涙だって味方になる
なる なる なる なる なる Oh…



 では、次回の更新をお楽しみに。
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