9月6日(土)、
ブラック企業大賞2014の大賞に株式会社ヤマダ電機が選ばれた。
ブラック企業大賞が、アメリカのサイテー映画を決めるラジー賞ぐらいの「冷やかし」なら社会に何の影響も与えない。
それは忘れっぽい日本人にとって、ただの無害な一部のお祭りで終わる。
実際、過去に大賞を受賞した東京電力は、劇的に何かを改善したかい?
動物実験を続けていた資生堂は、実験反対のNPOに根負けして、化粧品の製造における
動物実験の全面停止を宣言したが、そういう流れを「ブラック企業大賞」が作ってるように見えるかい?
片方では、社会問題の解決を進められる仕組みが豊かにあるのに、他方では世間的な評判を少しだけ落とす程度の活動に甘んじてる人たちがいる。
これは、どこまで本気でその活動に取り組んでいるのかという「動機」の問題が大きいのだろう。
選考委員を選んでいる人たちに、本気で社会を変える気持ちがあるなら、もっと戦略をもつべきかもしれない。
たとえば、ブラック企業大賞を受賞した会社のヒット商品をあえて紹介して、「あなたもブラックに加担してます」と消費者=市民に呼びかけてはどうか?
あるいは、ブラック企業の広告に出演して莫大な収益を得ている有名人の名前と顔も出して、「あなたのファンも悲しんでいますけど、どう思いますか?」とコメントを有名人に求めた結果を公表してもいいかもしれない。
もちろん、その企業の取引先・納品先・メインバンクなどの企業も、規模の大小を問わず、企業名をきっちり公表しておくといい。
大賞を受賞した企業を支えている企業までブラック企業の仲間と思われるのは嫌だろうから、受賞企業の周辺との関係も見直されることを期待できる。
それと、「ブラック」の判断基準における客観的なデータもきちんと発表し、当代一流の経済学者たちに、ブラック評価によって消費動向がどうなるかについてもコメントさせ、企業のブラック改善における費用対効果や、売上の機会損失を数値にした試算まで発表するといい。
ブラックを改善することで、どれほど売り上げが良くなるのかの事例も紹介し、「だからブラックと呼ばれる企業体質を改めないと損ですよ」という社会的コンセンサスを作っていくという姿勢を見せ、ブラック企業大賞の開催を重ねることで「日本企業の75%を10年以内に労基法順守の企業に生まれ変わらせました」というソーシャル・インパクトの実績を見せる必要があるだろう。
いっそのこと、一般ネットユーザから「この大賞によって社会を変えるためにどんな工夫や仕組みが必要でしょうか?」というアイデアを公募し、ブラック大賞の受賞企業と同時に発表すればいい。
特定の企業に対して「おまえはブラックだ!」と指摘する以上、自分たちも反省点があり、真摯に受け止めるという姿勢を担保しておかないと、正義を振りかざす権力になりさがりかねないからね。
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