社会の仕組みを変えて、今よりもっと生きやすくなる方法はいくらでもある。
そして、ダメな仕組みを変えたいと本気で思うなら、その方法はいくらでも見えてくる。
たとえば、マイノリティ(少数派)を平気で差別したり、多数派より不当に低く見る構えを、テレビのような公共放送でくり返されたら、社会に出ていない未成年にまで差別意識を残してしまうことになる。
テレビは社会の空気を作り出す公共放送として、マイノリティ差別を避けるのはもちろん、取材もしてない常識をそのまま鵜呑みにして情報拡散するうような愚かな真似を反省する必要がある。
ところが、テレビ局はどれだけ視聴者が直接、局に文句を言おうと、番組制作の方針自体を根本的に見直す構えをとらない。
そのため、同じように事件が起これば、同じ切り口での報道を何十年も続けてしまう。
「誰でも良かった」という無差別殺傷事件など、90年代から相次いでいるのに、容疑者の個人的な資質にばかり固執し、容疑者を犯罪にまで追い詰めた人間関係に言及することもなければ、同様の事件を未然に防ぐために有効な活動をしている「解決事例」を豊かに紹介することもない。
つまり、テレビ局には自浄作用が無いのだ。
そういう場合、テレビ局がメシの種にしているスポンサー企業に文句を言うしかなくなる。
スポンサー企業が金を出さなければ、テレビ局は飯の食い上げになる。
だから、スポンサーの意向に対しては神をあがめるがごとく絶対服従である。
ちなみに、本来マスメディアというものは、新聞にしろ、雑誌にしろ、直接その内容に金を出して買う読者によって支えられているため、収入全体における広告収入の依存度が増すことは、報道の自律性が損なわれることを意味する。
スポンサー企業が悪いことをしても、「自分たちを食わしてくれる会社だから」と叩けないのでは、メディアは公共のインフラとしての社会的責任を果たせないのだ。
そう考えると、現在の日本のテレビには「報道の自律性」などありえないし、中立や客観なんてのも幻想であり、カメラアングルや編集によっていかようにもメッセージを変えられてしまった映像が「事実」として放送されているという実像もうなづけるだろう。
これは、NHKも民放もさほど変わらない。
では、テレビによる番組をより良いものへ変えていくには、どうすればいいのか?
その局の番組に莫大な金を出しているスポンサー企業に、直接文句を言って、改善を迫るのだ。
これは消費者による不買運動だが、かなり有効だ。
かつて毎日新聞社は読者による不買運動で一度倒産の憂き目に遭ったが、昨年も番組スポンサーが
異例の説明コメントを出す事件があった。
スポンサー企業にとって、莫大な金をつぎ込んでいるテレビ番組の内容が悪いと視聴者たちに嫌われれば、(視聴者=消費者なのだから)自社製品が買われなくなる恐れが出てくる。
広告を出して自社商品が売れなくなるなんて、二重の損失だ。
いや、広告してる商品以外にも、企業名が嫌われれば、損失可能性は計り知れない。
だからこそ、自社に視聴者=消費者から番組へのクレームが入れば、当然、テレビ局に番組内容の改善を要求する。
つまり、社会悪を垂れ流す番組を放送するテレビ局に対して、視聴者がより良い番組に変えたいと思うなら、スポンサー企業に文句を言うのが、一番有効な方法なのだ。
もっとも、どうやってスポンサー企業に文句を言えばいいかわからない人は少なくない。
だから、ものすごく手軽に文句を言える仕組みを作ればいい。
そこで、アプリ開発者の出番だ。
あなたが、吐いて捨てるほどいるエンジニアから抜きん出て、誰でもやれそうな退屈な仕事から卒業したいなら、
「あなたの文句がテレビを変える」というアプリをリリースするといい。
たとえば、たった今、とんでもなく不快なテレビ番組を観た。
「あんな番組は二度と観たくない」と怒りさえ覚えた。
そんな時にアプリを起動させると、自分の住んでるエリアでまさに今視聴可能なテレビ局(※全国放送を行うキー局)と番組リストが一覧表示される。
その中から特定の番組タイトルをクリックすると、スポンサーの企業名がずらりと並んでいて、その企業に一斉にメールが送れる入力欄が表示されている。
あるいは、入力欄の代わりに、以下の4択から選ぶだけでスポンサー企業に自動的にメールされる。
「御社の製品はもう買いません」
「広告タイムに紹介された商品はもう買いません」
「この番組のスポンサーを降りてください」
「この番組の内容を社内で検証してください」
クリック後には、「このアクションを拡散しますか?」と尋ねられ、Facebookやtwitterなどにスポンサー企業に送信されたメール内容が自動的にアップされる。
これぐらい手軽にスポンサー企業に文句が送られるようになると、日々増えていく番組へのクレームに対して、スポンサーも重い腰を上げざるを得なくなる。
そして、スポンサー企業がテレビ局に対して番組内容の改善を申し入れたことを公式サイトなどで明らかにしたら、ユーザからの投票によってアプリ内の「ベスト・スポンサー」にエントリーされ、公式サイトへのリンクが示される。
「ベスト」の常連になれば、新卒の就職希望の人気ランキングも上がって優秀な人材を集めやすくなるだろうし、社員もそこで働ける誇りをもって労働意欲も増すだろう。
逆に、視聴者=消費者からのクレームを受け付ける窓口になるメールアドレスすら公開していない企業に対しては、「ワースト・スポンサー」へのエントリーも受け付けることにする。
自社に来た番組へのクレームを無視したり、テレビ局に働きかけなかったなどの前科を溜める企業は「ワースト」の常連としてブラック企業扱いされ、就職ランキングの人気も落ちるだろうし、社員も勤務先を友人・家族に誇れなくなるので、労働意欲と業績も落ちていくだろう。
こうした「ベスト」と「ワースト」は、年度末に年間ランキングとして発表し、「ベスト」企業はアプリやネット上で表彰するといいだろう。
こうしたアプリを、誰が真っ先に作って社会を変えるか?
最初に作った人間にだけ注目が集まるのは、世の常である。
テレビ広告を打たない企業から広告出稿を集められるかもしれないが、テレビ報道に不満を持って「マスゴミ」と不信感をあらわにする若い世代は多いから、クラウドファンディングで開発費を賄えるかもしれない。
なお、このアプリは民放だけでなく、NHKも対象にできる。
スポンサー企業の一覧表示の代わりに、番組宛のメールアドレスやtwitterの番組ハッシュタグに自動配信される仕組みを作ればいいのだ。
受信料を払っているのは国民なのだから、国民向けのメディアと連動すれば十分。
ちなみに、この
「あなたの文句がテレビを変える」(※略称「モンテレ」)というアプリは、市場調査にも使える。
どういうジャンルの、どういう時間帯の番組に、どんなスポンサーの広告が嫌われやすいのかを、ユーザ・アクションから調査することが可能だからだ。
いずれにせよ、最初に開発・リリースしたエンジニアにだけ、光が当たる。
明日も明後日も似たようなアプリを作りたければ、それでもいい。
でも、スティーブ・ジョブズなら、こう言うね。
「このまま一生、砂糖水を売りつづけたいか?
それとも世界を変えたいか?」
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