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■就活・転職でつまづいてる20代へ ~会社に雇われるのは、自分の夢の踏み台にすぎない


 僕は新宿のカフェで月1回程度、初対面の方と会っているのだが、ここ10年、大学生はもちろん、20代の若者たちから、仕事に関するお悩みを聞くことが増えた。

「自分が将来、何をやっていいかわからない」
「自分の通う大学のブランドに見合う就職先に入れる自信がない」
「精神病を患っているので、人と関わる仕事が不安で、面接に行く自信もない」


 就活や失業中の時期には、誰もが上記のような不安を持ってしまう。

 まだ、正社員として仕事をしたことがなかったり、勤務し始めて10年も経っていなければ、誰だって同じような不安を持つ時代なのだ。
(※長文になるので、ダイジェスト版を読みたい方はコチラ


★偏った就職観にとらわれず、自分の頭で考えよう!

 なぜ、そんな不安を持つのか?
 それまでの人生のレールの先には「約束された将来」があると、親や教師、メディアなどから思い込まされてきたから。

「大企業に入れば、安泰だよ」(教師)
「大学まで行かせてやったんだから、きちんと就職してね」(親)
「容疑者は、住所不定・無職の男」(メディア)

 だから、社会に出る前にそういう声ばかり聞いてたら、頭がおかしくなりそうになるまで追い詰められるのは当然。

 「就活自殺」「若者の自殺」は、自殺する人の問題ではなく、社会が偏ったメッセージしか若者に与えないことで追い詰められる人が出てくるという問題なのだ。

 だから、若者たちよ。覚えておこう。
 親・教師・メディアの言うことは、常識ではない。
 ただの「一面の真理」にすぎないのだ。

 大企業に入れば、確かに個人的な生活は安定するかもしれない。
 しかし、その給与の分だけ重い責任をとらされる。

 社員数が多ければ、自分に与えられた職務内の仕事で覚えられるノウハウは、決して多くはない。

 何でも1人でやらなければならないためにさまざまなスキルを短期間にたくさん覚えられる中小企業とは違って、ツブシが利かない専門スキルが深くなるだけだ。

 しかも、大企業には、組織が大きいためにリストラも大人数が対象になる。
 「政商」のように自民党に献金をしてる会社も珍しくない。
 水面下では企業舎弟(ヤクザ)との付き合いが当たり前の業界すらある。

 自分が会社のためにがんばって仕事をすればするほど、それによって伸びた売上金が、非合法集団や政党、宗教団体などに流れるリスクもあるのだ。

 しかも、長く勤めれば、管理職として社内の人間関係を調整しなければならず、これが中高年になる頃には、かなりのストレスになる。
 その頃には家庭もあり、配偶者や子どもとの関係も円滑でないと離婚の危機すらあるし、自分がはからずも家庭を壊すような言動をとってしまうことすらある。

 給与が高いばかりに、会社を辞められない。
 だから、30代以上には深刻なうつ病が多く、自殺や無差別殺傷事件にも導かれかねない。

 このように、大企業では、高額な給与と引き換えに社員の尊厳や生活、精神衛生を会社に差し出す覚悟が問われるリスクは、就職・転職セミナーではきちんと説明されていない。

 むしろ、「うちは福利厚生が完璧!」とか、「男女平等の賃金体系になってます」とか、「危険な現場には行かずに済みます」などといったキレイゴトがたくさんメッセージとして流通している。

 冷静に考えれば、「危険な仕事は下請けの低学歴の労働者に投げても平気なとんでもない会社だ」と気づくものだ。
 でも、そうした判断すら自信が持てないのが、社会経験の乏しい若者だ。

 ずるい大人たちは、それをわかっているから、「卒業したらきちんと就職。これがまともな社会人」という否定しにくい正論の旗を大きく振りかざして見せる。

 それは、企業が求人に対して莫大な広告費を払っているから。
 そして、広告代理店は、そうした本当のリスクを正直に世間知らずの若者たちに説明したりはしない。
 そんなことをしたら、広告費を依頼主の企業からもらえなくなるからだ。

 だから、きれいにだまされて就職した若者たちは多い。
 しかし、若者もバカではないから、せっかく頑張って入社した最初の会社を辞める。

 ここ20年間で、大卒者は20代で3人に1人が退社している。
 だいたい20代後半で、自分の人生を見直すことになるのだ。

 では、就活・転職に不安な若者たちは、どうやって自分の人生を切りひらいていけばいいのか?


★ワクワクできなきゃ、仕事じゃない!

 寝る時間をのぞけば、人生の大半は「働いてる時間」だ。
 つまり、「働いてる時間」が思わずワクワクできるような楽しいものでない限り、同じ仕事を続けることに無理を重ねる人生になる。

 楽しくなくても会社に通い、自分の仕事を楽しくするために変える努力もしないまま、いつのまにか「仕事はつらい作業をするから、その対価としてお金をもらえるんだ」と誤解する。
 だから、「これだけつらい仕事をしているのに賃金が安い」と理不尽さを覚える人もいる。

 そこで、食品加工の工場で農薬を混ぜる労働者も出てくる。
 食品への農薬混入事件で有名になったアクリフーズの工場労働者は、テレビ取材の画面ではどの人も暗い印象だった。

 他方、躍進し続けるキューピーのマヨネーズ工場で働く人は、みな明るかった。
 それは、キューピーが大企業だからではない。

 工員自身がボトムアップで自発的に作業効率を見直して提案すれば、自ら直せる権限があり、残業しないで済む仕組みを自分たちで作り出すことができたため、働く誇りに満ちていたのだ。

 これは、経営側のマネジメントが上手で、社員に働く喜びを与えていたのだ。
 これぞ、「ワクワクできなきゃ、仕事じゃない」の一つの例だ。
(※逆に言えば、経営者がバカで、社員に働く喜びを与えてなければ、大企業でも社員は辞めるし、大人数のリストラだって敢行する不振につながりかねない)

 だから僕は、若者から仕事の相談を受けるたびに、こう質問する。

「君は何をやってると、思わずワクワクしちゃう?」
「子どもの頃から今日まで、一番自分が情熱を傾けていたものは何?」


 たとえば、それがサッカーだったとしよう。

 小さい頃からサッカーに熱中していたのに、高校3年の秋には進学のための勉強を始めてから、「なんで自分は勉強してるんだろう?」とか、「なんで大学に行かなきゃいけないの?」と悩んだ人は少なくないはずだ。

 それでも、親は「進学して、就職して、立派な人になってね」と勝手に期待してくるし、民間企業を知らない世間知らずの高校教師たちも「とりあえず進学してみよう」と迫ってくる。

 そこで、「とりあえず」受験して、大学に入ってみたりするのだが、既にサッカーは観戦するぐらいで、自分が素直に情熱を賭けられるものを見失っている。

 そうこうしているうちに、就活シーズンが到来。
 まわりから、「内定をとったぜ!」とか、「あの会社に受かったよ」などとリア充を自慢される日々になる頃には、精神的に追い詰められていく。

 しかし、そういう時こそ、「ちょっと待て」と自分にストップをかけるタイミングなのだ。

「どんな仕事をしたいかもわからないのに、入社先さえ決めればいいなんて、どこか無理がないか?」
「なんでサッカーをやってた時のように、ワクワクしないんだ?」
「そもそもなんで仕事をやるんだ?」


 それが、まっとうな自問だ。
 これから人生の大半の時間を使うことになる「仕事」を決めるのに、慌てていること自体が就活の苦しみをこじらせてしまうんだ。

 だからこそ、覚えておこう。
 「ワクワクできなきゃ、仕事じゃない!」ってね。


★仕事は、自分と一緒に誰かを幸せにすること

 ところで、仕事って何だろう?
 働いて、お金を得ること。

 では、なぜお金がもらえるの?
 誰かを幸せにしたから。

 そう。
 お金は、あなたのがんばりが誰かを幸せにした対価なのだ。

 それは、あなたがお金を払う「消費者の側」の立場から見れば、よくわかる。

 ふらっと入った飲食店でまずい料理が出てきたら、その店にはもう行かないよね。
 そうやって客がどんどん減れば、売上は伸びず、社員に給与を払えなくなり、飲食店はつぶれる。

 逆に、自分をすごく幸せにしてくれる商品やサービスを知って、その値段が「安い!」と感じたら、思わず買ってしまうだろう。
 それが、商売の基本だ。

 そうやって儲かった金は、会社から社員に下りてくる。
 それが給与だ。

 つまり、仕事とは、自分が客に対して幸せを感じてもらえるだけの商品・サービスを開発できたこと、その幸せの質を常に維持できていること、さらに多くの幸せを提供できるように努力していることの対価として賃金を与えられるものなんだ。

 ということは、「自分は誰にどんな幸せを提供したいのか?」という自問に答えが出ない限り、いつまでも「とりあえず」の仕事を続けることになる。

 もし、自分が長い間なじんできた趣味の世界がサッカーだったら、サッカーを通じて誰かを幸せにしている事例をネット検索でもいいから調べてみよう。

 そこで気をつけたいのは、自分自身を苦しめてる現時点での問題を解決している事例を探すことだ。

 たとえば、あなたが就活中に疲れ果てた挙句、精神科に行ったら「うつ病」と診断されてしまったとする。

 それが、あなた自身が現時点で困っていることなら、「精神病でもサッカーを通じて楽しく生きられる方法はないのか?」と発想してみよう。

 そこで、「精神病」「サッカー」という2つの言葉で実際にググッてみると、検索結果の2ページ目に、「サッカーは統合失調症への付加治療として有効である」というブログ記事を発見できる。

 そのブログ記事には、こうある。

「サッカートレーニングが統合失調症の診断を持つ人の心理・物理的健康を増進することが証明された」

「アトムズ甲府は、ヴァンフォーレ甲府や多くのスポンサーの方に支えられて、先日の中部北信越ブロック大会で優勝し、この秋に行われる精神障がい者フットサル全国大会に進出する」


 つまり、精神病と診断されてもサッカーはできるし、プレイしたほうが治りが早くなるのだ。

 しかも、ネット検索をさらに続ければ、「精神障がい者フットサル」にはワールドカップもあり、ゴッデス高槻というチームがヨーロッパに遠征して戦った記事も発見できる。

 世界のスポーツの中でも競技人口が多いサッカーには、視覚障害者だけが参加できるブラインドサッカーや、主に上肢・下肢の切断障害を持った人だけが参加できるアンプティサッカーなど、さまざまなハンデを乗り越えて戦っている選手がいる。

 しかし、どこのチームも財政難で、チーム存続の維持が大変であることが多い。

 サッカーが大好きな人なら、お金がないだけで好きなサッカーができなくなる人たちの悔しさは無理なく理解できるだろう。

「自分もうつ病で、サッカーも大好きだ。
 だから、自分と同じように精神病で苦しんでるのに、お金がないためにサッカーを安心して楽しむことができない人がいるという現実は変えたい!」


 そのように、自分のワクワクできる関心事を自覚し、自分の弱さと共通する誰かの問題に対して「解決したい!」と素直に思えた時こそ、「誰かを幸せにする」という仕事が見えてくる。

 自分はうつ病だ。
 でも、サッカーが大好きだ。
 精神病院に通院・入院する患者たちと一緒にサッカーを安心して楽しめる環境を提供し、国内の大会にみんなで出場したり、世界へ遠征して行くような楽しい人生を分かち合うには、どうすればいいのか?

 そういう自問をすることから、自分のやるべき仕事、自分に向いている仕事、自分のできる仕事の姿が見えてくる。


★稼ぐ技術は、働いてから獲得し、蓄積し、応用させるもの

 クスリを飲まされ、ヘロヘロにされるばかりで、いつも退屈と虚無感で毎日を送らざるを得ない精神病の患者たち。
 そんな彼らとサッカーを一緒に楽しみながら、治りを良くして早めに社会で安心して暮らせるようにする。

 そんな仕事ができる夢をもてたら、次はその仕事でどうやって自分が食っていけるのかが課題になる。

 月に何度も精神病院と自宅を往復してサッカーを教え続ければ、交通費が自分のサイフから飛んでいくばかりで、ボランティアでは自分の生活は成り立たないからだ。

 そこで、病人たちと一緒にサッカーを楽しむこと自体が、どれだけ大きな価値をもっているかに気づく必要がある。

●サッカーをしない場合と比べて、病気が治るまでの期間が○割も短縮できる
 →既に精神病者のフットサルチームは全国に生まれているので、調査すればいい

●サッカーを始めたおかげで人間関係の構築や家族の安心などの良い変化が多い
 →精神病者のフットサルチームの参加者に電話やメールでメリットを尋ねればいい

●サッカーの導入で成果を出せば、市外の病院に広められ、より多くの病人を救える
 →サッカーだけでなく、スポーツを導入して成果を得た事例を調査すればいい

 以上のような価値が想像できたら、その裏づけを探す。

 サッカーを導入している病院の医者や参加している病人へ聞き込み、医療論文を検索し、関連書籍を読むなど、事前の調査をしておくと、自分の仕事の価値に自信を持てるようになる。

 下記の動画を他人に教えるだけでも、自分の夢に賭ける思いを理解してもらえるだろう。



 そうした事前の調査が十分に進まなくても、その仕事の価値をどうやって収益化(=お金に換えること)すればいいのかを検索することは、その仕事で食うために必要になる。

 自分が長いこと好きだった趣味の世界なら、その業界について多少の知識はあるし、その業界を「消費者目線」で観れば、ピンと来ることが多いはずだ。

 サッカーの場合、チームを運営している会社がどんな収益源を持っているかを思い出すだけでいい。

 チームの運営会社は、企業からはスポンサー協賛金を調達し、チームのサポーターからはチーム専用グッズ(例:ユニフォームやステッカーなど)を開発して販売し、ファン向けのイベントの入場料も収益につなげている。

 もっとも、いきなり未経験者が大型のスポンサー獲得や商品開発、イベント開催などを手がけるのは難しい。
 実際のやり方がわからないからだ。

 それなら、J2やJ3などのチームの運営会社で働いてしまえばいい。

 稼ぐ技術は、働いてから獲得し、蓄積し、応用させるもの。
 何も経験がなければ、入社して経験させてもらえばいいだけのこと。

 実際、J2やJ3のチームの悩みは、財政難だ。
 収益源が乏しいため、社員たちはスポンサー獲得のために毎日、いろんな会社を走り回っている。

 余計な社員を雇うほど、資金の余裕はない。
 そのピンチこそ、実は大きなチャンスなのだ。


★会社は、「やる気満々」の根拠がハッキリしてる人材がほしい

 世渡り上手な人間は、相手が切実に求めているもの(=ニーズ)に常に関心を払っている。

 さて、財政難のチーム運営会社のニーズは何だ?
 スポンサーになってくれる企業を、短期間により多く獲得してくれるスタッフだ。

 しかし、そんな優秀な人材がなかなかいないことは、どんな経営者も知っている。
 だから、雇った社員をなるだけ優秀な人材に育てる必要がある。

 しかし、給与を払えるだけの金が、会社にない。
 それを裏返して言うなら、「無給でもやる気満々で働いてくれる人」がいるなら喜んで歓迎したいってこと。

 未経験でも構わないが、「やる気満々」で仕事を覚えてくれる根拠がはっきりしている人間がほしいのだ。
 そこで、J2やJ3などのチームに、こんな手紙を送ってみるといい。

「はじめまして。●●●と申します。
 僕はうつ病です。しかし、サッカーが何より大好きです。
 幼い頃から約20年間、サッカーだけが僕の情熱でした。
 よのなかには、うつ病のまま社会復帰できずにいる人がたくさんいます。
 サッカーをすると病気が治りやすいという医療データを知り、
 病人たちのフットサルチームを作るのが、僕の人生の夢になりました。

 既にサッカーを導入する病院も全国では増えつつあります。
 精神病患者のチームによる国内大会もあり、海外遠征もしています。
 僕は、チーム運営の収益を作る仕事を経験したことがありません。
 そのため、実践で学ぶ必要があります。

 そこで、ぶしつけながら、お願いがあります。
 僕を3ヶ月間だけ、御社で無給で働かせてください。
 それで使える人材だと見込んでいただけたなら、雇っていただけませんか。
 ご関心を持っていただけたら、ぜひ御社に伺いたいです」


 このような文面の手紙を書いて、チーム運営会社に郵送してみれば、「できる社長」なら直々に会ってくれる。
 逆に言えば、会ってもくれない経営者は、その程度の器なので、そんな会社には入らないほうがベターだ。

 J2やJ3レベルのチームなら、組織も決して大きくないし、「やる気満々」で働いてくれる無給の人材は、ノドから手が出るほどほしいからだ。

 しかも、チーム公式サイトにメールアドレスを表示してないチームなら、返信するスタッフを雇えないほど人手不足の可能性がある。
 世間知らずの学生なら、そこで「メールを送れないのか。ここは無理だ」と判断してくれるので、入社を競うライバルはほとんどいない。

 よのなかで自分の労力のムダを省く(=余計な努力をしないで済む)仕事をするためには、競い合うライバルが少ないところを目指すのが合理的だ。
 しかも、メールより紙の手紙を受け取る方が、中高年の社長のハートをわしづかみしやすい。

 こうして手紙を送り、1ヶ月待っても何の返事もない場合は、べつのチームに同様に手紙を出せばいい。
 全国にチームはいっぱいあるし、切実に求めてる人材はどのチームでも「やる気満々」で働いてくれる若いスタッフだからだ。
 親だって「会社からの返事を待ってるところなんだ」と言えば、うるさく言わないだろう。

 こうして無給で働けることが決まったら、3ヶ月間でやることはハッキリしている。


★相手のニーズに気づいて動く習慣が、自分の夢を叶える

 仕事の未経験者が短期間で「使える人材」に成長するには、以下の3つの働き方が必要になる。

●教えられたことを確実に吸収できるよう、わからないことは何でもその場で聞く
●業務の流れを忘れないよう、教わったことをノートに記録し、読み直す習慣にする
●少しでも手が空いたら、休憩時間でも他の社員が助かることを探して実行する


 言われたことだけをこなすのでは、ロボットと同じ。
 ロボットのように働きたくなかったら、自分の頭で考えて動くことだ。

 そのためには、職場や営業先、自分の家庭など、自分の身の回りの人たちが何を求めているのかに気を配る習慣をつけておくといい。

 相手が何を求めているかを、言われなくても気づく人間は、仕事もできるようになるし、成長も早いので大事にされる。
大事に思う新人には「長く働いてほしい」と考えるのが、経営者の人間味だ。
(何を求めているかがわからなければ、「自分になにかしてほしいことはありますか?」と尋ねればいい)

 僕は24歳の頃、年上の女性ばかり5人の小さなデザイン会社にコピーライターとして採用された。
 女性は、確実に男性の数十倍のセンサー(感覚器)を持っている。
 周囲の人間の細かい言動も覚えてるし、よく気がつくし、評価を下すのも早い。

 そこで新人の僕は、他の社員より早く出社し、電気をつけ、5人の机の上を掃除し、ゴミ箱の中身を片付け、湯を沸かし、社員が全員そろう頃にはコーヒーを出した。
 1週間も社内を見ていれば、そうした行動が求められていることが、言われなくても気づいたからだ。

 自分の仕事が終わって手が空いた時はデザイナーの仕事を手伝ったし、業務時間外まで仕事が残っている社員には米を炊いておにぎりを作ってから帰った。

 後から入ってきた新人は、そのぐらいやって当たり前と思っていた。
 だから、僕自身が会社を立ち上げた時は、そのように自分の頭で考えて働くスタッフがおらず、本当に困った。

 僕が新人として周囲の社員のみなさんにとても気を遣ったのは、自分が大事にされたいだけでなく、他の社員が働きやすい環境を作ることで作業効率が良くなり、一つの仕事が速く終われば、その分だけ売上UPになると知っていたからだ。

 売上UPを常に意識する社員は、社員から大事にされるだけでなく、誰よりも経営者自身から大事にされる。

 社員数が少ない会社なら、経営者に大事にされれば、昇進も昇給も早いし、そうやって信頼されていけば、自分が仕事の際に自由にできる裁量の範囲が大きくなる。

 それは、自分がワクワクできる働き方や仕事の中身に変えていけることを意味している。
 与えられた仕事をこなしているだけでは、仕事にワクワクできる日は来ないのだ。

 上司に愛され、同僚に愛され、経営者に愛される働き方を自分で考え、続けていけば、入社前なら「絶対にムリ」と思っていた大口スポンサーの獲得もできるようになるだろう。

 そして、何年かチーム運営会社で経験を積めば、やがて独立して自分の会社を作り、精神病院で待っている病人たちと一緒にサッカーを楽しみながら、ワールドカップにみんなで行く夢を叶える仕事を作り出せるかもしれない。

 夢のない人にとっては、会社は飯の種を拾いに行く場所にすぎない。
 だが、会社は本来、あなたを成長させるチャンスを提供する場所。
 自分の夢への扉をこじ開けるために経験を積める踏み台なのだ。


★弱さを誰かと分かち合うところから、楽しい人生は始まる

 世の中にどれだけ楽しくてワクワクできる職種や働き方があるかを知らないまま、「仕事=苦役」とか「労働=面倒」というイメージを社会から植えつけられたまま洗脳されてる人は多い。

 そういう人は、あらかじめ自分の夢を持たないまま就職し、夢を探すことを忘れてしまったか、失った夢を取り戻す努力もしないまま、他人が引いたレールから下りられなくなってしまった人なのだ。

 まずはその洗脳を解くために、自分が素直に「面白い!」と思える仕事を探して早めに転職するといい。
 僕の書いた『ソーシャルデザイン50の方法』『社会起業家に学べ!』などの本でも面白い仕事を紹介してる。
(※社会的弱者を救う仕事を作り出したい人や、社会問題を解決する社会起業家になりたい人からの相談にも、僕は応じている)

 職種だけでなく、「本当に雇われたままで幸せなのか?」も自問してほしい。
 起業するのもいいし、べつに会社を作らなくても自営業者として食う道もある。

 人は自分のライフスタイルに合わせた職種をいくらでも作り出せる。

 たとえば、新作ゲームが出るたびにめちゃくちゃ楽しんでプレイした後で、感想を書いて雑誌編集部にメールで送信。
これが「ゲーム・ライター」という自営業者の仕事だ。

 重度障害の僕の友人は「寝たきり社長」と名乗り、スカイプで講演したり、HP制作請負の仕事もしてる。

 うつ病・身体障がい・ユニークフェイスなど、よのなかには「ふつうには働きにくい条件」はいくらでもある。
 それなら、ふつうに働くことだけに目を奪われず、「自分らしく働ける方法」や「自分の弱さがむしろ武器になる稼ぎ方」を知ろうとする方が希望が持てる。

 そう。弱さは、自分の人生を切り開く武器なのだ。

 弱さを自分よりこじらせて苦しんでる人と一緒に楽しい人生を分かち合える仕事を作り出そうとすれば、あなた自身の人生は今よりは絶対、面白くなる。

 人は誰でも100%、いつかは死ぬ。
 人生は、仕事を面白がって生きた奴が勝ちなのだ。

 ここまで読んで、どうしても「自分にはムリ」と思ってしまった人は、「2人会」の試みを始めてみよう。
 ハンデを背負って苦しんできた経験は、それを経験しか当事者しか持ちえない価値だ。
 その価値に気づいた人とパートナーを組めば、このよのなかはもっと生きやすくなる。

 HIV陽性・DV・麻薬など「どん底」を生きる女性たちが演劇を通して語りかけるドキュメンタリー映画『トークバック 沈黙を破る女たち』を観てほしい。

 きっと、人生はいつからでもやり直せると気づくはずだ。



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