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■次世代のセックスワーカーの収益モデル ~風俗店の求人広告を無料で掲載できないか?


 セックスワークが変わるための方法論に関する提案については、既に以下の記事を書いた。

■風俗も今後、ソーシャルビジネスの1分野に ~次世代の性サービスを考えよう!
■セックスワークを性教育の新事業に ~ソーシャルビジネスの視点から性風俗を考える

 上記でも触れているが、セックスワークが、性行為そのもので収益を得なくて済む手段(=事業体がべつの収益を作れる仕組み)を確保すれば、セックスワークの社会的価値は上がり、社会に受け入れられるビジネスとして新たに構築できる可能性がある。

 そこで、セックスワークをめぐる収益化の一つとして、広告の可能性を考えてみたい。

 性風俗店の求人広告で、リブセンスのように無料掲載できるサイトを作って、店から採用人数の実績に応じて成功報酬を受け取る代理店はあるのだろうか?

 リブセンスについては、下記の記事を参照されたい。

■就活・再就職のミスマッチを減らすサイト『転職会議』について考えてみた
■25歳の最年少でマザーズ上場した社長の「転職会議」を考えてみた(続)

 リブセンスのイノベーションは、「『企業が人々を選ぶ時代』を『人々が企業を選ぶ時代』に変えること」を目指したことにある。

 性風俗でいうなら、「店が風俗嬢を選ぶ時代を、風俗嬢が店を選ぶ時代」へ変えていくのが、セックスワーカーの求める一つの未来ではないだろうか?

 だから、風俗店の求人広告もリブセンスのサイトを見習って、無料で求人広告を掲載できるサイトを作り、リブセンスのように入店が決まったワーカーに祝い金を出すことによって、店からきっちり成功報酬を振り込ませるビジネスモデルは成り立つかもしれない。

 リブセンスのサイトを見ればわかるが、既に入社した人が勤務先の企業への評判を自由に書けるので、どんな職場かようわかるし、もし成功報酬の未払いがあればサイトに「不良店」として名指しされることをあらかじめ断っておけば、店側も待遇改善を余儀なくされるだろう。

 風俗勤務は平均年数が他の業界に比べて短いからこそ、店をやめた人間がどんどんダメなところを指摘しやすくなって、これから風俗店に入る人に良い助言を与えることができる。

 これは、店側に必要な努力を課していくと同時に、消費者に対しても業界改善・サービス強化を求める機運を高めるチャンスになるのではないか?

 セックスワーカーのみならず、店の経営者、消費者を巻き込んだ改善の機運が高まればこそ、従来にはなかった性サービスや性産業が生まれ、多くの人に共感・支持・尊敬される職種としてのセックスワーカーの道も開かれていくように思う。

 いずれにせよ、ビジネスの仕組みそのものを変えるという発想なしには、セックスワークの社会的地位の向上と、それとセットで配慮される人権意識の向上は難しいように思う。

 セックスワーカー、そして消費者が求める「次世代のセックスワーク」を築き上げるには、収益化から発想した方が現実的で実りの多い成果を残せるはずだ。

 そのためには、「べき論」より、ビジネスの実践に踏み込むことが避けられない。

 革新的な新しいセックスワークのあり方を既成事実として社会全体に広めていってしまえば、差別や偏見は時代の変遷と共に消えていかざるを得ないだろう。、

 すぐれた臨床心理士は、それが民間資格でも、精神科医のような国家資格のプロより良い仕事をしている。

 それは、ビジネスとして安定する(=市場に愛されている)ことだけが証拠ではない。
 本の執筆やメディアへの露出、講演依頼など、人々から引っ張りだこになる。

 セックスワークにも、そうした市場と社会から愛されるだけの社会的価値の高い仕事へベースアップできるだけの余地がまだたくさんある。

 セックスワーカーが、自分の仕事がちゃんと誰かを幸せにし、社会に役立っていることを多くの人に了解してもらえたら、自分らしく働くことだけで不当な孤独や差別、偏見から解放される道もあるのではないか?

 セックスワークの社会的価値(=社会のために彼らの仕事がどう役立つのか)を考えれば、人類史以来ずっと続いているといわれるこの仕事の現代的意味の豊かさにも気づき、今日の社会に見合った価値の再定義からまったく新しいセックスワークの姿が見えてくるはずだ。

 それには、深刻な社会問題に対して新たに解決できる仕組みを作り出しているソーシャルビジネスの成功事例が大いにヒントになる。

 性とセックスワークは、それを人類が必要とする限り、そこに市場は必ずある。
 そして、性産業が劇的に変われば、それまで性サービスを利用できなかった市民にも歓迎される新たな市場も開拓できるのだ。



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