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■「ソーシャルイノベーション」を気安く使う企業に注意 ~広告・マスコミで働く人も要チェキ!


 最近、ソーシャル・イノベーションという言葉が安く使われることが増えた。



 なんと、原発ビジネスで儲けている日立までが、自社広告に「ソーシャルイノベーション」という言葉を使っている。

 ここには、まだ多くの人が「ソーシャルイノベーション」という新語の意味がわからないうちに、企業をかっこ良く見せる言葉として使ってしまおうとする広告代理店の意図が見え隠れする。

 「ソーシャルイノベーション」とは、社会問題を解決する革新的な仕組みを作り出すことで、従来のダメな常識をより良い新しい常識へと塗り変えることだ。

 日本の社会問題は、事故を引き起こした原発に依存したエネルギー開発のあり方そのものだし、これを解決するには原発事業から完全に撤退し、原発以外の革新的な発電の仕組みを普及させることなどで、「原発に依存しなくては安定的にエネルギーを供給できない」というダメな常識を塗り変えない限り、「ソーシャルイノベーション」とはとても呼べない。

 もちろん、日立がそれを理解していて、このCMをきっかけに「うちの会社は原発関連事業から即時、完全撤退します」と社長が公言するなら、この広告の意味はあるかもしれない。

 しかし、そんなことはありえない。
 今この時も、日立はグループ全体ではたいした利益になってない原発事業で儲け続けている。

「2012年 6月 14日付けのロイターの記事では、日立製作所は原子力事業の2020年度の売上高を3600億円に増やす計画とか。日立グループ全体の連結売上高は2012年3月期で9兆6658億円。この数字を維持できても、グループ全体における原発事業の売上高は4%未満」『ソーシャルデザイン50の方法』より)

 日立の社長や広報部の社員は、「ソーシャルイノベーション」という言葉を大々的に自社広告に使ったことで、今後、消費者=市民の笑い者になるだろう。

 その時には、広告代理店の営業担当者やCM制作担当者は飛ばされるかもしれない。
 でも、しょうがないよね。

 公共事業を請け負うだけで「ソーシャルイノベーション」という自社広告を打つなんて、若い世代ほど「何言ってんの、おっさん!」と笑いながらツッコミを入れる時代なんだからさ。

 こういうアホな広告は、やればやるだけ逆宣伝になるのに、日立は「社会イノベーション」シリーズのTVCMを何本も発注してきたんだから、これぞ恥の上塗り。

 ただし、広告ではなく、新聞記事やテレビ番組などの報道において、「ソーシャルイノベーション」の意味を知らない取材記者(あるいは取材ディレクター)がいると、トンデモな記事や番組が生まれることになり、そっちのほうが問題が大きいかもしれない。

 たとえば、このサンケイ・エクスプレスの記事

 ソーシャルイノベーションを「社会変革」とこの記事でも訳しているのだけど、イノベーションとは「革新的な仕組み」を含んでいるのだから、社会の仕組みをどう革新的に塗り変えたのかの部分を浮き彫りにしないと、まずいよね。

 記事によると、日本財団は企業経営者に呼びかけて、元受刑者を雇い入れる試みを始めた。
 そのこと自体は、実は既にあるふつうの雇用支援だ。

 始まったばかりなので、まだ「革新的な仕組み」自体も途上なのかもしれない。

 そこで、たとえば、刑法犯を犯した人ならではの固有の属性や能力、経験が働く現場や再犯防止の現場で有効に活かせる仕組みを作ったなら、その仕組みを報じてほしいと思う。

 「おお、その手があったか!」と驚くような仕組みを作ってこそ、革新的といえる。

 報道する側は、そこをきちんと掘り下げて取材する必要がある。
 でないと、せっかくのソーシャル・イノベーションの社会的価値も伝わりにくいし、ワクワクしないからだ。

 世の中を「あっ」と言わせる仕組みを作り出すには、人を支援するなら、支援される側の能力や魅力を最大限に引き出す必要があり、そこには「当事者固有の価値」に対するレスペクトが常に問われる。

 元受刑者がまもとに働き、再犯をしなけば、それで上がり(解決)なのか?

 それは、その人をただ「ふつうの人」としての枠組みに押し込め、犯罪以前の過去の経歴を否定することにつながらないか?

 僕は酒鬼薔薇聖斗と医療少年院で親友になった青年と会った時に、犯罪を反省し、更生すれば、それで何かが終わったり、始まったりはしないのだという印象を持った。

 罪を犯さなければならないほど社会の片隅へ追い詰められていた頃、その人がほしかったのは人並みの安定した仕事や暮らしとは限らない。

 一人の人間が罪を犯すまでのプロセスにある豊かな経験が、マイナスに導かれるまでのストーリーを、本人が自発的に語りたくなる関係をどう構築していくかという年月の中にこそ、支援される当事者各自の価値を重んじたソーシャルイノベーションの種は宿っているのだと思う。

 原発にしても、原発が建つ前の土地の住民には、仕事がなかった。
 過疎化と高齢化で、まちは疲弊するばかりだったからだ。

 原発建設で助成金も出れば、町が潤い、原発関連の雇用も増やせた。
 しかし、一度爆発してしまえば、そんな金や雇用は吹っ飛んでしまう。

 それ以前に、放射能に汚染された故郷には帰れないし、作業員は被曝し続けながら検査も事後処理も続けなければならない。

 そうした深刻な社会問題を理解しているなら、原発にとって代わる雇用を生み出し、原発がなくなっても食っていける革新的な仕組みを作り出すのが、ソーシャルイノベーションのはずだ。

 革新的な解決の仕組みを作り出すのは、決してカンタンなことではない。
 だからこそ、ソーシャルイノベーションに成功した事業家を、市民は賞賛する。

 経営陣が高齢者ばかりで、時代や社会のニーズとは遠い価値観で食いつないでいる日立のような大企業に、ソーシャルイノベーションを興すのは無理だし、自社広告にこの言葉を使うなんて、おこがましいにもほどがある。

 経営陣を刷新し、老害を防ぐ仕組みを作るのが、軍需産業で人を殺しまくりながら蓄財してきた日立・東芝・三菱の家系の若い世代の責務だろう。

 まずは、社内改革を断行して、新しい時代の社会と付き合うための方法を学ぶといい。

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