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■企業の経営者・CSR/USRご担当者の方へ ~社会起業家と協働を!


 僕(今一生)は、「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」というゼミを毎週土曜の午後に開講しています。

 講師は全員、現役の社会起業家として飯が食えている方々です。
 他の教育機関にはないこんな贅沢なゼミを、毎回3000円前後の格安の受講料で運営しています。

 それは、メディアやイベントなどで語られているソーシャルビジネスでは、すっぽり抜け落ちている部分を、当の社会起業家自身から語ってもらい、CSR担当者やこれから社会起業を始める人に知ってほしいからです。

 「すっぽり抜け落ちている部分」とは?

 それにピンと来る方は、CSR部署のスタッフや企業経営者がまだソーシャルビジネスの本質に対して関心が足りない理由も理解できるでしょう。

 原発事故によって家族が引き裂かれた実話を元に作られた劇映画『希望の国』について、この映画を監督した園子温さんは公式サイトでこう語っています。

「ニュースやドキュメンタリーが記録するのは“情報”です。
 でも、僕が記録したかったのは被災地の“情緒”や“情感”でした」

 僕は、社会起業家とその周辺(CSRやソーシャルアクションなど)を精力的に取材してきました。
 そこで、たびたび違和感を覚えたことがあります。

 それは、社会起業家に関する語り部の多くが、「どうやったら問題解決にかかる経費を稼ぎ出せるのか」と「どうやったら深刻な社会問題を解決できるのか」という2つのことに関心を集中させていたこと。

 社会起業家自身に直接話を聞く機会があるたびに、僕も上記の2点に驚嘆します。

 しかし、一番の驚きは、社会的弱者や環境(※社会環境を含む)に対する社会起業家自身のコンパッション(情緒)の強さです。

 コンパッションとは、「生きずらい人の苦しみを思いやれること」

 つまり、社会的弱者の持っている苦しみや、汚れた環境を強いられる次世代の子どもたちの抱くであろう感情を思いやる気持ちの確かさが、それまで誰も手をつけなかった深刻な社会問題を解決しなければという使命感につながっていたのです。

 このコンパッションさえ確かなら、問題解決の手法や解決活動費を賄うマネタイズの方法などは後からいくらでも習得できますし、何よりも消費者=市民に対して広く強い共感を集めることもでき、それがビジネスを活性化するドライブ・フォースにもなるのです。

 ソーシャルビジネスを持続可能にさせるモチベーション形成には、この「コンパッション経験」が不可欠なのです。

 そして、僕が尊敬し、「社会問題の解決」という点で成功している社会起業家のほとんどは、なにかしら確かな「コンパッション経験」がありました。

 たとえば、ユナイテッド・ピープルの関根社長は、卒業旅行で行った中東で10代の少年が銃を持ち、「敵を殺して英雄になることが夢だ」と言うのを聞き、胸をつかれるという体験をしました。

 関根さんは、就職後もその言葉が頭から離れず、やがて「自分が平和を止められなくても止める努力をしている市民団体を力づけよう」と考え、ネット通販時のアフィリエイトをNGOなどへ寄付に回す「イーココロ!」というwebサービス事業をなんとか軌道に乗せました。

 今年(2012年)、ユナイテッド・ピープルは10周年になります。

 関根さんがそうだったように、日本の市民も「ソーシャル消費」の意味を理解し、自分の商行為を少し変えるだけで社会が良くなることに気づき始めた人が増え続けているのです。

 今年10周年になる社会起業家では、「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」にもゲスト講師として登壇された株式会社PEERの佐藤社長がいます。

 佐藤社長は、看護学生の頃に出会った末期がん患者の女性が、かつらが高額だったため、自分の医療費などの経済的負担が家族に既に迷惑をかけていると考え、かつらを買えず、入院中の部屋から外出できず、退院後も自宅に引きこもったまま亡くなってしまいました。

 その後、佐藤さんは中国・チンタオの工場と契約し、約5万円という画期的に安いかつらを調達すると共に、カット&パーマなどのサービスを施せる「患者向け美容室」を静岡県浜松市にオープンしました。

 そんな佐藤社長も、起業してから5年ほど、末期がん患者の夢を見ては目が覚める日々を送っていたそうです。

 関根社長や佐藤社長が人生で出会い、見過ごせないと強く感じた「コンパッション体験」は、他の方の共感も呼びやすいものです。

 もちろん、それだけでは商売は成り立ちません。

 しかし、この「コンパッション体験」の温度なしに、彼らが問題解決の手法を新たに創出したり、ビジネス上の成功を収めることもありえなかったでしょう。

 他の社会起業家も同様です。
 だから、「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」では毎回、講師となる社会起業家は異なるのに、皆さん必ず冒頭で自身の「コンパッション体験」を語るのです。

 ところが、この「コンパッション体験」の温度そのものを分かち合うということが、ソーシャルビジネスを学ぶ人やCSR活動で社会起業家と協働するという現場では、意外に進められていないのです。

 関根社長が見た中東の少年、佐藤社長が出会った末期がん患者。
 どちらの「社会的弱者」も、僕らの日常生活では縁遠い存在かもしれません。

 そうであっても、僕らフツーの人々にもそれぞれ、自分の人生の中で「これは見過ごせない!」と思った誰かがいても、自分自身の無力や関心の薄さから、置き去りにしてきてしまった経験ぐらいはあるのではないでしょうか?

 つまり、社会起業シーンであまり重要視されずに語られてこなかったこと、「すっぽり抜け落ちている部分」とは、社会起業家と同様の温度を持った「コンパション体験」を自分の記憶の中から取り出し、自分が結果的に見過ごし、置き去りにしてきた誰かの苦しみに対して現在の自分がどれだけの思いを抱けるかという自問なのです。

 そのように自問するとき、冒頭で紹介した園監督の言葉は重く響くはずです。

「ニュースやドキュメンタリーが記録するのは“情報”です。
 でも、僕が記録したかったのは被災地の“情緒”や“情感”でした」

 大学や高額な民間機関が教えているのは、問題解決やビジネスモデルといった情報です。
 でも、僕が「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」を開講して伝えたいのは、それだけでなく、社会問題の解決に成功している社会起業家が社会的弱者に対して抱く情感や情緒なのです。

 この意味が理解できる方なら、社会起業家が「社会貢献」というアバウトなものをしているわけではないことにもピンと来るでしょう。

 社会貢献は、「他人(あるいは公共の)ために余裕のある人がお金や時間、労力を放出する」という印象がいまだに強いでしょう。

 だから、「余裕が無くなれば、自分のことだけ考えるのは仕方ない」という構えになりますし、「こっちはビジネスでやってんだよ」と思うのも当たり前。

 一方、「コンパッション体験」を経て生まれる社会起業(ソーシャルビジネス)は、「誰かの苦しみを見過ごせない。その苦しみをなんとしてでも早く取り除きたい」と強く感じた瞬間に、社会的弱者の苦しみは「他人事」ではなくなり、社会的弱者と共に問題解決に向かう当事者としての意識を分かち合ったのです。

 そこには、「救う/救われる」というマイノリティ憑依のような関係ではなく、共に苦しみを乗り越えていく対等な仲間という連帯が生まれます。

 だから、「社会的弱者が苦しんでいるのなら私も問題を解決するための苦しみを引き受けよう」と社会的弱者と一蓮托生の思いで働き始め、解決の道を一緒に探り続けるのです。

 ところが、こうした社会的弱者の支援スタイルは、従来のそれとはまるで違うことに、多くの方はピンと来ないかもしれません。

 しかし、ホームレスの支援をしている団体の幹部ばかりが前へ出て本や講演の印税やテレビ出演ギャラをもらったり、助成金で団体幹部スタッフの人件費は年間保証されているのに、支援されるはずのホームレスの暮らしは一向によくならないということが起こっていたり、ニート支援の団体のスタッフは飯が食えているのに、支援されるはずのニートはいつまでも失業中のままであるという構図は、今日でも多くの支援団体に見られます。

 そこに、コンパッションの熱や確かさが見失われていると感じるのは、僕だけでしょうか?

 社会的弱者を自分と同じ人間だと認知できるなら、なぜ一緒に苦しみ、共に解決の道へ歩もうとしないのか?
 僕には不思議に思えていたので、社会起業家の新しさをたやすく理解できたのです。

 ここまで読めば、社会起業家にとっての顧客が「お金を払ってくれる消費者」ではなく、「苦しんでいる問題の解決を求めている社会的弱者」であることにピンと来るでしょう。

 実際、ソーシャルビジネスにおけるお金の流れを見ると、ユナイテッド・ピープルの「イーココロ!」の場合、消費者→ネットショップ→NPO(=顧客)です。

 PEERの社長・佐藤さんも、自社の公式サイト上で、全国から安いかつらの販売代理店として連携を求めてくる業者向けに「利益第一の方はご遠慮ください」と明記しています。

 それどころか、予備用の2枚めのかつらを買い求める客に対し、「自毛だと取り替えたりはしないでしょ。1年に1枚で十分ですよ」と財布の紐を絞るようなことも話すそうです。

 あくまで患者(顧客)の立場から問題解決にかかる費用対効果を考え、広告も一切出さないので、かつらの値段が上がることもありません。

「地元では、うちの会社は『売らない会社』として有名になっちゃってます」

 佐藤社長は、ニコニコしながら、そう言うのです。

 それでも、いや、それだからこそ佐藤さんは7人のスタッフを抱えても、会社は10周年を迎えたのだろうと思うのです。

 社会起業家8ソーシャルベンチャー)の顧客は、あくまでも問題に苦しんでいる社会的弱者です。
 そして、事業家側が顧客に真っ先に求めているものはお金ではなく、問題の解決そのものなんですね。

 「ベンチャーを興しても10年後に残っている会社は1~5%」と言われる昨今、ほとんどのベンチャーが倒れていく中、社会起業モデルのベンチャーはしぶとく勝ち残っています。

 だからこそ、ベンチャー経営者やCSR担当者には、ぜひ社会起業の新しさと本質に触れてほしいです。

 それは、社会のためであると同時に、経営やCSRの持続可能性を担保するものに気づくことで自分自身の仕事とその価値を守るために必要不可欠だからです。

 経営が傾いたり、CSR予算が削られても、世間は誰もその会社にコンパッションを抱いたりしないでしょう。

 しかし、御社の仕事が社会的弱者や環境を守り、彼らの苦しみを取り除くのに本当に必要不可欠な仕事であるなら、消費者だけでなく、広く市民がその会社の事業を支持し、味方になってくれるはずです。
 
 そして、万が一倒れることがあっても、誰もその失敗を笑わないでしょう。

 そんな働き方をしたいと思われた方は、ぜひ「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」を受講してみてください。

 社会起業家の講師となるだけ多く出会い、名刺交換し、社会的弱者の苦しみに対するコンパッションと問題解決に挑戦するの「熱」を分かち合い、協働事業を生み出してほしいです。

 社会起業家と従来型の企業におけるCSRスタッフの、問題解決に賭ける情熱の温度には、あらかじめ差があるでしょうが、社会問題の切実さや社会的弱者の境遇を理解する中で、多くの方に「コンパッション体験」が分かち合われるチャンスが増えることを、僕は期待しています。

 CSR経営の意識を全社員に浸透させたい企業なら、ぜひ法人としてお申込みください。
 ゼミは既に第9回まで終了し、残り15回です。

 なお、2012年12月28日まで受講もしくは受講予約された方には、期間限定の割引をいろいろ実施中。
 とくに「女子割」では、通常5000円のところ、初回のみ予約なし・当日精算で2000円で受講できます。

★社会起業家・養成ゼミ TOKYO
http://socialventure-youseizemi-tokyo.blogspot.jp/


peer.jpeg
(※PEER社長・佐藤真琴さんの講義のようす)

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