働き方を変えると、社会が変わる。
個人の力は決して小さくはないのだ。
では、どんな「働き方」に変えると、社会が変わるのか?
ランダムに挙げてみよう。
★定時で仕事を終わらせて、家族との時間を増やす →家族の大事さを思うと仕事への責任感も増し、就労時間内の生産性も上がる
★廊下やトイレなど職場環境をユニバーサルデザインにする →女性・子ども・障害者などが働きやすくなれば、自社商品の潜在市場の大きさにも気づける
★商品・サービスを直接の消費者でない人にも好感のもてるものにする →商品開発で社会的包括を常に考えておくと、メディア報道や口コミにも乗りやすい
★節電や省力化など環境負荷を考えた労働環境に常に改善していく →持続可能性を担保した働き方は、子どもや孫の世代を配慮した商品作りにつながる
★社会貢献ではなく、社会問題の解決を働く動機(ミッション)にする →社会貢献は「よそゆき」の他人事の意識だが、問題の解決は「当事者」意識を育てる
他にも、いろいろ考えられそうだ。
このように、働き方を変えることで社会をより良いものへ変えていくという手法と実践は、CSR(企業の社会的責任)を重視する経営者の同時代センスによって可能になる。
その点は、NPOも同じだ。
働き方を常に改善する意識は、事業活動の効率化とミッションの重さをそこで働く人たちに強く意識付けることになるからだ。
営利企業が営利目的を達成するために社会貢献を手段にするように、非営利組織も非営利として社会問題を解決する目的を達成させるためにビジネスを手段にせざるを得ない。
社会問題を解決するためには、その活動に人件費や交通費、事務所の家賃などの経費がかかってしまうため、会費や寄付金、助成金などの収入では活動が持続可能にならないからだ。
だから、非営利活動団体であるNPOでも、活動費を賄うために、寄付などの収入とは別に、収益事業を興し、自分たちの力で収入を見込める働き方にならざるを得ないし、そうしたNPOを「事業型NPO」と呼んだりする。
以上のことを逆から言えば、収益事業でどうしても追いつかない活動コストについては、寄付や助成金などに一時的に頼ることもできるといえよう。
企業だって、立ち上げの際には助成金を活用する場合があるし、低利子による融資を受けることもできる。
資産のないNPOも、最近では財務状況と収益モデルの健全さを担保に金を貸してもらえる金融機関も増えてきた。
多くの人は、社会問題を解決するためのコストや労力を考えたりしない。
社会問題を解決するのは、政治家や行政の仕事だと思い込んでいる人も少なくない。
でも、既に世の中には、事業型NPOを含む「社会起業家」と呼ばれる人たちが続々と世界中に生まれている。
彼らは自分の利益を増やすためでなく、社会問題を解決するために手段としてビジネスを利用し、働いてる。
しかし、日本では、社会起業家の存在や事業は、ほとんど知られていない。
そのままでは、政治不信のまま思考停止や、国への絶望・無関心を生んでしまう。
いつまでも政治にばかり期待し、市民の力、個人の力によって社会を変えられることに気づかない。
それでは、社会問題によって苦しんでいる当事者たちは、いつまでも苦しいままなのだ。
子育てと仕事の両立が大変な「一人親家庭」は貧困化してしまうかもしれない。
親に虐待された子どもたちは、いつまでも虐待され続け、自殺を図ってしまうかもしれない。
寒空の下でホームレスたちはクリスマスソングを聴きながらのたれ死んでしまうかもしれないし、車椅子を利用している障がい者や高齢者も思うように外出できずに不自由の中で孤立化していくかもしれない。
社会問題とは、切実なだけに解決のスピードが要求されるのだ。
そこで、政治にだけ期待しているままでは、解決は遅れ、どこかで誰かがひっそりと死んでいく。
つまり、民間人によって社会問題を解決している社会起業家を知らないことは、一つの社会問題なのだ。
だから、僕は1人でも多くの日本人に日本の社会起業家が何をし、どのように社会問題を解決しているのかについて社会起業家自身が講義するチャンスを作りたいと思った。
それが、毎週土曜日に東京で開講している
「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」。
東京から遠くて教室に来れない方向けにも、Ustreamで
講義の一部(45分)を無料で見られるようにした。
この講義には、日本の優秀な社会起業家が、全国から20名以上も講義する。
それでも1回あたりの受講料は3000円(※受講の頻度・同行者の人数・事前振込でさらに安くなる)。
営利目的のビジネス・セミナーなら1ケタ多い3万円くらいにはなるだろうが、このゼミはあくまでも「一人でも多くの日本人に社会起業家の仕事を知ってほしい」という趣旨で開講している非営利の事業だ。
僕は、彼らをブッキングし、謝礼や交通費を払い、週の半分を使って講義の準備をしている。
自営業の僕は、このような非営利事業に時間や労力をかけると、その分だけ収入が減る。
ゼミで僕が儲かる仕組みを作り出すことは考えてないし、それは受講料を吊り上げることになってしまう。
このゼミの目的は、あくまでも一人でも多くの日本人に社会起業家の仕事を学べるようにすることだ。
だから受講料をなるだけ安く設定し、お金がない学生でも気軽に受講できる値段に据え置きたい。
ソーシャルビジネスを教える他の塾と比べてもかなり安いのは、誰もが学べるチャンスにしたいからだ。
なので、このようにブログで何度も広報しているのだけど、コストカットを工夫しても、今後は赤字を垂れ流す恐れも不安もある。
それでも、来年3月末まで全24回のゼミを完遂したい。
このような社会貢献は、時間やお金の余裕のある時にすればいいというものじゃない。
それが必要な時にこそやるべきだし、それは「今」なのだ。
不況が続き、貧困や孤立が進み、生き苦しさを抱えていても、政治がそれを十分に救えない今こそ、より多くの人に社会起業という働き方を学んでほしいのだ。
だから、このブログの読者のみなさんに、このゼミに一度足を運んでみてほしい。
それでも運営費が足りない不安は残るので、個人・法人からの寄付なども募っている。
詳細は、
このブログ記事を参照してほしい。
僕の孤軍奮闘が実り、一人でも多くの社会起業家が生まれ、社会問題の解決が進み、それによって生き残れる人が増えるといい。
「社会起業家について誰もが学べるチャンスを増やす」というこの活動に共感していただけたら、せめてこの下にある
「ツィート」や
「いいね!」を押してくれると、うれしい。
★社会起業家・養成ゼミ TOKYOhttp://socialventure-youseizemi-tokyo.blogspot.jp/(※毎回、予約先着で30名までしか受講できません。ご予約はお早めに!)

(※ケアプロ社長の川添高志氏=左の講義のようす。これまでの講義の生中継動画を見たい方は
こちらへ)
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