僕は
「オルタナS」という社会貢献のニュースサイトに結構な頻度で記事を書いている。
最近、「聴覚障害者」と呼ばれる人に関するネタを扱うことが増えた。
今のところ「健聴者」であり、毎日ヘッドフォンで仕事をしながら長時間音楽を聴いている僕にとって、今後、耳の使いすぎや老化などが原因で難聴や聴覚障害を患うことは、決して他人事ではないと感じるようになったからだ。
そして、それは僕だけでなく、多くの「健聴者」にとっていつかは直面する問題であり、不安だろう。
だから、いろいろ「聴覚障害」に関する話題を探してみる習慣がついてきたのだ。
実際にネタを探してみると、興味深いものが続々とあった。
それをランダムに紹介しておきたい。
●バンド「こころおと」と、手話歌シンガー「水戸真奈美」さん 手話と音楽によって健聴者も聴覚障がい者の両者を同時に楽しませるバンドが、東京を中心に活動している「こころおと」だ。彼らについては、
この記事を参照。
一方、手話と同時に歌う水戸真奈美さんという歌手もいる。
この記事を参照。
●映画『珈琲とエンピツ』 耳は聞こえないが、筆談と笑顔で集客してきたサーフショップのおじさんと、同じように耳は聞こえないが、健聴者とのコミュニケーションにとまどってきた女性映画監督との交流を描いたドキュメンタリー。
この映画については、
この記事を参照。
●手話が公用語のカフェ 東京大学の近くに、手話と筆談が公用語のカフェ「Sign with me」がある。
iPadでも注文できる。
この記事を参照。
●デコ補聴器 難聴者でも、補聴器をつけたがらない人は少なくない。
そこで、補聴器を自分が気に入るようにデザインを施そうというムーブメントが一部で始まっている。
この記事を参照。
●ろう者サッカー 障がいを持つ人向けのサッカー・チームには、既にいろいろある。
片足の方のための
アンプティサッカー、視覚障害者向けの
ブラインドサッカー、
知的障害者向けのサッカー、
そして、耳の聞こえないろう者向けのサッカーもあり、映画にもなっている。
●ろう者プロレス サッカーどころか、プロレスもある!
こうしてみると、耳が聞こえないからといって、手話だけを頼りにコミュニケーションをしているわけではないことがわかる。
それでも、日常生活ではやはり手話や筆談がコミュニケーション手段のメインになるのは否めない。
そうとわかっていても、健聴者の多くは「じゃあ、手話を学ぼう」とは、にわかに考えないだろう。
手話を覚えても、身近にろう者がいない限り、手話でコミュニケーションできないのだから。
その点では、職場にどんどんろう者が増えてほしいと思うし、手話が公用語のカフェが増えてほしいと思う。
もっとも、そうした社会環境がいつまでに整うのかと考えると、千葉の片田舎に住む地方在住の僕には、はなはだ不安だ。
これは、僕だけではなく、他の人も同じように悩ましい問題だろう。
つまり、手話を学ぶモチベーションのチャンスが乏しく、ろう者とコミュニケーションすることが難しいことは、社会問題なのだ。
そこで、「スマホに文節を区切って話すだけでその音声を手話のアニメとしてスマホ画面に表示する通訳アプリってないのかな? 知ってる方、教えてくださいな」とtwitterでつぶやいてみた。
すると、
こんなリンクをフォロワーから教わった。
そこで、まぁまぁ使えそうな手話アプリをダウンロードしてみたんだけど、健聴者は手話を学びたいのではなく、音声認識を瞬時に手話動画としてスマホで見せられるアプリを求めていると思うのよね。
そういうアプリがあれば、手話を学ばなくても、とりあえずろう者とコミュニケーションしやすくなる。
わざわざスマホに文字を入力して筆談する必要すらなくなる。
ろう者とコミュニケーションする楽しみができれば、そこから手話を本格的に学ぼうというモチベーションが生まれるんじゃないかな?
そこで、「手話通訳者の仕事が減る」と考えるのは杞憂だろう。
むしろ、細かいニュアンスを上手に伝えるスキルが向上し、人間でしか伝えられない言葉のあたたかみや気遣いなどの価値に気づく人が増え、手話通訳サービスの価格相場が安定し、発注する人が増えるだろう。
デバイスの進化は、むしろ人間の価値を最大化させるのだ。
だから、アプリ開発者には、ぜひ優れた手話アプリを作ってほしいと願う。
そして、そこに社会問題を解決できる仕事(=ソーシャルビジネス)が生まれる面白さと、「解決されていない社会問題」という新たな市場の大きさに気づいてほしい。
ちなみに、経産省はソーシャルビジネスの市場規模を34兆円以上と発表している。
不況にあえぐ会社ほど、解決されていない社会問題の市場が手付かずに残っていることに気づくべきだろう。
新たな仕組みを作って、それまで解決できないと思われていた社会問題を解決することを目的にビジネスを手段にしている人は、「社会起業家」と呼ばれ、世界的にも賞賛を集めている。
聴覚障がい者と聴者の対等な世の中を作るために、「手話Pod Channel」や手話による観光アプリ「シュワイド」、オンライン手話辞典「スリント」、Skypeを利用した遠隔手話サービスなど画期的な仕組みを生み出し、手話のソーシャルビジネスの先駆者となった日本の社会起業家がいる。
大木洵人さんが率いる
ShuR(シュアール)グループだ。
ShuRは、ITを駆使して、ろう者から健聴者へコミュニケーションがとりやすいサービスを次々に生み出した。
そして、彼らは、東アジア初のアショカ・フェローに選ばれた。
アショカとは、世界中の社会起業家を支援していることで有名な非営利組織だ。
ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏も、アショカ・フェローだ。
それを思えば、ShuRがどれだけ優れた社会起業家かがわかろうというもの。
そのShuRの代表の大木さんが、12月15日に東京・千駄ヶ谷で開講する
「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」で自社のソーシャルビジネスについて講義する。
このゼミでは、毎週1名、全国から招かれた社会起業家があなたを直接指導する。
こんなチャンスはめったにないし、二度と実現できないプログラムだ。
これまでの発想では解決できなかった社会問題を、社会起業家たちはどう解決しているのか?
関心があるなら、
このブログ記事も参照しながら、下記リンクをクリックしてみてほしい。
★社会起業家・養成ゼミ TOKYOhttp://socialventure-youseizemi-tokyo.blogspot.jp/(※毎回、予約先着で30名までしか受講できません。ご予約はお早めに!)
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