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■11・11の100万人の反原発デモの前に知るべきこと ~反対運動が目的ではみんなが困る


 11月11日に首都圏反原発連合が100万人のデモを呼びかけてる。

 しかも被災地からも東京へ駆けつけるよう、バスまでチャータしてる。

 僕自身も脱原発派なので、人を集めたい気持ちはよくわかる。
 わかるけど、一方で「なんだかなぁ…」という印象もぬぐえない。

 ここに、「反原発」と「脱原発」の大きな溝を感じるのは、きっと僕だけでないだろう。

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 『男一匹ガキ大将』(本宮ひろ志・作)というマンガをご存知かな?
 富士山の裾野に全国からガキ大将が集まり、主人公1人と1万5000人を率いた番長が向かい合う。

 番長に対して主人公は言う。

「これだけの人数を集めといて、何をする気だ? 俺をやっつけるなら今すぐでもできるだろう。その前にみんな足元の草をとってみろ!」

 富士の裾野から一斉に雑草が抜け、種を植えれば見事な農地になる大地が広げられた。

 人を集める以上、そこで何が実際にできるのかを見せないと、わざわざ遠方からより集めさせる理由がわからない。
 しかも、被災者まで集める以上、どんな成果を導きたいのだろうか?

 柄谷行人さんは、「もちろん、デモで社会を変えることはできる。確実にできます。なぜならば、デモをすることで、デモをする社会を作れるからです」とデモで叫んだ。



 え? そんな抽象的なこと?
 権力がデモ自体を止めたことなんて、これまでなかったじゃん!

 そういう抽象的な理念より、被災地ではまだ明日のメシにさえ困ってる人が少なからずいますよ。
 反原発デモで具体的な成果を上げた成功例(=原発停止)など、過去に1度もないのだから、奇跡でも起こす気?

 デモの規模が何かを変えるとしたら、宮台真司さんが既に説いているように、デモで原発推進派の議員を連呼して選挙で落とすことと、メディア関係者と事前に打ち合わせておいて報道価値のあるデモのあり方へ洗練させていくことと、原発利権にからむ企業の商品に対して不買運動を喚起するメッセージを発信することの3つしか有効ではないはずだ。

 そして、もっとも大事なことは、100万人も集めるなら、その100万人で実際に原発を不要に導く活動を始めたほうが、よっぽど国民の味方になれるということを知ることだ。

 その一例として、僕は100万人に対して「TOKYO油田プロジェクト2017」へ参画することをオススメする。

 デモで歩く千代田区周辺の国会議員たちが事務所や自宅で捨てている使用済み食用油でもみんなで回収し、「TOKYO油田プロジェクト2017」に寄付してバイオ燃料や電力に変えて、原発による電力を少しでも使わない仕組みを恒常的に作り出すほうが、現実的に脱原発に近づくじゃん。

 「TOKYO油田プロジェクト2017」は、墨田区の小さな会社が2017年までに東京中の使用済み食用油を全部バイオ燃料などに再利用しようと呼びかけているものだ。

 僕はたった1回の100万人のデモよりも、毎日の仕事として本気で「脱原発」を実現する事業活動こそが何よりも大事だと考える。

 僕が早稲田の学生だった1985年、学生活動家は学内で小さなデモ隊を作り、文学部の教授に詰め寄って「学費値上げ反対!」と連呼した。

 当局は、「君たちの言い分は大学本部に伝えておく」と言った。
 するとデモを組織していた学生は、「われわれは勝利した!」と叫んだ。

 これを目の前で見た当時19歳の僕は、「えええっ! 大学生ってこんなにガキんちょなの?」と腰を抜かした。
 「デモができる自由」とは、現実には権力にデモを許される自由と同義なのだ。

 本気で「脱原発」したいなら、人数集めより、集めた後の問題解決行動のビジョンを示そうぜ!
 そうじゃなければ、反対すること自体が目的になり、デモが何のための手段なのか、わからなくなる。

 政治に文句を言うだけではなく、あるいは政治にばかり期待するのではなく、毎日の仕事として社会問題を解決することを目的に働いている「社会起業家」の存在を、「反原発」の活動家は知るべきだし、そうすればこそ「脱原発」を願う国民を味方にできるだろう。

 社会起業家について少しでも知りたい方は、ぜひこのゼミに顔を出してほしい。

★社会起業家・養成ゼミ TOKYO
http://socialventure-youseizemi-tokyo.blogspot.jp/

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