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■ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳してみた (15)


 「ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳してみた」の第15弾です。
(※これまでのすべてのオリジナル訳詩と僕自身が歌ってる音源のリストは、コチラ


 では、『Here, There and Everywhere』から。
 ビートルズの中でも名曲中の名曲で、ポールの最高傑作といわれていますが、歌詞の中身はシンプルな甘いラブソングです。




ここでも、あそこでも、どこでもさ (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


マシになるさ 彼女と暮らせば…

ほら少しずつ僕は
彼女に育てられる ときめきで 輝きながら

彼女の髪に触れ
同じ幸せ願う二人 そこには 誰も入れない

どこにいても そばに彼女がいてくれれば
そう望むことが愛なんだ
二人が信じ 合えたら愛は 死なない
その瞳 にいつも僕が…

どこにいても そばに彼女がいてくれれば
そう望むことが愛なんだ
二人が信じ 合えたら愛は 死なない
その瞳 にいつも僕が…

寄り添って生きたい
Here, there and everywhere




 次は、『The Long and Winding Road』。
 これも名曲で、チューリップの『青春の影』もこの曲にインスパイヤされて作られたものでしょう。
 歌詞の世界観が同じです。




長く険しい道 (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


きみの心 開けるドアへ
続く道は 消えることはない
どんなに長く つらくても

一日中 泣いた涙を
強い風と 雨の夜が
すっかり消して ただ一人

さみしい夜と 涙の朝
きみは知らない こんな気持ち

そして今も 長くつらい
道に僕を 置き去りにして
心のドア 開けてくれ

狂おしいよ 長くつらい
道に今も たたずんでるんだよ
さぁ開けてくれ きみのドア

Yeah, yeah, yeah, yeah



 次は、『Don’t Let Me Down』。
 ジョンがヨーコに対して「がっかりさせないでくれ」と歌っているとwikipediaに書かれていましたが、ボーカルのジョンの叫びから「裏切るなよ」ぐらいの強い意味を読みとって訳してみました。

 ジョン・レノンは、なぜか「これが初めての恋」というフレーズをいろんな歌に盛り込んでいます。
 彼は、現在の恋がそれまでの恋以上に信じられるものであってほしいと、いつも望んでいたのでしょう。




裏切るなよ (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down

彼女のように俺を 愛した 人はない
誰かが同じように 愛して くれるなら

裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down

初めての恋 いつまで続くの
いつまでも続く 未来しかない

裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down

出会った時からさ 本気でね 愛してくれる
誰もそんなふうに 俺のこと 愛さなかった

裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down



 次は、『A Day In The Life』。

 金や名声をつかんだ人も、ある時、新聞に死亡記事が出る。
 しかも、居眠り運転のようなヘマで突然に死んでしまうこともある。

 そういう出来事を僕らは他人事として笑いながらも、自分が埋め合わせたい欠落を埋め合わせるために毎日せっせと働いて一生を過ごしているんだよね。
 でも、そういう欠落の埋め合わせに終始する日常の繰り返しに対して、あっと驚くようなことをして非日常なべつの世界に振り向かせたい。

 そういう意味合いの歌詞です。

 せっせとがんばってもむなしい人生の不条理を知りつつ、それでも死ぬまでは生きていくしかない人間の宿命のようなものを感じさせる内容ですが、これを20代で歌っているあたり、ビートルズが20代前半で歴史に残る世界の大スターになってしまったことの大きさにとまどう当時の彼らの気持ちも垣間見する思いがしますね。





ある日の出来事 (作詞・レノン=マッカートニー/訳詩・今一生)


成り上がりの奴が 新聞に出ていたよ
哀しい話で でも笑っちまった
写真を見たらさ

上の空でドライブ 赤信号に気づかず
みんなが覗き込む 見覚えのある
上院議員みたいだなんて…

今日観た映画では イギリス軍の勝ち戦(いくさ)
みんなしらけて帰る 俺は最後まで
歴史だよ 今さら驚く?

朝 目が覚め 寝ぐせを直すと
台所でお茶を一杯 時計を見たらもう遅刻
コートと帽子で バスに乗り込み
タバコ一服した後で 話しかけられても夢の中

今朝の新聞じゃ ランカシャーに4000個の穴が
小さいものまで全部 数えたらしい
アルバートホール満席にできるかな?
驚かせたいね



 次は、『The Ballad of John and Yoko』。
 ハネムーン旅行中のジョン&ヨーコを追いかけるマスコミに対して、「これじゃ、さらし者だ」と嘆くジョンの気持ちをストレートに歌った歌です。

 キリストのように磔の刑になったと描写するあたり、ジョン一流のウィットですが、当時は「キリストを冒とくしてる」と騒がれてしまったようですが、おそれくそれは揶揄されたマスコミからの逆襲だったんでしょうね。




ジョンとヨーコのバラッド (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


サウザンプトン波止場で オランダかフランスか
行き先を考えてたら レインコートのヤツが戻れと言うんだ
みんなも止めるし このままじゃ 磔(はりつけ)の刑だ

パリまで飛んだよ セーヌ川でハネムーン
ピーター・ブラウンが電話口で スペイン近くのジブラルタルなら式を 挙げられるってさ
このままじゃ さらし者になる

車でアムスへ ホテルで七日間 語らってたら記者連中が
ベッドで何してたのと尋ねてくるのさ やすらぎがほしいんだ
このままじゃ さらし者だよね

いざって時のために貯金 服はみな寄付に
ゆうべ妻が言ったのさ
あの世には魂しか持ちこめない だろ?

サクッとウィーンへ チョコケーキ食べたら
新聞は彼女が俺を 洗脳しドラッグの教祖の夫婦に見える
なんて書く キリストの ように磔(はりつけ)さ

早朝にロンドンへ リュックにはどんぐり
記者たちが待ちかまえてさ
「お二人が無事に帰国されてうれしい」
ふざけんなよバーカ!
このままじゃ さらし者だよね
このままじゃ さらし者だよね



 次は、『Come Together』。
 選挙応援ソングとして作られたようですが、意味ありげの言葉遊びの部分は捨象し、なるだけそのまま訳してみました。
 その方が、権力嫌いで政治家候補を応援するジョンの皮肉振りが伝わってくるようで面白いでしょう。




さぁ、おいで、みんな! (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


ギターは古いフラットトップ そんな
ヤツは愛想ふりまく
あやかしの目玉で 狂信者を演じて
ひざまでの長髪で みんなを喜ばすピエロさ

靴磨くヒマもなく くさい足でサッカーやって
サルの指使いのよう コカ・コーラの瓶を蹴って
「古い仲だろ」なんて言う でもしがらみなんて忘れろよ
さぁおいで 今すぐ 俺と

事務所を立ち上げ セイウチに靴履かせ
小野さんには食器棚 骨折り損も上等さ
ひざまでがっくりとね そんな立場にいちゃ狂いそう
さぁおいで 今すぐ 俺と

ジェットコースターのように ヤツは浮き沈みする
清濁飲み合わせて 真実見極めたい
仏の顔も三度までって カッコだけでもつけとけよ
さぁおいで 今すぐ 俺と



 次は、『Real Love』。
 ジョン・レノンが殺される1年前に作られた曲で、「僕はずっと君を待っていただけ」とヨーコへの愛をシンプルに歌い上げています。

 1995年にジョンのテープに他の3人が参加し、ビートルズの楽曲としてリリースされましたが、もう20年も前なんですね。
 2015年の今日では、ポールですら64歳を超え、離婚も何回したことやら。
 若くてして亡くなったジョンの方が、愛に恵まれていたような気にさせる1曲です。




ほんとうの愛 (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)

つまらないことを 考えてたんだな
僕はきみのこと 待ってただけ

おもちゃをねだる 子どもみたいにさ
僕ら愛だけを 待ってただけ

きみと二人 二人だけで
いることが 本当の 愛なんだ 本当の…

もうわかったのさ 人生の舵取り
僕はきみのこと 待ってただけ

何も恐れる ことはないんだよ
本当の愛なんだ そう本当の愛なんだ

恋をするたび 物足りなかった
僕はきみのこと 待ってただけ

きみと二人 二人だけで
いることが 本当の 愛なんだ 本当の…
そう本当の 愛なんだ 本当の…




 次は、『Hello Goodbye』。
 ジョンも、ポールも、ソロになってから反戦歌を書いていますが、いずれも「彼ら(敵)は僕やきみと変わらない」ということをくりかえし歌っています。

 この曲はその原点のようなもので、『We Can Work It Out』と同様に、人と人のわかり合えなさをふまえて、それでも「ごきげんよう」と声をかけ続けることの大事さを歌っているんですね。




ハロー・グッバイ (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)

きみは 止まれって 言うけど 僕は行くよ オー・ノー!
さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

いつも 僕ら わかり 合えないのかい? オー・ノー!
さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

Why, why, why, why, why, why Do you say good bye Goodbye, Oh, no

さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

きみは 止まれって 言うけど 僕は行くよ オー・ノー!
さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

hello, hello I don't know why you say goodbye I say hello Hello



 次は、『If I Fell』。
 ジョン・レノンはプレイボーイ誌のインタヴューで「当時の妻以外の女性との半自伝的な曲」とこの曲について語っている、とwikipediaにありました。

 「妻以外の女性」とh。昔の恋人かもしれないし、10代で亡くなった実母かもしれません。
 そのへんを曖昧にするあたりが、ジョンの歌詞の妙味である気がします。

 50年前の邦題は『恋におちたら』でしたが、それでは惚れても愛されない不安が込められていないので、「きみに惚れたら」という邦題を新たにつけてみました。





きみに惚れたら… (作詞・レノン=マッカートニー/訳詩・今一生)

きみに惚れたら 誓っておくれ 裏切らないと
手をつなぎたい そんな愛はもう 彼女だけ
まごころを ささ げるなら 彼女より強い愛がほしい

疑わない から 逃げないで プライド 傷 つけないで ね
この愛も死ぬ なら 耐えられないよ 悲しい

きみならば 揺れ てる気持ち きっと わかってくれるだろう
この愛も死ぬ なら 耐えられないよ 悲しい

僕らの 愛 確か なら彼 女は涙流すはずさ

きみに惚れたら



 今回の最後は、『I'll Be Back』です。
 この歌は、ジョン・レノンが「長らく行方不明だった父アルフレッドと再会したことをきっかけにして父親のことを書いた曲」と、wikipediaにありました。

 ジョンの父アルフレッドは船乗りで、ジョンが母・ジュリアのお腹の中にいる時に航海に出たまま行方知れずとなり、5年後、突然に姿を現したのですが、その時すでにジュリアには新しい恋人ができていたため2人の結婚生活は再開されず、両親のどちらかを選ぶように迫られたジョンは母・ジュリアを選び、アルフレッドは再び姿を消したそうです(このリンク参照)。

 父・アルフレッドがジョンの前に再び姿を現したのは、ビートルズが世界的に有名になっていた1964年4月1日。
 19年振りに再会したのに、ジョンは2人きりで会うことはせず、リンゴとジョージも同席していたそうです。
 この曲が同年7月にリリースされたのを考えると、会うたびに父親はジョンを失望させていたようですね。




また戻るんだろう… (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


出よう こんな家から でも戻るのだろう
さよなら言ったのにさ 帰ってきたし

心から あなたを求め
ているのは 僕のほう 僕だけ

また傷つけるのかい? もううんざりさ
最後のチャンスだぜ 振り向かないよ

遠くまで逃げれば きっとわかってくれるなんて
期待したけど大外れだったね

まだ傷つけたいの? もううんざりさ
最後のチャンスだぜ 振り向かない

出てゆきたい 離れたくない
ゆれる気持ち知ってるくせに

出よう また戻るのか
わからないけど…



 では、次回の更新をお楽しみに!
(※これまでのすべてのオリジナル訳詩と僕自身が歌ってる音源のリストは、コチラ




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