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■30日の夜8時からUstreamで世直し=ソーシャルデザインについて語ります


 4月30日(木)夜20:00~22:00に、「ロフトラジオ」というUstream生中継番組に、不肖・今一生、出演します。20時半頃から。

 ロフト席亭の平野悠さんらと、世直し=ソーシャルデザインについて語り合います。
 題して、『世界同時革命としてのソーシャルデザイン~「意識高い系」から遠く離れて』。



Broadcast live streaming video on Ustream
(※時間になると始まります。後日、Youtubeにアーカイブされる予定)

 ビジネスによって社会的課題を解決する画期的な仕組みを作り出すソーシャルビジネス/ソーシャルデザインは、すでに世界中で試みられていて、戦闘エリアを減らして戦争被害を食い止める社会起業家もいれば、ホームレスに彼らのできるユニークな仕事を作り出している社会起業家もいます。

 貧困や飢え、失業や戦争など、従来なら「解決なんてどうせムリ」と思われていた社会的課題に対して、政治や行政、既存の企業ではなく、市民自身の日々の仕事を通じて民間から解決を試みるサードセクターの面白さに気づいてほしいと思います。

 ソーシャルデザインの面白さについては、『よのなかを変える技術 14歳からのソーシャルデザイン入門』(河出書房新社)や、『ソーシャルデザイン50の方法』(中公新書ラクレ)、『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)などに書いてきました。

 このソーシャルデザインによって課題解決できるテーマは無数にあって、動物殺処分ゼロにする優れた事業もあれば、障がい児に仕事をさせてギャラを受け取れるようにする仕組みもあれば、みんなが嫌がるまちのゴミ拾いをスポーツにして楽しんで取り組めるようにするような面白い団体もあります。

 最新著書『よのなかを変える技術』には、そうした面白くよのなかを変えられる事例が豊富に紹介されています。

表1カバー見本
(※購入するだけで、東北の被災地の子どもたちの育ちを支援する「ハタチ基金」への寄付になります)

 すでに本書を購入済みの方は、コチラをご覧ください。

■『よのなかを変える技術』関連イベント(5~7月 東京・大阪)を知りたい方は、コチラ

■本書の「序章」の活字になる前の原文を読みたい方は、コチラ

■自分の住む地元でソーシャルデザインを手がける団体を知りたいなら、コチラ

■ 『よのなかを変える技術』の目次をみたい方は、コチラ

■著者・今一生を自分の住む地元へ招きたい方は、コチラ


 30日(水)は、午後5時頃から7時頃まで新宿駅周辺の大手の書店を回ったり、食事をしたりと、ぶらぶらしてます。
 今一生と同行したい方は、ケータイ番号と名前を添えてconisshow@gmail.comまで。



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●ソーシャルデザインや社会貢献の活動や事業を取材してほしい方は、この記事を読んでください。

●このブログで100人以上がtwitterで拡散した最近の記事は、以下の通り。

 ■『よのなかを変える技術』の目次を発表 ~14歳から読めるソーシャルデザイン入門書
 ■1週間の入院で僕も考えた ~誰かと共に暮らすために必要な自分の価値
 ■「助けてあげるよ」と言い寄ってこられたら、あなたは?
 ■自殺防止の番組で、自殺したくなくなった?
 ■15歳で文化を仕分けされる日本人


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■ソーシャルデザイン界隈で「意識高い系」としてdisられる人々 ~からかわれるには理由がある


 鈴木洋一さんという人が書いたこのブログ記事を引用しつつ、「意識高い系」がなぜ揶揄されるのかについて考えてみたい。

 その記事を要約してみる。

★日本では、社会的課題を解決する活動をする人たちを「意識高いね」と評価したり、「特殊な人」として見られる
 (ボランティア活動でも「人とつながりたい」「就職」「自己の成長」が第一義的な目標として扱われてしまう)

★日本社会には確固たるコア・バリュー、哲学的思想がないからこうした事態が発生する
 (「社会正義」の概念がほとんど浸透していない)

★人々が行動して社会が変えられるという認識の不足が原因
 (成功体験として人々が社会を変えたという事柄が引き継がれていないことが大きい)



 さて、一見正しそうな上記の主張には、大いなる勘違いがある。
 1個1個、どこがおかしいのかを指摘しながら、「意識高い系」が揶揄される理由を考えてみよう。



(1) 課題解決の成果を出してない団体が多いから

 まず、日本で社会的課題を解決する活動をする人たちが「意識高い系」として揶揄されるのは、多くの活動団体が課題解決について目立った成果を出していないからだ。

 活動するだけで称賛されるなんてことは不健全なことだと、常識的な日本人は当たり前に考える。

 その活動でいったい何がどう変わったのか?
 それだけを評価の対象にするのは、とても健全な発想だろう。

 だから、解決の成果をハッキリ出してる事業活動に対しては、すでにふつうの人たちの間に多くの共感の輪が広がっているし、誰もその団体を揶揄したりはしない。

 たとえば、ホームレスの自立支援NPO法人Homedoorは、路上生活者にシェアサイクル事業などで再就職し、社会復帰するチャンスを与える活動が評価され、大阪市民の若い世代に支持を受けるだけでなく、Googleのインパクトチャレンジでグランプリを受賞し、5000万円という大金を活動資金として提供された。

 神奈川県に本社を置くAsMama(アズママ)では、子育てと仕事の両立という社会的課題に対して子育てを地域社会で助け合う解決サービスを提供し、1時間500円程度の安い「子ども預かり代」によってママたちの圧倒的な支持を集め、この1,2年の間に急速に全国に事業拡大している。

 こういう優れた課題解決の事例は、拙著『よのなかを変える技術』(河出書房新社)や『ソーシャルデザイン50の方法』(中公新書ラクレ)、『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)などでたくさん紹介している。

 そうした優秀な団体をマスメディアが積極的に報じているかといえば、お寒い限り。
 これは、新聞社の編集主幹やテレビ局の社員プロデューサが、「べつに報じなくても自分は何も困らない」という立場にあるから。

 すぐれた解決の成果をもっていても、マスメディアに対する広報戦略をもっていない活動団体も少なからずあって、僕は日本財団で広報戦略セミナーを開催したり、オンラインサービスとして戦略を教えていたりもする。

 社会的課題解決の成果を出しているなら、それを効果的に広報しいていかないと、その解決インフラを切実に必要とする人に届かなかったり、届くのが遅くて問題をこじらせてしまうことさえある。

 ソーシャルデザインの担い手は、「意識高い系」ではない一般市民の前で、活動前と活動後の変化をわかりやすく伝えるチャンスが必要なんだ。

 だから、僕自身、「社会起業支援サミット」を3年間かけて全国27都道府県で開催したし、今年は東京と大阪で大衆的な「トークライブ居酒屋」で活動を伝えるイベントを開催する(※詳細はコチラ)。

 このように、「意識高い系」ではない一般大衆の足の運びやすい場所にNPOやソーシャルビジネスの担い手が集まるのは、まれなことだ。

 残念なことに、彼らがよく集まるのは、東京では日本財団ビル、六本木ヒルズ、東京ウィメンズプラザ、渋谷ヒカリエなどの「意識高い系」を印象づける場所だ。

  実際、ソーシャル系のイベントに足を運ぶと、見事に高学歴インテリ文化層のふきだまりで、参加者たちの誰もその属性の均質さを不気味に感じておらず、多様性の受容とはほど遠い。

 よのなかには、「低学歴ヤンキー文化」や、インテリにもヤンキーにも入れずに浮いてる中間層の浮動票のような「マージナルな文化層」、文化を享受できずにいる「底辺層」もあるが、「意識高い系」は高学歴インテリ文化層どうしで群れたがるわけだ。

 そういう偏ったところで「社会」を平気で語る公開イベントを、僕は「インテリ村の公開オナニー」と呼んでる。

 そうした場所では、「欧米には社会的課題を放置することが社会的におかしいという認識が広く共有されている」と指摘しながら、「日本にはそれが無い」かのように語られがちだ。

 家族や地域社会が崩壊して「成熟化」した現代日本では、「趣味縁」のように共通の趣味で集まったり、同じ問題に苦しむ人々どうしで課題解決に動き出す「問題縁」(※女縁もこれに相当する)という新しいコミュニティ・フレームが多様に生まれている。

 だから、ネット上で動物殺処分の残酷さを知った人は、殺処分ゼロにできる活動で目だった成果を出してるNPOを「意識高い系」などと揶揄したりはしない。

 それどころか、そのNPOに寄付したり、活動に参加したり、活動の成果をtweetすれば、RTもしてくれる。

 それが「問題縁」というコミュニティ・フレームであり、このフレームの外側に多くの「課題解決の成果を出してない団体」がたくさん横たわっているんだ。

 
(2) NPOの代表者に高学歴インテリ文化層が多いから

 文化が学歴層によって分断された今日では、社会正義は地域社会などの既存のフレームではなく、文化の違いを超えて同じ問題に苦しむ「問題縁」という新たなコミュニティ・フレームに受け継がれた。

 しかし、高学歴インテリ文化層は、そのことにあまりに鈍感だ。
 だから、低学歴ヤンキー文化層に対して「導いてやる」「支援してやる」という構えを一方的にしがちになる。

 たとえば、朝日新聞の一部の記者が持ち上げた仁藤夢乃さんのJK支援も、彼らが支援対象とする当事者のJKたちにとっては手放しは喜べないものだ。

 あるいは、不登校やひきこもりの支援団体の多くは、障がい者が通う作業所の職員がそうであるように、ひきこもりの若者がいてくれるおかげで寄付や会費を集め、飯を食えている。

 自分の活動団体の内側に若者たちや彼らの親を囲い込んで、団体の外側の社会にたくさんある面白い生き方や学歴ハンデがあっても東大卒と変わり映えしない所得が得られるユニークな稼ぎ方にひきこもり当事者を速やかにつなげることに失敗してる団体は少なくない。

 これは、無学歴・低学歴でもその当事者各自には「固有の価値」があることを、高学歴インテリ文化を自明のものとする人たちが発見できていないからなんだ。

 だから、状況分析は妥当なのに、対策が「支援」のままになり、「高学歴インテリ文化の価値観で幸せになれ」と強いてしまう活動になりがちだ。

 若者が自立できないんじゃなくて、自立させない(=当事者との共助・協働に高学歴インテリ文化層が自発的に加わる動機付けに失敗している)ということが、わかってない。

 異文化を理解しないまま、数字だけで因果関係を導くのは、頭でっかちの悪い癖だ。

 つまり、自分とは異質な文化に配慮せず、「こんなに良いことしてるのに、なぜからかうんだ?」と居直るから、いつまでも「意識高い系」とバカにされる。

 無自覚って怖いね。

 自分の信じる高学歴インテリ文化を相対化して発想できない人は、自分たちの価値観が社会全体の価値観だと盲信してる。

 その構えに自覚的になれば、自分が先行世代の作った「よのなかの仕組み」に乗って成功しただけの、狭い世界しか知らない人間だったと気づくはずだ。


(3) 日本のソーシャルデザイン教育は始まったばかりだから

 とくに若い世代において、ソーシャルデザインを学ぶ・知る・教わるチャンスは、近年ようやく高校や予備校、大学などで始まったので、社会的課題の解決事例に関心をもつのはむしろこれからだ。

 ネット上で情報を得ようにも、そもそもネット検索は自分の知ってる言葉しか調べようがないんだから、「ソーシャルビジネス」や「ソーシャルデザイン」という言葉の認知度が低い以上、怪しいもののように思われても仕方がない面がある。

 しかも、日本では、大学に進学する高校生は近年、やっと2人に1人になった程度で、社会全体でいえば、高卒以下が圧倒的に多数派だ。

 つまり、「高学歴インテリ文化層に属する人たちは、現時点では社会の中での少数派。
 一般大衆に活動の成果や正当性を伝えるには、高卒以下の人たちが十分に理解できる表現や報道が必要になる。

 それをちゃんと理解してる優秀な人たちは、すでに大衆からの信頼と人気を得ているポップ・アイコンとコラボする。

 有名な写真家と組んでLGBTカップルの写真を撮影するチャンスを作ったり、地域に根付いた企業と事業をコラボするなど、「人材の借り物競争」が上手だ。

 それは、学歴や文化に関係なく、ソーシャルデザインの実態を大衆にピンときてもらおうとする配慮ができているから。

 「高学歴インテリ文化層」以外の異文化に対する関心・配慮のない多くの日本のNPOは、自分たちの主張ばかりをしたがるから、「あいつら意識高い系」とからかわれてしまうのだ。

 解決の成果を伴わない「青年の主張」をいちいち聞いていられるほど、不況下の日本人はヒマじゃない。

 それより、東日本大震災の復興ボランティアに参加すると有名アーチストたちのライブチケットがもらえるプロジェクト「ロックコープス」を見習った方がいい。

 日本にはずっと「講」という相互扶助の文化があり、それは「祭り」のように楽しい表現をもって今日まで受け継がれてきた。
 「ロックコープス」が今年も無事に開催できるのも、それが現代版の「講」(問題縁)だからだ。

 正しいことより、面白いことに、人は心を寄せる。

 こんな当たり前のことがわからずに、「正論を吐けばみんなついてくる」なんて思うのは幻想だし、社会変革の活動家としては甘えにすぎない。

 意識を変えるべきは「意識の低い大衆」ではなく、冒頭のリンク先のブログを書いた人自身なんだよ。



表1カバー見本

 拙著新刊『よのなかを変える技術』の目次をみたい方は、コチラ
 著者・今一生に、自分の住む地元へ来てほしい方は、コチラ
 『よのなかを変える技術』の関連イベント(5~7月 東京・大阪)を知りたい方は、コチラ


(The Beatlesの名曲『Revolution』を日本語で歌ってみた。この歌詞から学ぶべきことは大いにある)


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■『よのなかを変える技術 14歳からのソーシャルデザイン入門』の「序章」の原文を公開 


 4月22日に全国の書店で発売される新刊本『よのなかを変える技術 14歳からのソーシャルデザイン入門』今一生・著/河出書房新社)。

 本を作るときは、何度も原稿を練り上げた後で、初めて活字になるわけですが、今回の本もそうした過程を経て、作られています。

 そこで、本書の「序章」の部分だけ、最初に書いた原文(=直す前のもの)を公開します。
 本書をこれから読まれる方なら、どこを抑えて直したのかに思い当たるはず。

 活字になったものより、原文の方がストレートに本書の意図を伝えているかもしれません。
 では、どうぞ。


序章 ~よのなかを変える「ソーシャルデザイン」って何?

「こんなよのなかで、いいんだろうか?」
 そう思ったことが、きみにはあるかい?
 たとえば、同じクラスでいつもイジメられている友だちを見たとき、「みんなどうしてあの子をイジメるんだろう」と心を痛めたことは?
 どうしてもテストの点が伸びない教科の勉強をしているとき、「なんでみんながみんな同じようにこの教科を勉強しなくちゃいけないの?」と疑問を感じたことは?

 よのなかには、イジメをなくした例がたくさんある。
 特定の教科の成績が良くなかったのに、大人になってから仕事で成功して億万長者になった人も珍しくない。
 なのに、「イジメはなくならないもの」とか、「この教科は学ばなければいけないもの」という具合に、仕方なく目の前の現実を受け入れて育つ人が少なくない。
 そのように現実をそのまま受け入れて生きていくだけでは、本来なら解決できるはずの問題はいつまでも解決されない。
 それどころか、きみ自身が本当にやりたいことを先送りして、つらい現実にガマンだけで乗り切る人生を続けていくことにもなる。
 実際、親や教師から、こんなセリフを聞いて育った人は多い。
「より良い高校に入って、より優秀な大学に入れば、一生安定して働き続けられる大企業にも入れるし、あなたの好きなこともできる。そのように選択肢が増えるのだから、勉強を最優先しなさい」
 ところが、その言葉を鵜呑みにして大学に入ってみると、自分のやりたいことをやろうと思っても、周囲からこう言われることになる。
「どうせプロにはなれないのだから、やりたいことは趣味にして、一生安定して働き続けられる大企業に就職しなさい」
 受験偏差値で優秀な人ほど、「せっかく良い大学に入ったのだからやりたいことは趣味でやれ」と周囲の家族や友人、先生やバイト先の大人にまで言われまくるのだ。
 そして、多くの人はその声の大きさに負け、仕方なく周囲がそうするように就職する。
 しかし、一生安定して働き続けられる大企業に入れても、「そんな夢のような会社などどこにも無かったのだ」と気づくのは数十年後。現時点でどんなに社員数が多く、世界中に事業を展開する大きな企業でも、数十年後は誰にも保証できない。
 22歳で入社した時点では周囲からうらやましがられるような大企業だったはずなのに、40代になる頃にはリストラ(解雇)によって会社から追い出されたり、会社が倒産したり、他の企業に買収されるなど、自分の力ではどうしようもない現実を突きつけられることが珍しくなくなった。
 大企業から追い出されたら、それまでの年収と同じ額面で他社に再就職するのは難しい。
 その頃、きみは「人の親」になっている。子どもたちに私立の学校に行かせる学費を払えず、公立へ転校してもらうしかない。数千万円のローン(借金)で購入したマイホームも誰かに売り飛ばして賃貸マンションに引っ越すしかない。
 それまで働かなくてもよかった配偶者には、働きに出てもらうしかない。
 日本の大企業で働くサラリーマンでは、こうした現実に直面して苦しむ家庭が少なくなくなった。
 それは同時に、低学歴の人たちの生活が、高学歴の人よりもっと貧しくなっていることを意味している。

15歳で一生の収入額面まで決まってしまう

 親の資産と子どもの学歴が比例してる現代の日本では、親が高所得になる仕事につけないばかりに、その子どもは小さい頃から塾に通わせるなどの教育投資を受けられず、低学歴になる傾向がある。
 中学校を卒業する15歳の時点で、小さい頃から塾や通信添削などの学費を親が払えたために勉強ができるようになった子は優秀な高校へ行き、大学進学から大企業を目指し、高所得が得られるチャンスにありつく。
 でも、親が低学歴で低所得であるために勉強が満足にできなかった子は、学費や学力の問題から大学へ進学できず、大企業の下請けの中小企業か、大卒者と比べて安い給与の会社で働くよう、進路指導で就職や専門学校への進学を勧められる。
 なぜ、貧しい親の子というだけで、大人になってからも低収入の人生にならなければいけないの?
 なぜ、15歳の時点で「高学歴インテリ文化」と「低学歴ヤンキー文化」に分断されるの?
 この2つの文化は、水と油ほど違う。優秀な高校に通う子は、おしゃれなカフェでまったりとくつろぎながら、大学進学の希望や将来の仕事の夢を語り合う。
 他方、受験偏差値ランキングで下から数えた方が早い高校に通う子は、タバコの煙でむせるようなたまり場で遊びや犯罪、家族の暗い相談話をする。
 同じ15歳でも、その先の人生は180度変わってしまう。
 前者は「勝ち組」になろうとし、後者は「負け組」として世間から後ろ指をさされながら生きることになる。
 自分が勉強をがんばればがんばるほど、「自分より勉強のできない子」が増えてゆき、学力差で他人を蹴落として多くの同世代を「低学歴」へ追い詰めるのだ。
 そんな「よのなかの仕組み」に乗っかって「自分だけの幸せ」を追いかけたのが、きみの親の世代の高学歴の人たちだ。
 彼らは自分が蹴落とした低学歴の同世代を振り返ることなどせず、「自分の家族さえ安心と平和な暮らしが続けばいい」と考えてきた。
 自分が学力で蹴落としてきた人のことなど考えなくても、何も困らないからだ。
 おかげで低学歴を強いられた人たちの中には、まともな仕事ができなくなって犯罪に手を染めたり、自暴自棄になって「誰でもよかった」と罪もない人を傷つける無差別殺傷事件を起こす人が現れたり、自殺や貧困、精神病、子ども虐待などの深刻で切実な問題に苦しむ人も増えた。
 こんなよのなかで、生きやすいかな?
「勉強のできない人は、勉強を怠けていたんだから、安い給料で働かされればいい」
 そう反論するのも自由だ。
 しかし、親が貧しいために塾に行けず、塾に行けた子の成績をなかなか超えられない子の努力不足を責めたところで、その子の成績は上がるだろうか?

000.jpg
(※NHKスペシャルで紹介された家庭の経済状況と子どもの進学格差を示すデータ。
 年収400万円世帯の大学進学率は、年収1000万円世帯の半分しかない)

 それに、学校の勉強を嫌うこと自体、ダメなことだろうか?
 日本では近年、ようやく高校生の2人に1人が大学に進学する時代になった。
 でも、たとえ全員が大学に入る時代になっても、東大や早稲田、慶應などの偏差値の高いレベルの大学と、地方の無名の新設の大学とでは、入社できる企業の規模は明らかに違う。受験偏差値の高い大学の卒業生は大企業に入れるが、低い大学やそれ以下の学歴なら中小企業にしか入れない。
 それが、会社が人を雇う際の傾向であり、「よのなかの仕組み」だ。
 結局、大学のレベルによって入社後の給与額面に格差が生じることは避けられない。どこまでいっても、勉強のできる人とできない人とで収入格差が残ってしまう。それは、勉強のできる子は幸せになれるが、できない子は同じ幸せは得られない「よのなかの仕組み」があるってこと。
 その仕組みは本当に正しい?
 むしろ、親の所得を上げなくても勉強ができるようになる方法を作り出したり、高学歴にならなくても高所得になれる仕組みを作り出す方が、長い人生では必要な学びになるんじゃないかな?

 きみが勉強に努力すればするほど誰かを不幸のままにする「よのなかの仕組み」を疑い、自分を含めて誰もがより生きやすくなる新しい「よのなかの仕組み」を考え、作り出したいなら、この本はそのための技術を学ぶ良いチャンスになる。
 このように、選挙や政治家に頼らず、民間で問題を解決していく新しい方法を作り出し、「よのなかの仕組み」を変えていく活動を「ソーシャルデザイン」と呼ぶ。
 今すぐ赤ペンや蛍光ペンを用意し、気になる文章に線を引いてみてほしい。
 きみもよのなかを今よりもっと生きやすいものへ変えられることを実感していけるよ。

表1カバー見本

(今すぐ買いたい方はコチラ。お金の無い方は、最寄りの図書館や学校の図書館にリクエストカードを出してくださいな)


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 本書に収録されたブックリストの本やソーシャルデザイン団体を知りたい方は、コチラ


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■『よのなかを変える技術』に収録したブックリスト&ソーシャルデザイン団体のリンク集


 『よのなかを変える技術 14歳からのソーシャルデザイン入門』(河出書房新社)の購読者の皆様へ、本書の内容を補完するハイパーリンクをお知らせします。


■ソーシャルデザイン関連ブックリスト(P236-237)

『ソーシャルデザイン50の方法 あたなが世界を変えるとき』(今一生・著/中公新書ラクレ)
『社会起業家に学べ!』(今一生・著/アスキー新書)
『社会起業家 「よい社会」をつくる人たち』(町田洋次・著/PHP新書)
『社会起業家 社会責任ビジネスの新しい潮流』(斎藤槙・著/岩波新書)
『ソーシャルデザイン』(グリーンズ・編/アイデアリンク、朝日出版社)
『ソーシャルビジネス入門 「社会起業で稼ぐ」新しい働き方のルール』(ベン・エーコン・他著/日経BP社)
『チェンジメーカー 社会起業家が世の中を変える』(渡邊奈々・著/日経BP社)
『ソーシャル・エンタープライズ 社会的企業の台頭』(谷本寛治・著/中央経済社)
『世界を変える人たち 社会起業家たちの勇気とアイデアの力』(デービッド・ボーンスタイン・著/ダイヤモンド社)
『未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家』( シルヴァン・ダルニル・他著/日経BP社)
『貧困のない世界を創る』(ムハマド・ユヌス・著/早川書房)
『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった』(ジョン・ウッド・著/ダイヤモンド社)
『おしゃれなエコが世界を救う 女社長のフェアトレード奮闘記』(サフィア・ミニ^・著/日経BP社)
『10万人のホームレスに住まいを! アメリカ「社会企業」の創設者ロザンヌ・ハガティの挑戦』(青山やすし・他著/藤原書店)
『プロップ・ステーションの挑戦 「チャレンジド」が社会を変える』(竹中ナミ・著/筑摩書房)
『裸でも生きる 25歳女性起業家の号泣戦記』(山口絵理子・著/講談社BIZ)
『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』(坂爪真吾・著/小学館101新書)
『週末は若女将 「楽しい」を仕事にする私たちの挑戦』(山根多恵・著/メディアパル)
『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(駒崎弘樹・著/英治出版)
『いくつもの壁にぶつかりながら』(村田早耶香・著/PHP研究所)
『TOKYO油田物語―天ぷら油まわりまわって世界を変える』(染谷ゆみ・著/一葉社)


■本書に収録されたソーシャルデザイン団体の公式サイト

NPO法人Homedoor(P43)
スワン(P56)
ケアプロ(P59)
ワクワーク・イングリッシュ(P65)
からふる(P68)
NPO法人植える美ING(P78)
かものはしプロジェクト(P85)
和歌山活性化プロジェクト「WAKA」(P106)
ピア(P119)
日本スポーツGOMI拾い連盟(P150)
AsMama(P167)
モーハウス(P168)
NPO法人ファザーリング・ジャパン(P176)
ピースワークス(P179)
MET-next(P210)
To2Bagプロジェクト(P211)
ジョブセンス(P214)
やおよろズ(P223)
NPO法人 Mother Kitchen(P225)
グラミン銀行(P234)
SHOKAY(P234)


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■新刊『よのなかを変える技術』 関連イベント ~ソーシャルデザインの面白さに気づこう!


 4月22日に全国発売される新刊『よのなかを変える技術 ~14歳からのソーシャルデザイン入門』(河出書房新社)のプロモーションとして、下記のイベントに著者の今一生が出演します。


■5・12夜、千駄ヶ谷で農業女子×棄国子女と「移住」について(←クリック)
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 5月12日(火)開場PM7:00 開演PM7:30-9:30/千駄ヶ谷・サンクチュアリ出版 1階
(※地方や外国に移住した人たちの実体験から、移住のリアルを語ります)


■5・16昼 高円寺で信田さよ子さんと ~良い子ちゃん量産社会(←クリック)
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 5月16日(土) 開場:正午 開演PM1:00~PM4:00/高円寺パンディット
(※1万2000人もの若い女性を買春した60代の元・校長の話から、脱「良い子」の生き方へ)


■5・28夜 神保町でろくでなし子さんとアート×ソーシャルデザイン(←クリック)
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 5月28日(木) 開場PM6:30 開演PM7:00/神保町 東京堂ホール
(※あれもダメ、これもダメと強いてくる「良い子ちゃん量産社会」で生き残るしたたかな戦略について)


■6・3夜 新宿で宮台真司さんとソーシャルデザイン(←クリック)
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 6月3日(水) 開場 PM6:30 開演 PM7:30~PM11:00/新宿・歌舞伎町ロフトプラスワン
(※子育てと仕事の両立、動物殺処分ゼロ、途上国支援などに取り組む団体が大集合!)


■6・12夜 ソーシャルデザイン白熱教室@早大 ~誰でも無料 (←クリック)
waseda-con.jpg
 6月12日(金)開演PM7:00-9:00/早稲田大学 早稲田キャンパス3号館405教室
(※よのなかの仕組みを変えるソーシャルデザインや社会起業について超わかりやすく講義)


■7・7夜 大阪でソーシャルデザイン「よのなかを変える人たち」(←クリック)
7-7west.jpg
 7月7日(火) 開場 PM6:30 開演 PM7:30~PM10:30/大阪ミナミ ロフトプラスワンWEST
(※Googleに日本一に認められたホームレス支援、LGBT、動物殺処分ゼロなどの団体が集合)


 以上のイベントは、前売り予約が始まっています。

 イベントのタイトルをクリックした先にあるブログ記事で、予約の方法が書いてあります。
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 ■『よのなかを変える技術』の目次を発表 ~14歳から読めるソーシャルデザイン入門書
 ■1週間の入院で僕も考えた ~誰かと共に暮らすために必要な自分の価値
 ■「助けてあげるよ」と言い寄ってこられたら、あなたは?
 ■自殺防止の番組で、自殺したくなくなった?
 ■15歳で文化を仕分けされる日本人


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