仕事の目的をただの金儲けにしてることを不思議に感じないバカが、この日本にも若い世代に出てきている。
「成功=金儲け」だと信じて疑わない成金風情が、社会の片隅で一人勝ちを裸の王様のように誇っている。
「17歳で1億円稼いだ!」なんて自己紹介をして恥ずかしくないヤツがいて、その後ろには仕事の社会的価値や「なぜ人はゆっくり収入を作るのか」の意義にピンと来ない低レベルのメンター(指導者)がいる。
社会的価値が理解できないままビジネスを始めると、おかしなことになる。
そもそも一つの企業や一人の個人が市場や社会から独立して事業を行うことはできない。
社会性にピンと来ないままビジネスを続けること自体がビジネスの基礎や持続可能性に関心が無いコミュニケーション力不足を自ら露呈させるのだ。
世間知らずの人は、自分が世間知らずだとはほとんど自覚できない。
だから、何の罪悪感も持たずに人に不幸をもたらせる天然ぶりだし、その天然ぶりにコロッとだまされる人もいる。
まぁ、だまされるほうもさらに世間知らずだから当然の帰結。
ネットの時代は自分だけの夢の中で生きたい人が出てくるものなんだ。
おかげで、全国消費生活情報ネットワーク・システムに寄せられた情報商材に関する相談のうち、業者を介して購入した情報商材に関する相談件数は2006~2009年度で1,301件。
2009年度は718件。
2008年度268件(前年同期)と比較すると、倍増し、
今なお増え続けている。
それは、不当に高い情報商材やセミナーなどで短期間に荒稼ぎするバカと、そのバカにだまされるバカが増えていることの証拠。
ネオヒルズ族を全否定せず、部分的に肯定し、その勢いでその業界を擁護する発言を繰り返している人たちもいるんだけど、これはやっぱり「体質」なんだろうね。
そういう文化で育ったまま自分の知っている世間の小ささに気付かず、既に「体質」になってしまった人たち。
いくら金を稼いでも、ぜんぜん満たされない人たち。
そういう連中のビジネスを見て、デメリット(被害の大きさ)とメリット(ごく一部の自称「成功者」)を比べれば、デメリットの大きさがはるかに上回ってしまう場合、メリットだけを切り離して高評価するなんて、常識人にはできない芸当だ。
例の体罰による自殺という最悪の結果を招いておいて、「あの先生たちにも反省する権利がある」なんてことを平気で言える人たちは、残念ながら、「同じ日本人でも文化が違う人たちがいるんだよ」という多様性を理解していない。
文化をそのまま残すような人員体制を残したまま「今後は反省してね」と説教しても、何を反省していいかすら、彼らは理解できないの。
なぜなら、彼らには「自尊心を大事にする」という文化ではなかったから。
だから、「自尊心を大事にしてね」と説教したところで、にわかには変わらないし、変えられない。
自分と同等に他人を大事にすることはできないというのが彼らの培ってきた文化であり、その文化に自尊心を覚えてきたのだから、にわかに変えられるなんて期待できる担保がどこにもないんだ。
文化の違いをわかりあい、両者が溶け合っていくには、ギャップを小さくしていく手間と時間と、コストの大きさに互いに気付くしかないが、貧困層と富裕層では文化が違いすぎて、ギャップの解消は容易ではない。
全裸で当たり前に暮らしていたアフリカ人にパンツを履かせ、物々交換の代わりにドルで価値交換させ、「借りた金は自分のもの」という文化に「借金を返せないと娘を売り飛ばすぞ」と脅しても、「?」だろう。
少なくとも、ネオヒルズ族の手口や仕事ぶりを、2013年の日本社会は決して許容しないだろう。
なぜなら、これまで長い年月を経て、やっと日本にも仕事やビジネスにおける社会的価値の大きさに気付ける人が増えてきたからだ。
それが、この日本社会の本流だよ。
成金趣味なんていう低俗な文化を受け入れる時代は、既に過去のものなの。
…なんてことを書いても、ネオヒルズ擁護派には、猫に小判なんだろうね。
その金で何ができるかを考えることは、富を持つ人に課せられた社会的責任だ。
10円ならアフリカの飢えた子のランチ1食分。
1000万円なら100万人の飢えた子を救える。
お金は常に誰かの命の対価になる。
無駄遣いは誰かを殺すのと同じくらい罪深い。
富を何に使うかでその人の社会的価値は決まる。
自分の稼ぎをさらに増やすために使うか、それとも公益に資する使い方をするか。
そもそも、本当に社会を良くしたい人は、高額な情報商材なんて売らない。
良いことなら無償でシェアしたほうが良いと考えるし、自分の仕事に「革命」「テロ」なんて言葉も恥ずかしいので使わないし、「短期間で●億円稼いだ」なんて金儲けのキャッチコピーを自分につけたりもしない。
突然にもたらされた富はシャブと同じだ。
気がつけば、昔からのなじみの友だちは去り、自分と同じジャンキーの顔をした連中に囲まれる日々の中で次第にその狂騒を「成功」と思い込むことで自己肯定しようとし、自分を知る人のいない場所へ移り住みたくなる。
いつか、その虚無の絶望的な大きさに気付いても、彼を救う人はいるだろうか?
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