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■妄想のライブ・カフェ ~内房線の五井駅前で、文化を作り出せる拠点を作れないか?


 今月、50歳の誕生日を迎える。

 今年の上半期は、胆石の摘出手術で病院に入院・通院をくり返してきたので、療養期間とし、新たな仕事をしないと決め、ビートルズの楽曲を和訳して歌うなんて楽しみに興じていた。

 日本語で歌えるように譜割りをふまえて和訳してみると、ビートルズが世界中の若者の人気者だった約50年前に日本で発表されていた和訳に誤訳が多いコトがわかったり、50年前に社会的なメッセージを歌っていたなどの発見もあったりと、とても面白い作業になった。

 それらの和訳は書籍で発表してみたいところだが、まだ出版社は決まっていない。
 本格的に企画書にしてプレゼンしてないからなのだが、和訳の途中から僕自身の今後の人生そのものを考え始めてしまった。

 本を執筆・編集するのが年数冊のペースでも、あまる時間はまだたくさんある。
 その時間で音楽に関わることができないかという欲求がふつふつとわいてきたのだ。

 もちろん、趣味ではない。
 やるとしたら、仕事にする。

 だから、どう儲けるのかという戦略が必要になるのだが、その前に、これまでの仕事の実績をふまえてどんなことがしたいのかを妄想しておきたい段階なのだ。

 だから、「これから書く内容はまだまだ妄想だ」と断りつつ、気ままに書いてみよう。


■みんながワクワクできる拠点を田舎に作れないか?

 僕が住んでる千葉県市原市の市内や周辺には、高校も大学もいくつかある。
 しかし、浜田省吾の歌『Money』ではないが、「ハイスクール出たやつらは次の朝バッグを抱えて出てゆく」わけだ。

 地元にワクワクできる職場が無ければ、あるいはそれを作れる見込みがなければ、上京するなり、内房線を北上した東京に近い職場を探す方が面白いし、地元では働くより選択肢が増えるし、高収入になるからだ。

 そのことは前の市原市長に話したこともあるんだけど、若者向けのインキュベーション(起業支援)に力を入れることなんて、おじいさん市長にはピンとこない話だった。

 彼は、「なんで玉蹴りに金を出すんだ?」とJEFユナイテッド市原というJ1チームのためにクラブハウスを整備することがなかったので、千葉市が全天候型スタジアムを建設して、今は「JEF千葉」と言われている(正式名称は「JEFユナイテッド市原・千葉」なのに)。

 こんな市政も、この春から新・市長の下で変わるかといえば、どうもその気配が無い。
 前市長の後釜として当選した人なので、どこまで文化への投資の社会的意義が理解できているかも、わからない。

 いずれにせよ、市政がどうあれ、民間の力で若者が面白がれる環境を作る必要があるだろうし、ニーズもあると見込んでる。
 僕自身、19歳まで育った町がパッとしないのでは、なんとも居心地が良くないしね。
 みんながアッと驚くことが無いことに慣れきっているし、面白くできる可能性すら忘れてしまってる。

 そんな町で妄想してるのが、五井駅から徒歩で行ける距離に「ライブ・カフェ」を作るというものだ。
 既に使われなくなった物件を安く借り上げ、音楽ライブやトークイベントなどができるカフェを作ってみたら、どうだろう?

 モデルとしてイメージしているのは、新宿ロフトプラスワンだ。
 通称LPOでは毎日、日替わりのテーマでゲストたちがステージでトークライブを行い、観客からの質疑に応答してる。

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 ライブハウスだと通常、イベントをしたいミュージシャン側がチケットノルマを課され、それによってライブハウス側の収益を守ろうとしている。
 だが、LPOはイベントの内容やゲストの人選など企画そのものを検討し、集客に耐えうると見込んだ企画なら、イベントを主催する側からはお金を受け取らない。

 ノルマの負担が無いどころか、イベントの来場客の飲食代やチャージ代金などの総売上の額面が一定以上になれば、規定の%分はギャラとしてイベント主催者に支払われる。

 田舎でこの仕組みのまま店を運営するには、イベント主催者側にメディア向けの広報戦略や、通る企画の作り方、ゲスト・ブッキングの方法、集客戦略などを教える必要がある。

 イベント主催者たちを育てれば、毎月のように定例イベントを成立させることもできるだろうし、プロ志望のシンガーソングライターや映画製作者などに対して、その表現やメディア露出の方法を鍛えられるだろう。

 何なら24時間、ステージに向けてカメラを置いておき、Ustream生中継をエンドレスで行ってもいい。
 イベントが無い時間帯に定期的に歌えば、ライブハウスに金を出すより、よっぽどファンを獲得できるだろう。
 そうした映像はどんどんYoutubeにアップし、アーカイブを増やしていけばいい。

 また、店側が主催するイベントも大事になってくる。

 ニュー・アルバムの発売に合わせて全国ツアーに出る有名ミュージシャンにも声をかけ、ギター1本で「レコ発ライブ」ができるようにブッキングすれば、大ホールのある施設が市内にもあり、沿線沿いの千葉市や木更津市にもある五井駅前のカフェなら、来てくれるだろう。

 ミュージシャン以外にも、有名な作家や文化人などの講演も市内周辺の公共施設で行われているので、彼らも講演終了後にホテルに滞在するより、こっちのライブ・カフェに招いてトークライブに参加できるよう、呼びかければいい。

 これは、僕自身が地方に講演に行った際に、毎度、感じていたことだ。

 地方で講演すると、その土地の面白いところがわからないし、わかっても土地勘が無く交通時間が読めないため、結局はホテル内かその周辺で飲食を済ましても、時間を持て余してしまう。

 もし、講演の前後にべつの用事をブッキングしてくれる人がいて、その土地の人と話を楽しめて飲食できるような面白い呼びかけがあれば、足を運びたくなること請け合いだ。

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 最初は、飲食店としての通常営業と、毎週1~2回ペースの有名人ゲストによるイベントをやるとして、少しずつ「毎日なにかしらスゲェ面白いイベントをやってる店」として、地元の若者たちの間にイメージを定着させたいね。

 できれば、そのカフェのライブをネットで見た外国人が、「俺たちの国でライブやってよ!」と声をかけてくれるような仕掛けも作ってみたい。

 多国籍のメンバーでバンドを組み、日本語で歌うだけでなく、英語や中国語などのバージョンも作って、同時代の世界中の若者たちから共感されるような楽曲を作ってほしいし、それを売り出せる環境つくりもしてみたいところだ。

 デジタル・レコーディング・スタジオも、ライブ・カフェと同じビルか、近所にこさえてみたいね。
 そこで、新しい時代の映像作家がカッコ良いPVを、人気が出る前の若い才能を持つミュージシャンを被写体にして作り出していける環境も同時に整えられたら最高だ。

 ネット配信が音楽ビジネスで主流になっていく時代には、日本で売れなくても、世界中で売れたトータルの売上で食っていければ十分だし、そのためには諸外国から「うちの国に来て」と頼まれて、ギャラをもらって演奏旅行に行けるような若い世代を育てていく必要があるだろう。

 そういう新しい文化の発信源として、また地元市民のビジネス活性化の拠点として、若い世代を中心にワクワクするような店が五井駅前に作れたら、沿線沿いから、あるいは東京や神奈川・埼玉からも、いや世界中から出演依頼が来るかもしれない。

 それこそが地元に人を集める起爆剤になるし、このカフェが潤うだけでなく、他の業種の店も潤う地域活性の美しい姿だと思うし、イベントのポスター(印刷)やライブ観光ツアー(旅行業)など、地元出身のスターを作ることによる関連産業の活性化を夢見ることもできる。


■ライブ・カフェの上には、シェアハウスなんてどう?

 片田舎で、それまでライブ・カフェがやったことがない取り組みをどんどんやれば、全国各地の見本として注目もされる。
 そのためには、ただの商売として思われても困るので、NPO法人として運営するのもいいかもしれない。

 実際、店が回るようになれば、人手もほしくなるが、キャッシュフローが追いつかない事態も出てくる。
 そういうこともふまえて、できれば、カフェと同じ建物か近所にシェアハウスも運営し、家賃収入も見込みたいところだ。

 三重県の伊勢市には、さびれた商店街の奥に、ユメビトハウスというシェアハウスがある。

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 僕の友人が運営しているんだけど、昔はYAMAHAのピアノ教室だった3階建てのビルを丸ごと借り上げ、2・3階に泊まれて、1階ではハウス利用者たちが交流できるスペースになっているんだ。

 こういうシェアハウスが五井駅前に作れたら面白い。

 1階はライブ・カフェで、飲食もできるし、毎日イベントで面白いゲストがトークや演奏、映画上映などをしていて、2階以上に全国から集まった孤独なひきこもりやニートが寝っころがっていてもいいし、彼らが家賃の代わりにカフェで時給制で働いてくれてもいい。

 彼らの中から、観たこともないとんでもないアイドルグループをプロデュースする人が出てくるかもしれないし、病気などのハンデを背負っていても稼げる仕組みを実現してしまう愉快な展開もあるかもしれない。

 学生には、本やCD、イベントライブの予約チケットなどを売ってもらって、売上枚数分だけ金を支払うようにすれば、空き時間や教室などで小遣いも稼げるようになるだろう。

 もちろん、成功している地元の若手起業家たちも招いて、高校生や大学生にとっては自分の10年後がくっきりと思い浮かべられるような「起業塾」もライブ・カフェでやればいいと思うし、僕も高校・大学と連携して社会起業やソーシャルデザインに関するゼミを現役の社会起業家たちを招いて手がけてみたい。

 五井駅前にそうした夢のあるライブ・カフェを実現できる物件が超安く借りられるなら、立ち上げスタッフを公募し、NPO法人を作り、資金繰りに取り掛かりたい。

 もっとも、以上の話はまだ、僕個人の妄想にすぎない。
 とにかくワクワクが無さすぎるこの町で、1個でも起爆剤になる店が作れたら、全国の田舎に住む若者たちの希望になる。

 地球のたった1点の場所から「世界を変える文化」を生み出し、同時代の多くの人をワクワクさせる仕事は、きっとやりがいのあるものになるはずだ。
 



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 ■『よのなかを変える技術』の目次を発表 ~14歳から読めるソーシャルデザイン入門書
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 ■「助けてあげるよ」と言い寄ってこられたら、あなたは?
 ■自殺防止の番組で、自殺したくなくなった?
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■SEALDs(シールズ)のデモへの違和感 ~「非戦の国」にしたい立場からの素朴な疑問


 シールズのデモが毎週のように報じられていると、モヤモヤっとした違和感がそのたびに募る。
 そこで、「非戦の国」であってほしいと願う立場から、自分の意見を整理しておきたい。

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■おまかせ民主主義を70年間も続けてきたツケ

 まず、戦争法案は、自民党・公明党が躍起になって成立させようとしてるもので、憲法の解釈変更だけで法案にして国会を通そうとするのだから、これは立憲主義が破られたも同じ暴挙である。

 9条を変えたいなら、憲法改正を発議するのが立憲主義を守るための鉄則だ。
 でも、どうやらこの鉄則の重大さを理解できてない国民が、残念ながら一定層いるようだ。

 憲法は、国家権力に対する国民からの命令である。
 権力が国民の意志を無視して暴走するのを止めるために、何をすべきか・何をしてはいけないのかを明文化したものだ。
 その憲法の内容を無視し、憲法改正を論じることもなく、解釈だけで法案化すること自体、立憲主義を捨てたも同じ。

 こうした立憲主義をふまえず、軍事力増強や海外派兵を優先して正当化できるとしたら、独裁か無政府主義以外の何物でもない。
 しかし、こうした中学生でもわかるようなことが、ピンときてない国民が一定層いるのは、間違いない。

 残念ながら、こうした政治音痴は、政治思想の右左を問わないし、戦争法案の賛成・反対も問わない。
 どんな意見をもとうと、日本人の一部には民主主義や国民主権の意味がわかってない人が少なからずいるのだ。

 日本は戦後、民主主義と国民主権をアメリカから受け取り、70年間の長き間、日本人自身が改正せず、守ってきた。
 だから、制度(手続き)としては受け入れてきたものの、日本人の多くに内面化されているかといえば、お寒い限り。

 たとえば、義務教育課程でも、クラスのみんなから選ばれた学級委員長が、いじめやゴミなど同じクラスの問題を解決するのが期待されるものの、学級委員以外の児童・生徒がクラスのために動き出そうとすると、周囲からこう言われてしまう。

「おまえ、学級委員でもないのにエラそうにすんなよ!」
「学級委員に任せておけばいいのに、余計なことしてるよなぁ」

 これは、高校でもさほど変わらない。
 クラス全体の公益については、誰かそれを考えるヤツに任せておけばいい、と思う人が「ふつう」なのだ。
 これぞ、「おまかせ民主主義」そのものである。
 自分たちで学級委員を選んでおいて、「それはお前の仕事で、俺は関係ない」という構え。

 そして、みんな大人になり、働き出すと今度は、自分の勤務先が公害・違法行為などの社会悪をいくら続けようと、外部からの批判があるいていど大きくならないうちは、自発的にはなかなか改めない職場環境を「しょうがない」で思考停止する。

 だから、牛肉偽装のミートホープ事件でも、五輪エンブレム問題でも、組織内で自発的に責任を取る人間がいなかった。

 自分が選んだ職場=共同体に対して1構成員としての責任を感じないどころか、その仕事を通じて生まれる社会的影響に対しても責任感を覚えることが乏しいんだ。

 毎日の職場ですら、経営者に対する「おまかせ民主主義」なのに、国の行方を決める大事な法案を見て、自分がそこに住んでいる主権者としての当事者意識が目覚めるだろうか?

 だから、シールズの若者が「民主主義って何だ?」とマイクで問いかけ、デモ参加者が大人数で集まった現実を無邪気に肯定して「コレだ!」とレスポンスするとき、なんだかウソくさいものを感じるのだ。


■恐ろしい政治家を選んでしまった国民は、民間で政府の暴走を止めるしかない

 そもそもシールズは、今年9月の参議院での廃案に持ち込みたいんだろうか?
 もし本気でそう考えているとしたら、あまりにおめでたい。

 たとえ、参議院で否決されようと、60日ルールで自動的に可決してしまう。
 自公はこのルールを使わない方針と言ってるけど、それでも可決できるという余裕だろう。

 安倍総理やその側近の要職にある自民党議員が早期の辞職を余儀なくされるようなデカいスキャンダルを次々と暴くなら、新聞・テレビなどのマスメディアも連日報道することもあるだろうし、「この空気のまま戦争法案に賛成すると次の選挙で落とされる!」と恐れを覚えた自民党・公明党の議員たちが否決に回る可能性が無いわけではない。

 それなら、戦争法案を廃案に持ち込めるかもしれない。
 国会議員にとって一番恐ろしいのは、100万人のデモではなく、議員辞職か落選のどちらか、だからね。

 しかし、スキャンダルを発掘するプロである週刊誌ですら、そんな動き方ができていない。
 それこそ、自民党議員たちが未成年と裸で寝てる写真が一斉に出るようなことがない限り、否決は非現実的と言わざるを得ない。

 だとしたら、可決した後、次の選挙で「廃案議員」たちを勝利させるまで、何年間もデモを延々と続けるつもり?

 ただし、そのための具体的な戦略や活動内容は、少なくとも現時点では明らかになっていない。
 自民党議員に対する落選運動の方法やその精度、目標とする落選人数も、はっきりしない。

 「がんばれば、神風が吹く」といった根性主義しか、今のところシールズからは読み取ることができない。
 勝算を期待させない選挙戦では、これまで自民党を勝たせてきた百戦錬磨の「選挙のプロ」にはかなわないだろう。

 そこで、前述の「主権者としての当事者意識の低さ」の問題が浮上する。

 僕らが選挙を通じて政治に期待するのは、何年かに一度であって、非日常的な「まつりごと」にすぎない。

 でも、毎日の仕事を通じて日常的に社会を変える市民が増えれば、そのこと自体が「主権者としての当事者意識」を育て、国民の間に「自分たち自身がこの社会を作り変えられる存在としての権利を行使しよう」という空気が醸成される。

 そのように、主権者としての意識を内面化できた人が増えれば、それに比例して投票率も上がるだろう。
 少なくとも、戦後最低の投票率を記録した国会議員の選挙の場合、「投票に行きましょう」という呼びかけだけでは劇的な変化は望めない。

 だから、毎日の仕事を通じて、「軍事力に頼らなくても平和が維持できる仕組み」を作り出すことに取り組めば、バカな政治家が戦争法案を可決させた後でも、その法律を使わずに済む国際関係を民間から築くことも期待できるのだ。

 平和は、互いに「相手国を攻撃すれば自国も切実に困ってしまう仕組み」を多様に作り出し、維持することで保たれている。

 北朝鮮が日本へミサイルを飛ばそうと、中国の船が日本の領海内に入ってこようと、日本に全面戦争を仕掛ける気配を彼ら自身が消しているのは、日本のバックにアメリカがいるという軍事同盟の仕組みによるものだけでなく、文化・外交・経済において相互依存関係を保つ方が、彼らの国にとって利益があるからだ。

 もし彼らが日本に戦争なんて仕掛けようものなら、アメリカどころか、国際社会が黙っていないだろう。
 中国なら「元」が暴落し、国際通貨しての信用を失う。
 北朝鮮なら、国連軍が早期解決のために派兵して占領する。
 ロシアなら、中国との緊張関係が増して、核削減で圧縮できた軍事予算を増やさざるを得ず、頭の痛い問題になる。

 どこの国も、日本に限らず、もう戦争なんて、したくないのが本音なのだ。
 自国の経済を立て直し、国内の意見集約をするのが難しいのは、共産圏も社会主義国も変わらない。

 だからこそ、民間できる文化・外交・経済の仕事現場で「相手国を攻撃すれば自国も切実に困ってしまう仕組み」をどんどん作ってしまえば、その分だけ軍事力に頼らずに平和を構築できる国が作れるってことなんだ。


■若い世代だからこそ、できることはたくさんある

 シールズのデモでマイクを握る人には、安倍総理が戦争法案の根拠とした仮想敵国=中国の若者がいない。
 北朝鮮の脱北者もいなければ、軍事同盟を結んでいるアメリカから来日した若者もいない。
 高校生も参加するシールズのデモなら、若い世代どうしで国を超えて連帯しても良さそうなものなのに。

 戦争法案を嫌がるのは、自分たちが攻撃したり、攻撃されたりするのに巻き込まれるのだけがイヤなんだろうか?
 安倍総理に名指しで仮想敵国にされた同世代の若者たちと、若い日本人の自分たちが仲良くしてる図は、まずいの?

 むしろ、「俺たちの世代は軍事力で牽制し合うようなバカな仕組みを平和だなんて言う大人になりたくない」と宣言した方が、よっぽど潔い印象を、日本人だけでなく、世界中のメディアを通じて外国の若者たちに与える。

 そうしたムーブメントは、ネット上での共感も集め、多くの人たちから活動資金や戦略の知恵などを得られるようになる。

 デモ参加者からカンパを集めるような古いやり方ではなく、デモ参加者たちに「あなたの毎日の仕事を通じて平和を維持できる仕組みを作りましょう」と事例を紹介して、知恵を分かち合うこともできるだろう。

 実際、どんな職種でも、互いに「相手国を攻撃すれば自国も切実に困ってしまう仕組み」を意識した仕事を作り出そうと思えば、外国とつながることで平和維持の活動になりうる。

 その事例の一部は、このブログに書いておいた。

 たとえば、旅行代理店なら、仮想敵国の政府要人の家族を日本の観光名所に毎年定期的に招待し、世界でも一流の日本式のおもてなしで歓待してあげればいい。
 その資金は、地元の青年会議所からの出資や、地域活性NPOによるクラウドファンディングで補てんすればいい。

 要人の家族が日本にいる間は、日本に攻撃なんかできない。
 歓待した挙句、要人の子どもの通う学校の修学旅行先として日本を選んでもらえば、ますます攻撃なんかできなくなる。
 中国の幹部は、ワイロで大金を蓄えたら国外逃亡してるぐらいだから、家族や同胞を歓待してくれる国への観光旅行や修学旅行は在任特権として喜ぶはずだ。

 そのように、自分の仕事を通じて仮想敵国の人たちと民間交流を密にしていけば、互いに相手国のほしいものが何かについて理解を深めることになる。
 「私たちの切実のほしいものを提供できるのが日本だけだ」と相手国に理解してもらえれば、日本を攻撃する動機を奪うことができる。

 平和というのは、「関係」のこと。
 だから、相手の事情に関心をもたず、自分だけ安心したい人には作れない。

 あなたは、自分を威嚇や脅しでねじ伏せようとする人を信用できるかい?
 イヤだよね?
 そんなヤツになりたいかい?
 イヤだよね?

 お互いに相手に安心してもらうための仕組みを多様に作り出してこそ、平和という「関係」を築けるんだよ。
 そのお手本を日本が世界に示せば、本土以外にまで自国の兵士を駆り出すのに税金を使うなんて、バカらしくなるよ。

 それに、もう日本は戦争ではどこの国にも勝てない国になってしまったんだ。

 戦争を続けられる資源は領内に無いし、IT戦略をマネジメントする人材が適切に配置できない官僚文化だから自衛隊の軍事機密までダダ漏れだし、そもそも70年間も1人の外国人も殺してない「実戦経験ゼロ」の自衛隊は張子の虎で、法的にも軍隊じゃない。

 そういう現実をふまえるなら、勝算のない戦争を始めてしまった第2次世界大戦のような政治体制にならないよう、軍事力ではない平和維持の仕組みを民間でたくさん作って、自国の政府にも他国の政府にも軍事力を使わせずに「平和」という戦果を得る方が、知恵の勝利というものだよ。

 勝算がなければ戦わない。
 戦わずして勝つ。
 相手を知り、自分を知れば、百戦して殆うからず。

 これぞ、孫子の兵法。
 中国と分かち合える良い知恵だと思うけどね。

 シールズの奥田くんは、「忙しくなればなるほど貧乏になっていく。社会運動って理不尽だな」と言ってる。

 そんなの、奥田くんと同世代の学生の一部はとっくの昔に気づいてるから、社会起業(ソーシャルビジネス)やソーシャルデザインを学べる学校に入ってるんだよ。



 働きながら、社会を変えよう。
 若い世代は、もう動き出してる。
 東京でも、大阪でも、全国各地でもね。

 そう提案をした方が、奥田くんと同い年で高卒で社会人として働いてる同世代にも響くし、年月がかかっても「非戦の国」に確実に近づいていけるんじゃないかな?




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■ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳し、自分で歌ってYoutubeにアップしてみた (12)


 The Beatlesの名曲を日本語で歌えるように訳詩を作るという試みが、療養中の身としてはとても楽しく、ちゃんと日本語でも歌えることを証明したいと、勢いあまって自分で歌ってみましたw

 もっとも、手術で切ってしまった腹筋に力が入らず、しばらく歌ってなかったので高音域も出ず、録音機材もない仕事部屋の四畳半でパソコン上のYoutubeにあるバックの演奏音源を鳴らし、iPhoneのボイスメモで一発撮りしたもの。

 ヘタクソなんですが、ビートルズの名曲はどれも歌詞の世界観が素晴らしいので、それを多くの人に伝えたいという思いで、Googleの編集ソフト「Pacasa3」を活用し、僕の歌う動画をYoutubeにアップしてみました。

 音源が貧弱なぶん、歌詞の内容に合いそうな画像を選んでみました。
 このページでは、新作6本の動画を紹介します。笑ってやってください。
(※これまでに発表した全リストは、コチラ


■Here There and Everywhere (※日本語訳詩はコチラ




■The Long and Winding Road (※日本語訳詩はコチラ




■Don’t Let Me Down (※日本語訳詩はコチラ




■A Day In The Life (※日本語訳詩はコチラ




■The Ballad of John and Yoko (※日本語訳詩はコチラ




■Come Together (※日本語訳詩はコチラ




■Real Love (※日本語訳詩はコチラ




■Hello Goodbye (※日本語訳詩はコチラ




■If I Fell (※日本語訳詩はコチラ




■I'll Be Back (※日本語訳詩はコチラ




 ビートルズの魅力が21世紀も末永く続くよう、日本語で原曲に忠実に訳した歌詞の意味を味わう若い世代が増えると嬉しいので、今後も少しずつアップしていければと思います。

 ビートルズを知らない人が下記の動画を見て、「もともと日本語の歌詞で歌われていたの?」と勘違いしてくれるぐらい、自然に聞こえたら、うれしいです。

 こうした試みに関心をもってくれて、なにかと一緒にやりたい方はお気軽にメールください。
(※これまでに発表した全リストは、コチラ

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■戦争法案のデモに行く人も、行かない人も ~毎日の仕事を通じて「非戦の国」を作る方法


 戦争法案に反対するデモが、全国各地で相次いでいる。
 僕はデモに行きたい人を止めるつもりもないが、デモによって廃案を実現して戦争を回避できるという幻想に酔うつもりもない。

 どんな目的にも、それを実現させる戦略が必要だ。

 その戦略が実際に目的を果たせるという精度を問うことなしに、「がんばれば、あとは結果論」という根性主義だけでデモを正当化すれば、ただのお祭りで終わってしまう恐れは大いにある。

 「がんばれば、神風が吹く」みたいな結果度外視の根性主義がまかり通れば、それは戦略を不要と言ってるのと同じだ。

 経営者の感覚だと、それはありえない。
 経営戦略を学ばず、儲からなかった結果論として平気で社員を解雇する社長の下であなたは働きたいかい?

 だから、デモに行くなら、参加するのをきっかけにして、戦争を回避できる社会をどう作っていけるのかについて、その戦略が目的を達するためにどれほどの説得力を持っているのかを、冷静に見つめてほしい。
 
 デモに参加するのは、多くの人にとって非日常だ。
 ふつうの人の日常は、働いて暮らしているもんだろう。

 それならば、毎日の仕事を通じて、戦争をしないで済む社会を作っていく仕組みを考え、実践していくことの方が、遠回りのように見えて確実に社会変革になるし、それこそが「国民自身が主役となって社会を変える」という民主主義の感性というものだ。

 「自分こそが社会を作る一員だ」という当事者性を獲得し、その自覚をより多くの人と分かち合うことなしに、民主主義などありえない。

 反対運動により多くの人を集めても、それは自分と同じ意見の持ち主どうしで「そうだ、そうだ」とうなづき合っている同質の共同体にすぎない。

 むしろ、毎日通う職場で、さまざまな意見の持ち主たちとねばり強い交渉してゆく果てに1つの社会変革のアクションへと折り合っていくというプロセスを経てこそ、民主主義を生きる当事者性を獲得し、共有できるんだよ。

 だから僕は、デモに参加する代わりに、毎日やってる仕事を通じて、戦争を回避できる「よのなかの仕組み」をどう作っていけるかについて、アイデアをいくつかランダムに紹介していきたい。

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●仮想敵国にされた外国人と仲良くする

 安倍総理は、国会で中国の脅威を戦争法案の必要性の根拠にした。
 これに同調する一般国民は、中国政府と中国人民の意見に温度差があることを知らない。

 日本人が日本政府と同じ意見とは限らないように、どこの国でも政府の外交政策や外国への理解に満足してはいない。
 それに、日本に住んでいる中国人は、中国から出たこともない人に比べれば、はるかに親日的だ。

 これは、韓国やロシアなどの国民にも言える。
 外国人と長年、親しくしていれば、憎くは思わなくなる。それが人間ってもんだろう。

 それなら、あなたの働く会社で中国人を雇ったり、中国人の企業と取引したり、中国人の店に社員みんなでランチに行くなど、中国人とのコミュニケーションの機会を日常的に増やしてみてはどうだろう?

 人材的に優秀で、日本語のできる在日中国人は多いから、中国語で求人広告を出してみるといいかもしれない。

 1人でも多く雇うことで、中国人を身近に知り、親しむことができるだけでなく、そういう会社が増えれば、中国政府も中国人にフレンドリーな企業に対して攻撃的な構えをとりずらくなる。

 野球やサッカーなどのスポーツや、麻雀や卓球などの親善試合を就業時間外で企画し、中国人チームをネット検索で探して誘って社員総出で戦い、終了後は酒でも一緒に飲めばいい。
 社内でサークルがあるなら難しい話じゃないだろうし、何より楽しいことだ。

 そのように、日頃から、仮想敵国にされがちな外国の国民との交流のチャンスを増やそうとすれば、たとえば、飲食業なら「中国語でメニューを書いた方が客が増える」という収益倍増のメリットにも気づくだろうし、多くの中国人が爆買いしてくれる商品リストも中国人から直接知ることができる。

 売り上げ増が見込めるというメリットがある以上、経営者側も納得できるはずだ。
 社員が上司に提案すれば、上司は手柄を得て昇進チャンスになるかもしれない。


●商品・サービスの収益から海外NGOに寄付する

 海外で危険な場所でも人道支援活動を続けているNGO(非営利の非政府組織)には、「自衛隊に来られたら(軍事的な敵と思われて)命を危うくする」と心配している団体が少なくない。
 つまり、NGOに資金援助すれば、彼らは国際的に発言する広報活動に時間を割ける。

 そうすれば、多くの人が軍装した自衛隊をNGOの活動する外国へ送る法案をためらうようにもなるだろう。
 そのための広報予算として、自社の商品サ-ビスの利益の一部をNGOに寄付するよう、社員から経営側へ提案してもいいはずだ。

 実際、コーズ・マーケティングといって、買うだけで社会貢献になる寄付付き商品は、定価の10%以内の寄付額なら、寄付しない場合よりも売り上げ増が見込める。
 寄付する方が売り上げ増になるのだから、経営者も納得できる話だろうし、寄付する事実を事前に新聞に伝えれば、記事にしてくれる可能性は高い。

 戦争法案に反対する機運が高まっている今なら、期間限定のサービスや新しい商品ラインナップを売り出す際に、NGOへ寄付することを試してみてほしい。

 ちなみに、僕自身、個人的に自分の本の印税収入の中から10%を、3・11で被災した東北の子どもたちの育成基金である「ハタチ基金」に寄付している(※該当の本は、『よのなかを変える技術』『ソーシャルデザイン50の方法』)。

 そうした寄付の事実を公開することによって、「ハタチ基金」は少しずつ多くの人に知られることになり、さらに寄付が集まり、今日も活動を続けられている。


●中国・韓国・ロシアなどへ旅行するチャンスを作る

 年1回の社員旅行で中国・韓国・ロシアなどへ、社員総出で訪れてもいい。
 あるいは、そうした国々の企業とビジネス上のパートナーとして商品の売買をしてみるのもいいし、いっそのこと婚活パーティを日本と中国の企業どうしで企画し、国際結婚の実現を増やしてもいいだろう。

 日本の技術に裏付けられた商品・サービスの品質は世界でも一級品レベルなので、国内だけの需要を見るのではなく、海外からの買い付けチャンスを増やすためにも、現地視察は重要だ。

 とくに、購買力のある中国の企業は無視できない。
 日本では売り上げが頭打ちしてる商品ですら、莫大なロットで買ってくれるポテンシャルは大きいだろう。

 広告代理店で働いてるなら、中国企業の現地視察を観光とセットにしたパッケージの「スタディツアー商品」を企業向けに売り出すといいかもしれない。
 どんな業界でも現地での事業展開をするのに、ビジネスのわかってるガイドさえついてくれれば、初めての訪問でも実りは多い。

 毎日の仕事で日本政府が勝手に「仮想敵国」扱いしてる外国人との付き合いが増えれば、お互いのことがよくわかってくる。悪い所も良い所もわかってきて、国民性の違いを超えた絆も作れる。

 そして、国の違いを超えて、「悪いのは国民じゃなくて、バカな政治家だよね。彼らこそが敵だから、アホな政府にしないよう、選挙でマシなヤツを選べるような仕組みを作ることに努力しよう」と合意できるはずだ。


●ビジネス上の相互依存関係を作る

 このように、外国との経済的な結びつきを強めることは、それ自体、戦争をしにくくする要因になる。
 アメリカには、ピースワークスという民間企業があり、国としては国境線の内外で敵対しているはずの両国の民を経済的な相互依存関係の仕組みに組み込んでいる。

 あっちの国の農家で作る作物を、国境線の向こう側の国の工場で加工・製品化し、金のある大国で売りさばく。
 その利益で、農家と工場の労働者にお金を支払うという仕組みだ。

 農家は国境線の向こうの工場労働者を攻撃できないし、工場労働者もあっちの農家を攻撃できない。
 それをすれば、自分たちの製品が作れず、自分自身が食えなくなるからだ。

 それによって、どんなに内戦が続いても、互いに相手の国の取引企業を攻撃できなくなってしまう。

 それどころか、事業拡大で利益が出れば出るほど、両国の労働者の賃金が上がるだけでなく、雇う労働者の数も職場の数も増えていくため、非戦闘エリアが拡大していくことになる。

 日本でも、映画やアニメを多国籍で作ることは既に行われているし、音楽もコラボしやすい分野だから、どんどん中国やロシアのアーチストとのコラボ・ソングを作って、違う国のリスナーどうしが楽しく踊るイベントをやるといい。

 これは、どんな業種でも試せる仕組みだ。
 朝ドラ『まれ』でも、金沢の漆塗りの器と、フランス菓子のコラボが試みられているよね。

 中国やロシアで爆発的に売れてるものの中から、日本人受けしそうな商品・サービスを自分の店に並べたり、ネットで売るなどしてみるのもいい。

 そのために、日本語のわかる中国人やロシア人などとTwitterなどネット上で仲良くなっておくのもいい。
 誰でもできることだよね?

 そうしたビジネスを継続的に行っていくと同時に、いろんな業種・業界に波及させていくことで、日本製品の市場拡大ができると同時に、外国人の持つ魅力から多くを学ぶことになる。

 そうした「経済的な互恵関係ビジネス」によって収益を上げること自体が、お互いの国に相手国への攻撃の動機を奪うことになるんだよ。

 他にもいろんな知恵や事例はあるけど、戦争法案のデモに行ったなら、周囲の大人たちと毎日の仕事を通じて戦争をしないで済む仕事になる仕組みについて議論を吹っかけて、面白いアイデアを発見してみてほしい。

 ちなみに、ピースワークスのようにビジネスを通じて社会の仕組みを変える事業家を「社会企業家」という。
 そして、社会の仕組みを変えることを「ソーシャルデザイン」という。

 この2つは、すでに世界中でムーブメントになっている民間人による社会変革だ。
 時代に敏感な若者ほど、仕事を通じた社会変革に取り組んでいる。

 関心のある方は、『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)や、『ソーシャルデザイン50の方法』(中公新書ラクレ)、あるいは『よのなかを変える技術 14歳からのソーシャルデザイン入門』(河出書房新社)などの本を読んでみてほしい。




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■ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳してみた (15)


 「ビートルズの名曲を日本語で歌えるように訳してみた」の第15弾です。
(※これまでのすべてのオリジナル訳詩と僕自身が歌ってる音源のリストは、コチラ


 では、『Here, There and Everywhere』から。
 ビートルズの中でも名曲中の名曲で、ポールの最高傑作といわれていますが、歌詞の中身はシンプルな甘いラブソングです。




ここでも、あそこでも、どこでもさ (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


マシになるさ 彼女と暮らせば…

ほら少しずつ僕は
彼女に育てられる ときめきで 輝きながら

彼女の髪に触れ
同じ幸せ願う二人 そこには 誰も入れない

どこにいても そばに彼女がいてくれれば
そう望むことが愛なんだ
二人が信じ 合えたら愛は 死なない
その瞳 にいつも僕が…

どこにいても そばに彼女がいてくれれば
そう望むことが愛なんだ
二人が信じ 合えたら愛は 死なない
その瞳 にいつも僕が…

寄り添って生きたい
Here, there and everywhere




 次は、『The Long and Winding Road』。
 これも名曲で、チューリップの『青春の影』もこの曲にインスパイヤされて作られたものでしょう。
 歌詞の世界観が同じです。




長く険しい道 (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)


きみの心 開けるドアへ
続く道は 消えることはない
どんなに長く つらくても

一日中 泣いた涙を
強い風と 雨の夜が
すっかり消して ただ一人

さみしい夜と 涙の朝
きみは知らない こんな気持ち

そして今も 長くつらい
道に僕を 置き去りにして
心のドア 開けてくれ

狂おしいよ 長くつらい
道に今も たたずんでるんだよ
さぁ開けてくれ きみのドア

Yeah, yeah, yeah, yeah



 次は、『Don’t Let Me Down』。
 ジョンがヨーコに対して「がっかりさせないでくれ」と歌っているとwikipediaに書かれていましたが、ボーカルのジョンの叫びから「裏切るなよ」ぐらいの強い意味を読みとって訳してみました。

 ジョン・レノンは、なぜか「これが初めての恋」というフレーズをいろんな歌に盛り込んでいます。
 彼は、現在の恋がそれまでの恋以上に信じられるものであってほしいと、いつも望んでいたのでしょう。




裏切るなよ (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down

彼女のように俺を 愛した 人はない
誰かが同じように 愛して くれるなら

裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down

初めての恋 いつまで続くの
いつまでも続く 未来しかない

裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down

出会った時からさ 本気でね 愛してくれる
誰もそんなふうに 俺のこと 愛さなかった

裏切るなよ don’t let me down
裏切るなよ don’t let me down



 次は、『A Day In The Life』。

 金や名声をつかんだ人も、ある時、新聞に死亡記事が出る。
 しかも、居眠り運転のようなヘマで突然に死んでしまうこともある。

 そういう出来事を僕らは他人事として笑いながらも、自分が埋め合わせたい欠落を埋め合わせるために毎日せっせと働いて一生を過ごしているんだよね。
 でも、そういう欠落の埋め合わせに終始する日常の繰り返しに対して、あっと驚くようなことをして非日常なべつの世界に振り向かせたい。

 そういう意味合いの歌詞です。

 せっせとがんばってもむなしい人生の不条理を知りつつ、それでも死ぬまでは生きていくしかない人間の宿命のようなものを感じさせる内容ですが、これを20代で歌っているあたり、ビートルズが20代前半で歴史に残る世界の大スターになってしまったことの大きさにとまどう当時の彼らの気持ちも垣間見する思いがしますね。





ある日の出来事 (作詞・レノン=マッカートニー/訳詩・今一生)


成り上がりの奴が 新聞に出ていたよ
哀しい話で でも笑っちまった
写真を見たらさ

上の空でドライブ 赤信号に気づかず
みんなが覗き込む 見覚えのある
上院議員みたいだなんて…

今日観た映画では イギリス軍の勝ち戦(いくさ)
みんなしらけて帰る 俺は最後まで
歴史だよ 今さら驚く?

朝 目が覚め 寝ぐせを直すと
台所でお茶を一杯 時計を見たらもう遅刻
コートと帽子で バスに乗り込み
タバコ一服した後で 話しかけられても夢の中

今朝の新聞じゃ ランカシャーに4000個の穴が
小さいものまで全部 数えたらしい
アルバートホール満席にできるかな?
驚かせたいね



 次は、『The Ballad of John and Yoko』。
 ハネムーン旅行中のジョン&ヨーコを追いかけるマスコミに対して、「これじゃ、さらし者だ」と嘆くジョンの気持ちをストレートに歌った歌です。

 キリストのように磔の刑になったと描写するあたり、ジョン一流のウィットですが、当時は「キリストを冒とくしてる」と騒がれてしまったようですが、おそれくそれは揶揄されたマスコミからの逆襲だったんでしょうね。




ジョンとヨーコのバラッド (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


サウザンプトン波止場で オランダかフランスか
行き先を考えてたら レインコートのヤツが戻れと言うんだ
みんなも止めるし このままじゃ 磔(はりつけ)の刑だ

パリまで飛んだよ セーヌ川でハネムーン
ピーター・ブラウンが電話口で スペイン近くのジブラルタルなら式を 挙げられるってさ
このままじゃ さらし者になる

車でアムスへ ホテルで七日間 語らってたら記者連中が
ベッドで何してたのと尋ねてくるのさ やすらぎがほしいんだ
このままじゃ さらし者だよね

いざって時のために貯金 服はみな寄付に
ゆうべ妻が言ったのさ
あの世には魂しか持ちこめない だろ?

サクッとウィーンへ チョコケーキ食べたら
新聞は彼女が俺を 洗脳しドラッグの教祖の夫婦に見える
なんて書く キリストの ように磔(はりつけ)さ

早朝にロンドンへ リュックにはどんぐり
記者たちが待ちかまえてさ
「お二人が無事に帰国されてうれしい」
ふざけんなよバーカ!
このままじゃ さらし者だよね
このままじゃ さらし者だよね



 次は、『Come Together』。
 選挙応援ソングとして作られたようですが、意味ありげの言葉遊びの部分は捨象し、なるだけそのまま訳してみました。
 その方が、権力嫌いで政治家候補を応援するジョンの皮肉振りが伝わってくるようで面白いでしょう。




さぁ、おいで、みんな! (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


ギターは古いフラットトップ そんな
ヤツは愛想ふりまく
あやかしの目玉で 狂信者を演じて
ひざまでの長髪で みんなを喜ばすピエロさ

靴磨くヒマもなく くさい足でサッカーやって
サルの指使いのよう コカ・コーラの瓶を蹴って
「古い仲だろ」なんて言う でもしがらみなんて忘れろよ
さぁおいで 今すぐ 俺と

事務所を立ち上げ セイウチに靴履かせ
小野さんには食器棚 骨折り損も上等さ
ひざまでがっくりとね そんな立場にいちゃ狂いそう
さぁおいで 今すぐ 俺と

ジェットコースターのように ヤツは浮き沈みする
清濁飲み合わせて 真実見極めたい
仏の顔も三度までって カッコだけでもつけとけよ
さぁおいで 今すぐ 俺と



 次は、『Real Love』。
 ジョン・レノンが殺される1年前に作られた曲で、「僕はずっと君を待っていただけ」とヨーコへの愛をシンプルに歌い上げています。

 1995年にジョンのテープに他の3人が参加し、ビートルズの楽曲としてリリースされましたが、もう20年も前なんですね。
 2015年の今日では、ポールですら64歳を超え、離婚も何回したことやら。
 若くてして亡くなったジョンの方が、愛に恵まれていたような気にさせる1曲です。




ほんとうの愛 (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)

つまらないことを 考えてたんだな
僕はきみのこと 待ってただけ

おもちゃをねだる 子どもみたいにさ
僕ら愛だけを 待ってただけ

きみと二人 二人だけで
いることが 本当の 愛なんだ 本当の…

もうわかったのさ 人生の舵取り
僕はきみのこと 待ってただけ

何も恐れる ことはないんだよ
本当の愛なんだ そう本当の愛なんだ

恋をするたび 物足りなかった
僕はきみのこと 待ってただけ

きみと二人 二人だけで
いることが 本当の 愛なんだ 本当の…
そう本当の 愛なんだ 本当の…




 次は、『Hello Goodbye』。
 ジョンも、ポールも、ソロになってから反戦歌を書いていますが、いずれも「彼ら(敵)は僕やきみと変わらない」ということをくりかえし歌っています。

 この曲はその原点のようなもので、『We Can Work It Out』と同様に、人と人のわかり合えなさをふまえて、それでも「ごきげんよう」と声をかけ続けることの大事さを歌っているんですね。




ハロー・グッバイ (作詞・ポール・マッカートニー/訳詩・今一生)

きみは 止まれって 言うけど 僕は行くよ オー・ノー!
さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

いつも 僕ら わかり 合えないのかい? オー・ノー!
さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

Why, why, why, why, why, why Do you say good bye Goodbye, Oh, no

さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

きみは 止まれって 言うけど 僕は行くよ オー・ノー!
さようならかい? ごきげんよう ハロー・ハロー
さよならなんて言わずに ハロー・ハロー
なんでこんなに違うん だろう

hello, hello I don't know why you say goodbye I say hello Hello



 次は、『If I Fell』。
 ジョン・レノンはプレイボーイ誌のインタヴューで「当時の妻以外の女性との半自伝的な曲」とこの曲について語っている、とwikipediaにありました。

 「妻以外の女性」とh。昔の恋人かもしれないし、10代で亡くなった実母かもしれません。
 そのへんを曖昧にするあたりが、ジョンの歌詞の妙味である気がします。

 50年前の邦題は『恋におちたら』でしたが、それでは惚れても愛されない不安が込められていないので、「きみに惚れたら」という邦題を新たにつけてみました。





きみに惚れたら… (作詞・レノン=マッカートニー/訳詩・今一生)

きみに惚れたら 誓っておくれ 裏切らないと
手をつなぎたい そんな愛はもう 彼女だけ
まごころを ささ げるなら 彼女より強い愛がほしい

疑わない から 逃げないで プライド 傷 つけないで ね
この愛も死ぬ なら 耐えられないよ 悲しい

きみならば 揺れ てる気持ち きっと わかってくれるだろう
この愛も死ぬ なら 耐えられないよ 悲しい

僕らの 愛 確か なら彼 女は涙流すはずさ

きみに惚れたら



 今回の最後は、『I'll Be Back』です。
 この歌は、ジョン・レノンが「長らく行方不明だった父アルフレッドと再会したことをきっかけにして父親のことを書いた曲」と、wikipediaにありました。

 ジョンの父アルフレッドは船乗りで、ジョンが母・ジュリアのお腹の中にいる時に航海に出たまま行方知れずとなり、5年後、突然に姿を現したのですが、その時すでにジュリアには新しい恋人ができていたため2人の結婚生活は再開されず、両親のどちらかを選ぶように迫られたジョンは母・ジュリアを選び、アルフレッドは再び姿を消したそうです(このリンク参照)。

 父・アルフレッドがジョンの前に再び姿を現したのは、ビートルズが世界的に有名になっていた1964年4月1日。
 19年振りに再会したのに、ジョンは2人きりで会うことはせず、リンゴとジョージも同席していたそうです。
 この曲が同年7月にリリースされたのを考えると、会うたびに父親はジョンを失望させていたようですね。




また戻るんだろう… (作詞・ジョン・レノン/訳詩・今一生)


出よう こんな家から でも戻るのだろう
さよなら言ったのにさ 帰ってきたし

心から あなたを求め
ているのは 僕のほう 僕だけ

また傷つけるのかい? もううんざりさ
最後のチャンスだぜ 振り向かないよ

遠くまで逃げれば きっとわかってくれるなんて
期待したけど大外れだったね

まだ傷つけたいの? もううんざりさ
最後のチャンスだぜ 振り向かない

出てゆきたい 離れたくない
ゆれる気持ち知ってるくせに

出よう また戻るのか
わからないけど…



 では、次回の更新をお楽しみに!
(※これまでのすべてのオリジナル訳詩と僕自身が歌ってる音源のリストは、コチラ




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